「タブレット」シェア(2018年第4半期および2018年)
IDC Japanは「2018年および2018年第4四半期 国内タブレット端末市場実績値」を発表した。家庭市場は出荷台数が伸び悩んだが、その一方でビジネス市場は2018年第4四半期および通年ともに堅調な成長を見せた。プラス成長をけん引した要因とは。
IDC Japanの調査によると、2018年通年のタブレット端末の出荷台数は757万台(前年比-11.5%)、2018年第4四半期の同出荷台数は185万台(前年同期比-2.9%)となった。
セグメント別に見ると、2018年通年のビジネス市場向けタブレットの出荷台数は188万台(前年比+16.2%)、家庭市場向けタブレットは569万台(同-17.9%)、2018年第4四半期のビジネス市場向けタブレットは52万台(前年同期比+39.1%)、家庭市場向けタブレットは133万台(同-13.2%)という内訳であった。
2018年のビジネス市場向けタブレットは、金融関連企業でのタブレットの買い替えや導入および学校向け出荷や企業によるiPadの買い替え需要などによって16.2%増とプラス成長となった。しかし、金融関連企業向けタブレットの入れ替えは2019年にピークを迎えると考えられ、ビジネス市場向けタブレットは2019年が転換期になる可能性がある。テレワークによるタブレット需要も徐々に出始め、ビジネス市場はこの需要が市場を支えるポイントになる。
一方、2018年通年の家庭市場向けタブレットにおいては、回線付きモデルの出荷が低迷し前年比34.6%減であった。マイナス成長の理由として、通信事業者でのスマートフォンとタブレットを抱き合わせた契約がある程度一巡したことなどが考えられる。Wi-Fiモデルはコストパフォーマンスの高いAndroidタブレットの市場展開やiPadの低価格化などにより、前年比18.4%のプラス成長となった。
2018年第4四半期でも回線付きモデルは34.3%減と大きく落ち込みを見せたが、Wi-Fiモデルは、2018年末のPay Payによる大規模なキャンペーンにより、通常値引きが少ないアップルやマイクロソフト製品への需要が高まったことで、前年同期比15.7%のプラス成長につながった。
2018年第4四半期のタブレット市場出荷台数の上位5社は、1位が46.0%と市場シェアの半数に占める勢いだ。次いで2位が26.5%、3位が11.7%、4位が6.1%、5位が2.4%と続いた。2018年通年では、1位が45.9%、2位は25.3%、3位は9.5%、4位は5.1%、5位は2.3%となった。
ビジネス市場向けタブレットの出荷は、生命保険会社の入れ替えや既に導入しているiPadの買い替え需要によって市場はけん引され、家庭市場向けタブレットは、通信料金と端末料金を分離させた分離プランによる端末価格の上昇や料金プランの変更により今後も減少し続ける可能性が高いとIDC Japanはみている。
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