「やっぱりPC-8001」“往年のPCキッズ”たちの夢をかなえるプロダクトが新登場か:525th Lap
全国の“往年のPCキッズ”たちがうれしくてうれしくて震える………? 「僕らのあのときの夢」をかなえるプロダクトがついに登場した。N-BASICのプログラムも打ち放題らしい。
日本における「パソコン」の歴史をひもとけば、それこそ語り尽くせないほどの話題が出てくるだろう。だが、PC黎明(れいめい)期に多くの人に大きなインパクトを与えたマシンといえば、やはりNECが送り出した「PC-8001」ではないだろうか?
ご存じの通り、「PC-8001」はちょうど40年前の1979年9月にNECが発売した8ビット PCだ。Apple IIのようにキーボードと本体が一体化した筐体で、外付けのディスプレイを接続して使用する。起動すればROMからN-BASICが起動し、そのままプログラミングを開始することも可能だった。2016年には「未来技術遺産 第00205号」として重要科学技術史資料にも登録もされている。
それはいいけど何を今さらそんな大昔のPCのことを話題にしているんだ? と思うかもしれない。しかし発売から40年がたったこの2019年に、PC-8001を当時そのままの姿で再び入手できるかもしれない、としたら──?
2019年8月5日、NECはPC-8001の誕生40周年を記念したイベントを開催。そこではPC-8001の色合いがあしらわれたノートPC「LAVIE Pro Mobile 特別カラーモデル」が発表された。こちらは普通に「Windows 10」が動作する最新のノートPCだ。
それより、そのイベントで発表された最大の目玉製品は「PasocomMini PC-8001」という名称の、いわば「ミニPC-8001」だ。
このところ、「ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータ」(通称:ミニファミコン)を皮切りに、1980年ぐらいに人気を博したレトロなゲーム機をミニサイズで現代によみがえらせる「復刻」プロジェクトが数多く登場している。
「ミニスーパーファミコン」「プレイステーション クラシック」や「メガドライブミニ」「PCエンジンmini」(いずれも発売予定)と枚挙に暇がないほどだが、いずれも当時のハードウェアをほぼ1チップに集約し、複数のソフト(ゲーム)をまとめてROMに収録することで低価格化も実現している。
そんなミニ化されたゲーム機が続々と登場するのを見て「当時のゲームがミニ化できるんだったら、1980年代ぐらいの8ビットPCだって同じようにミニ化できるんじゃない?」と思った人も少なくないのではないだろうか。
まさに今回のイベントでNECが発表した「PasocomMini PC-8001」こそが、そんなミニ化されたPC-8001なのである。PC-8001の外観はそのままに、幅109.5mm×奥行き67.0mm×高さ21.0mmと、“手乗りPC”サイズにした製品だ。USBで電源を供給でき、USBキーボードとHDMIディスプレイを接続して利用する。かつてのPC-8001同様、起動すれば「N-BASIC」を利用でき、付属のmicroSDには16種類のレトロゲームが収録されていて、それぞれ起動してちゃんとプレイできる。ハードウェアは「Raspberry Pi Zero WH」をベースにしおり、この上でPC-8001のエミュレーターを動作させている。
40年前にPC-8001が発売されたときの価格は16万8000円。他にディスプレイやらデータレコーダーやらをそろえることを考えれば、当時容易には購入できず涙をのんだ人も多いのではないのだろうか? それが「今ならミニPCとして手に入れられるッ!? 」……と思いきや、残念ながらこのPasocomMini PC-8001は非売品なのだ。
前述した「LAVIE Pro Mobile 特別カラーモデル」は500台限定販売で、1台につきシリアルナンバー入りのPasocomMini PC-8001が1台付属する。また量販店などで「LAVIE」ブランドのPCを購入した人を対象に、抽選で2000人にプレゼントされるという。そう、NEC製品を購入しないとミニPC-8001は入手できないのだ。
それにしても往年の名機であるPC-8001が40年の時を経てよみがえるのは非常に喜ばしい。気軽にN-BASICに触れられるのだから、もしかしたら2020年度から始まる小学生のプログラミングカリキュラムに活用できるかも(?)しれない。往年のPCキッズとしては単体販売を期待したいところでだなぁ。
上司X: NECから「ミニPC-8001」が発表された、という話だよ。
ブラックピット: うわ。いいなあ。欲しいなあこれ。
上司X: え? さすがにキミの世代だとPC-8001は昔過ぎる存在ではないのか?
ブラックピット: ぶっちゃけ触ったこともないですけどね(笑)。僕が触ったことのあるレトロPCといえば同じくNECの「PC-8801mkIISR」ですかね。叔父が所有していたものを何年か前に触りました。まだ動いてましたよ。
上司X: ハチハチマークツーエスアールか(笑)。88シリーズを8ビットホビーマシンにした立役者だな。しかし今も動くならそれはそれでかなりのレア度だと思うが。
ブラックピット: 「信長の野望」だの「Wizardry」だの「ハイドライドIII」だのをプレイしましたよ。HDDが搭載されていないもんでいちいちFDDをガッコンガッコン読み込んで五月蠅いやら遅いやらで楽しいものでしたよ。
上司X: いやそのまたずいぶんマニアックな……。
ブラックピット: そのハチハチの元祖みたいなものでしょう? PC-8001って。ならばレプリカでもミニチュアでもいいので手元にあったら愉快かなあ、と思いましてね。まあガジェットマニアによる「下手の横好き」というヤツでしょうか。
上司X: そうかそうか(笑)。個人的にはあまり過去にとらわれるのもどうかと思うけれど、PC-8001は未来技術遺産にまで選ばれたマシンだ。できればミニPC-8001はノベルティだけじゃなくて一般販売してほしいところだけれどなあ。あ、もちろんPC-88シリーズもPasocomMiniのラインアップで販売されたら俺も買うけどな。期待したいところだ。
ブラックピット(本名非公開)
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
上司X(本名なぜか非公開)
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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