マクドナルドがAIベンチャーを買収、一体何が始まるのか:530th Lap
日本のマクドナルドの「スマイル0円」サービスに慣れてしまうと、海外店舗のクルーのそっけない態度にびっくりすることがある。今後、スマイルの購入が難しくなるかもしれない。
米McDonald'sがApprenteという企業の買収を発表した。2017年に起業し、音声ベースのAI(人工知能)システムを開発するスタートアップ企業だ。特にファストフードやレストランなどの店頭での音声認識技術を手掛けている。今後、マクドナルドに何が起きるのか。
Apprenteの音声認識技術は、音声をテキスト化する一般的な「speech-to-text」技術ではない。音声を意味化する「sound-to-meaning」と呼ばれる技術を研究している。これは騒がしい場所であまり明瞭ではない客の注文でも間違ったテキスト化をすることなく、音声が持つ意味を正確に認識できるということだ。
この音声意味化技術が活躍すると予想されるのは「ドライブスルー」だ。同社のドライブスルーの利用客は1日当たり6800万人にも達する。
利用したことがある人には分かるかもしれないが、ドライブスルーはクルマから身を乗り出すようにしてマイクに注文を伝える。必ずしも明瞭に注文を伝えられるとは限らないし、屋外なので雑音も少なくないだろう。
飲食店ならばメニューが決まっているから、客の発する音声はおおよそ予想できる。AIスピーカーに搭載される音声アシスタントが対象ユーザー以外の声も聞きとってテキスト化するよりも、はるかに簡単かつ間違いなく音声を意味に変換できると期待される。
Apprenteのスタッフは、McDonald'sで新技術を開発するグループ内に新たに組織された「McD Tech Labs」の一員として迎えられるそうだ。
ちなみに、McDonald'sはビッグデータから機械学習によって顧客の好みを推測する技術を開発するスタートアップ企業Dynamic Yieldを買収している。Dynamic Yieldが手掛ける「意思決定論理技術」を使うと、時間帯や天気、交通状況といった膨大なデータを分析して店舗を訪れた客にレコメンドメニューを提示できるという。既に米国内の約8000店舗で試験運用されている
さらにAIが活用されるようになれば、いずれドライブスルーだけでなく店頭での注文にも対応できるようになるだろう。どのようなサービスを目指すのか興味は尽きないが、個人的にはスマイルだけは忘れないでほしいなと思う。
上司X: マクドナルドがAIベンチャーを買収して話題になっているという話だよ。
ブラックピット: ドライブスルーの注文をAIに任せようということですか。
上司X: それがうまくいくようなら、いずれカウンターにも配置されるんじゃないかな。
ブラックピット: ファストフードの接客に人間味を求めるのは日本人だからでしょうか、僕は特にこだわりませんけど。
上司X: 味気ないなあ。多少のスマイルはあった方がいいんじゃないか?
ブラックピット: そういやマクドナルドの「スマイル0円」って、一時期店頭から姿を消していたじゃないですか。
上司X: 消えたのは2012年にメニュー表が注文カウンターから消えたのと同じタイミングで、2015年に復活した。いろいろあって低迷していた日本のマクドナルドがV字回復したタイミングだな。
ブラックピット: 妙に詳しいですね。ということはやっぱり必要なんですかね。安くて早いメシが食えれば、それでいいのですがね。
上司X: 確かにな。AIだろうが機械学習モデルだろうが、どんどん導入したらいいんじゃないというのも本心だよ。
ブラックピット(本名非公開)
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
上司X(本名なぜか非公開)
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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