企業におけるデータ利活用の実態(2019年)/後編(2/2 ページ)
キーマンズネットは2019年4月11〜25日にわたり「データの活用状況に関する意識調査」を実施した。中小企業のデータ活用動向や「情報銀行」の利用意向などが明らかになった。
データよりもカンや経験を重視 中小企業「データ経営」への道のりは遠い
データ活用支援ツールの導入や利用意向の割合、情報銀行への関心度などを見るにつけ、企業活動にとってデータの利活用が必須になりつつあり関心が高いテーマであることが見て取れるが、それにもかかわらず「今の業務環境で必要なデータを必要なタイミングで不自由なく利用できている」担当者は全体の約半数しかいないのが現状だ(前編参照)。その理由として最も多いのは、そもそも業務上必要なデータ自体が取得できていないというシステム面、運用面での課題であった。
それでは「人材面」ではどうだろうか。調査の結果「自社内にデータ活用ツールを使いこなせる人材がいない」45.4%、「分析ソフトウェアを利用するためのスキルが不足している」44.3%等の項目で高い割合を示しており、システム面で必要なデータ収集がされていたとしてもそのデータを分析・解析し活用フェーズに昇華させるスキルを持つ人材が不足していたり、そもそも分析の前提となるデータの取り扱い知識が不足していることなどが課題となっているようだ(図3)。特にその傾向は100人以下の中小企業で顕著に表れており、加えて「データよりもカン・経験・努力を重視する風土が強い」が44.7%と約半数に上っているのが現状だ。一方、前編で紹介したが「業務上データを利活用する立場にある方」の割合は中小企業が76.3%と中堅企業や大企業に比べて多い傾向にあることから、今後中小企業データ活用担当者のリテラシー向上や周辺支援に注力していくことが、全体として企業のデータ利活用促進に大きく効いてくるものと言えそうだ。
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