Windows Server 2008サポート終了問題への対策状況(2018年)/後編:IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)
キーマンズネット会員144人を対象にアンケート調査を実施した。移行計画の有無や移行先のインフラ基盤など、Windows Server 2008のサポート終了に伴う企業の対策状況が明らかになった。
「業務アプリはSaaSに移行」「現状で問題なく動くから放置」の声も
最後に「Windows Serverの移行をしない」と回答した読者に、フリーコメントでその理由を回答してもらった。
「OSサポート終了よりもハードウェアリプレースが先」など、現時点ではサーバOS移行の優先順位を下げているとの回答や「業務システムの動作確認ができていない」など、移行計画以前の段階にとどまらざるを得ない事情も聞かれた。
しかし、ここで注目したいのは「(サーバリプレースではなく)別システムを導入するため」のように、他システム導入のためにそもそもサーバリプレースを行う必要がない、とした回答だが目立った。前節のフリーコメントにあるように、この回答の中にはオンプレミスで運用してきた業務アプリの一部をSaaSなどに置き換える動きも含まれるものと推測される。
一方で、Windows Server 2003のサポート終了の頃を思い起こさせるコメントも多く寄せられた。移行しない理由として、「現状のままで問題なく動くから」「ネットワークから独立して動作しているから問題ない」「データ参照にしか利用していないのでそのままで問題ない」といった、サーバOSのサポート切れ後も使用しても問題がないと回答しているケースだ。
言うまでもなくサーバOSのサポート終了後の利用は大きなリスクを伴う。「Windows Server 2008/2008 R2」延長サポート終了後は新たな脆弱性が見つかった場合でもマイクロソフトからセキュリティパッチが提供されない。このため、マルウェア感染やフィッシング詐欺、なりすましによる情報漏えいなどシステムの脆弱性を狙った攻撃を防ぐことが困難になるからだ。
また過去の例を見てもこうしたサポート終了などのイベント後には、移行未対応のシステム脆弱性を狙った悪意ある攻撃が増加する傾向にあるため、さらに注意が必要だ。
繰り返しになるが、特に今回の「Windows Server 2008/2008 R2」延長サポート終了時期は「Windows 7」「Office 2010」「SQL server 2008」などサポート終了を迎える製品が近い時期に複数固まるタイミングであるため、移行計画と実行を早期に進めることをお勧めしたい。
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