ID管理の“あれもこれも”を無料で使えるサービスも? IDaaSの「何ができる」を徹底解説(4/4 ページ)
年々、増加するID、パスワードをどう管理するかが問題だ。ただ、企業にとってID管理システムの導入メリットはなかなか実感できないだろう。そこで、ID管理システムが持つ機能をおさらいするとともに、最近注目されているIDaaSについて説明しよう。
ここまで無料で使えるサービスも? IDaaSの国産2サービスを徹底比較
このようなID管理システムも、まだオンプレミスでの運用が多いが、最近は、ID管理システムをクラウドサービスとして提供する「IDaaS(Identity as a Service)」が注目されつつある。既に米国ではIDaaSの利用が急速な勢いで広がり、日本でも徐々にユーザーを増やしつつある。
オンプレミスのID管理システムとの大きな相違点は、サーバメンテナンスの必要がないため、運用管理コストが削減できる点だ。ID管理システムも他の業務系システムと同様に、システムが止まると業務が止まるため、無停止運用が求められる。そのため、運用管理者にとって負荷がかかるが、IDaaSであればインフラ運用もベンダー側に任せられるため、大きな運用管理コストの削減が見込める。
オンプレミス型のID管理システムは相応のコストをかけて導入するものというイメージを持つ企業も少なくないだろうが、IDaaSは無料から利用できるものもある。例えば、GMOグローバルサインの「SKUID byGMO」では、シングルサインオンや認証機能、管理機能などID管理に必要な基本機能の多くが無料で利用できる。
また、国産のIDaaSのもう一つの選択肢として、ID管理専業ベンダーであるエクスジェン・ネットワークスが提供する「Extic」がある。同社はオンプレミス型のID統合管理システム「LDAP Manager」を提供し、600法人を超える提供実績を持つ。「Extic」はそのノウハウが詰め込まれたIDaaSだ。高機能なLDAP Managerに対して、Exticはシンプルな機能で構成される。「ひとり情シス」といわれるような、少人数でシステムを切り盛りする企業にも導入しやすいところがメリットだ。
このように、ID管理システムの導入にはIDaaSという選択肢もあり、オンプレミス型と比べて、導入も容易だ。そのため、まずは、一部門にトライアル導入し、走りながら考え、その間に課題の洗い出しをするという方法論もある。IDaaSはこのような導入ができるのもメリットだ。
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