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帳票の利用状況/後編(2019年)(1/2 ページ)

企業で利用する帳票は「紙」なのか、「データ」なのか、それらをどのように管理しているのかをアンケートをもとに、明らかにした。さらに今まで経験した帳票にまつわる事件についても調査した。

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 キーマンズネットは2019年5月16日〜28日にわたり「帳票の利用状況」に関するアンケートを実施した。全回答者数158人のうち、情報システム部門が41.1%、製造・生産部門が16.5%、営業/企画・販売/促進部門が11.4%、経営者・経営企画部門が6.3%などと続く内訳であった。

 今回は、企業で利用している帳票を「データ化して保管する理由」や「データ化する際のルール」「データ管理で苦労している点」「ペーパーレス化の実行・計画」など、企業における帳票利用とペーパーレス化についての現状を把握するための質問を展開した。

 調査結果によれば、帳票をデータで管理する企業が増加傾向にある中で、データでの管理は「意外に工数が掛かる」「利用ツールに制限がある」など課題もあるようだ。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。

帳票をデータで管理する理由とは

 前編では業務で扱う帳票類を「データで管理する」割合が2018年2月に行った前回調査時と比較して38.4%から51.5%へ13.1ポイント増加しており、約1年でデータによる帳票管理に移行する企業が出てきたのではないかと考察した。そこで後編ではその背景や理由について深堀していきたい。

 はじめに業務で扱う帳票類について「部分的にデータ化しており、紙はスキャンするなどでデータ化して管理している」もしくは「全てデータ化しており、データのまま管理している」と回答した52人を対象にその理由を聞いた。

 結果は「書類保管スペースに関わるコスト削減」(73.1%)、「紙の出力などに関わるコスト削減」(59.6%)、「実績データを再利用しやすくするため」(53.8%)、「効率のよい記録を実現するため」(38.5%)、「環境保全や勤務先での社会貢献活動の一環」(26.9%)と続いた(図1)。

 紙で行う帳票管理への不満として前編で紹介した、帳票の保管場所にかかるコストなどを解消する目的でデータ管理を選択している様子が伺えた。

 帳票をデータ化する際の運用ルールについては、上位3項目に前回調査時から変化は見られなかった(図2)。着目すべき点は「外部ストレージサービスを活用して保管している」とする割合が前回5位から4位に上がっていることだ。BOXやDropbox、Googleドライブなど企業向けストレージサービスの事例が増えてきたことを背景に、外部サービスを活用した帳票管理体制を整備し始めている企業も増えてきているとみられる。


図1 データ化して保管する理由

図2 データ化する際のルール

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