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ソフトバンク孫会長 RPA+AIの「RPAI」がもたらす25倍の競争力に期待。オートメーション・エニウェアへ出資の理由も明かす

2021年9月13日、RPA BANK はキーマンズネットに移管いたしました。
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RPA BANK

RPAソフトウェアを提供するオートメーション・エニウェアは、プレミアムカスタマーイベント「IMAGINE TOKYO 2019」を開催した。東京・グランドプリンスホテル新高輪で開催された6月13日のビジネスデイでは、基調講演にCEO兼共同創業者のミヒール・シュクラ氏が登壇し、ビジネスの概況や、最新の取り組みを紹介。その途中ではソフトバンクの孫 正義氏も招かれ、RPAとAIによる競争力向上への期待と、ソフトバンク・ビジョン・ファンドを通してオートメーション・エニウェアに出資した理由が語られた。

目次

  • 1.急成長が著しい日本市場。体制強化で日本向け機能とサポートを充実
  • 2.RPAはRPAIに進化していく
  • 3.マイクロソフトとの戦略的コラボレーションを発表

急成長が著しい日本市場。体制強化で日本向け機能とサポートを充実


急成長が著しい日本市場。体制強化で日本向け機能とサポートを充実

壇上に現れたCEOのシュクラ氏は、「エンタープライズソフトウェアとして大きく成長」していると述べ、オートメーション・エニウェアのビジネスが順調に拡大していることを紹介した。収益増加のスピードは、これまでのエンタープライズソフトウェア企業では最速ペースだという。なかでも日本市場での成長は著しく、300以上の顧客に提供し、世界で第2位の市場規模になっている。日本ではスタッフを増強しており、東京にも20人のエンジニアを擁することで、日本特有アプリのインテグレーションや、日本語に特化したAIを充実させる構えだ。

また、RPAによって自動化が進むと、デジタルネイティブ企業との競争も可能になり、次のレベルの成長に到達できるだろうと語った。

そしてシュクラ氏は「彼は瞬間にRPAが私たちの生活を一変するということを理解した。テクノロジーが人々の生活を変えるということを信じてやってきた人であり、私たちのビジョンとマッチしている」と紹介し、孫正義氏を壇上に招いた。

RPAはRPAIに進化していく

孫氏は冒頭、「大変興奮している。人間にとって素晴らしい未来が来ると感じているからだ」と話す。そして、かつて日本が世界一を誇った競争力が、この30年ほどの間で急激にが低下していることを説明。「競争力とは、労働人口、そして生産性。日本の大きな問題は、労働人口が毎年減っているということ。急に改善できるものではない。その解決策のひとつがRPAだ」と、RPAへの期待を表した。

ボットは24時間365日稼働すれば人間の5倍働く計算になり、さらに生産性も2倍であることから、掛け合わせると10倍の競争力になる。ただ、これは単純作業を置き換えるにすぎないとの考えで、「最初にRPAの話を聞いたとき、私の興味はAIだ、RPAにAIの機能を一気に強化すべきだと強烈に言った」といい、そのときシュクラ氏は「まさにその通り。これから力を入れたい」と応じて意気投合したそうだ。孫氏はRPAとAIの組み合わせを「RPAI」と表現する。

孫氏は、RPAでは2倍の生産性が、AIによって5倍に引き上げられると想定。RPAで5倍に相当する労働人口と乗じて「AIによって25倍の競争力になるのではないか」とした。しかし、それによって人間の仕事が無くなるのではなく、人間も進化するのだという考えを強調する。

このようにRPAIに注目した孫氏は、この分野でもソフトバンク・ビジョン・ファンドが投資すべきと判断した。それぞれの分野でナンバーワンと目される企業のみに集中投資する方針で、「RPAがRPAIに進化していくなかで、どの会社に投資していくべきか、3日間のデューデリコンテストを実施した」のだという。AIの専門企業3社に対して「専門家として、どの会社がもっとも進化しパワフルになるか3日間で徹底的に調べて進言するよう依頼した。見返りを求められ、3日で3億円だ、悪くないだろう、と」――こう選定の過程を明かすと、会場内からは笑い声が上がった。その結果、投資対象に選定したのがオートメーション・エニウェアだった。このイベントの前日には、出資を増やすことで合意したという。

ソフトバンクグループ自身の取り組みとしては、あらゆる業務に対して4000人分のデジタルワーカーを入れることを決めている。そのために手の空いた人員は、続々と増えているグループ会社や新しい業務へとシフトする考えだ。

「ロボットにも興味を持っている。RPAとAI、ロボットとAI、両面で日本の生産性をあげる。もっと生産性を上げていくことが日本の復活のシナリオだと考える。力をあわせて、進化できるものはどんどん進化させていこうではないか」と、孫氏は締めくくった。

マイクロソフトとの戦略的コラボレーションを発表

ふたたび登場したシュクラ氏は、オートメーション・エニウェアが計画する最新の取り組みについて説明した。

  • 「デジタルワークフォース プラットフォーム」の新バージョンをリリース

WEBブラウザベースでの利用を実現し、URLでアクセスできるため、管理・運用の問題もクリアする。総所有コストを引き下げ、数多くのユーザーにシームレスに展開できる。完全にクラウドベースで提供でき、「インテリジェンスオートメーションクラウド」と呼ぶ。

安全性にも配慮し、RPAをいつでもどこでも使えるようにするものだ。

UIのカスタマイズ機能も搭載。トランスフォーメーションに全組織の誰もが参加することによって人生や仕事のしかたに影響を与える。

  • マイクロソフトとの戦略的コラボレーション

提携により、インテリジェンスオートメーションクラウドを、クラウドプラットフォームのAzureで提供。また、Microsoft Dynamics、Office 365、Microsoft Power BI、Microsoft Power Platformとの統合も提供。モバイルデバイスでもBotを実行可能になる。

さらに、オンラインマーケットストア「Bot Store」によって、技術を考えることなくBotを利用できるようになる。「誰もがPCではなくデジタルアシスタントと働くようになる」(シュクラ氏)

  • Automation Anywhere Universityの日本展開

数年前から展開する教育を、今年から教育機関と連携して日本市場にも提供する。

  • Automation Anywhere Community Editionの提供

来月から小規模企業、ディベロッパー、キャリアアップ用に無料で提供することを紹介。

最後にシュクラ氏は、「生産性があがることによって、人類がこれまでにない成果を切り開いていく。人のキャパシティを解放していく道のりだ」と語り、基調講演を終えた。

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