「クラウド会計ソフト」シェア(2019年3月)
MM総研は、個人事業主を対象に実施したWebアンケートを基に、クラウド会計ソフトの利用状況をまとめた。導入状況やベンダーシェア、クラウド会計ベンダーの今後の事業チャンスとなる出来事を一挙に公開する。
MM総研は、2019年3月19日〜27日の期間で1万3172の個人事業主を対象にWebアンケートを実施し、2019年3月末時点の「クラウド会計ソフトの利用状況調査」をまとめた。
調査の結果、全体の32.5%が会計ソフトを利用しており、そのうちインターネット経由で会計ソフト機能を利用するクラウド会計ソフトの利用率は18.5%だった。2018年3月に行った前回の調査と比較すると、クラウド会計ソフトの利用率は14.7%から3.8ポイント増加した。MM総研は、クラウドの利用率の拡大が裏付けられたと考察する。なお、同社はクラウド会計ソフトについて、「インターネット経由で会計ソフトの機能を利用できるソフトのこと。PCに会計ソフトをインストールしたもの、会計データのみをインターネット上に保管するソフトは含まない」と定義する。
クラウド会計ソフトの事業者別シェアは1位が57.0%、2位が21.5%、3位が18.2%占める結果となった。トップシェアを獲得したベンダーは、2018年3月の調査時と比較し、55.4%からシェアを1.6ポイント上げている。同様に2位のベンダーは、21.1%から0.4ポイント上昇。3位のベンダーは、16.5%から1.7ポイント上がっているとが分かった。上位3社の合計シェアは93.0%から1年で96.7%に上昇し、市場の寡占状態が続いている。
一方で、会計ソフトを利用していない個人事業主の比率は62.5%で、個人事業主の半数以上が手書きや表計算ソフトなどを利用していることが分かった。MM総研は、今後、税制改正や行政手続きの電子化が進む中で、電子申告や電子帳簿保存に対応した会計ソフトの導入が進む可能性もあると考察。会計ソフト事業者が、まだクラウド会計ソフトを利用していない層を開拓する上で、大きな事業機会となるだろうと分析する。
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