ひそかに設置されたAIカメラは「ながら運転」を撲滅するか?:532nd Lap
クルマの「ながら運転」は危険だ。特にスマホを操作しながら運転していたことが原因の自動車事故が多発している。スマホのながら運転は飲酒運転よりもはるかに危険だと指摘する専門家もいるほどだ。
警察庁は、2019年12月1日に道路交通法を改正して「ながら運転」を厳罰化すると発表した。スマホなどを操作しながらの危険運転は違反点数、反則金ともに大きく引き上げられ、場合によっては一発免停というケースも珍しくなくなるという。
しかし、どれだけ罰則が厳しくなったとしても違反者はいる。何としてでも危険運転の芽をつみ取らねばならない。解決策の1つとして「カメラによる監視」が浮上している。
実はスマホのながら運転を検知するAI搭載の監視カメラが秘密裏に設置されているというではないか。一体どういうものなのか。
「いつの間にそんな監視システムが設置されてしまったんだ」と不安に思う人は少なくないかもしれない。この監視システムの設置が進むのはオーストラリアだ。
このシステムは、自動車のナンバープレートを撮影するカメラと、ドライバーが手に持っているモノをAIで検知するカメラによる2台構成だ。検知カメラのAIが「運転中のドライバーが手に持っているのはスマホだ」と判断したら、その光景を静止画として保存すると同時にクルマのナンバープレートも撮影し、ドライバーを特定する。
しかし、システムが秘密裏に設置されて運用されたことで物議を醸している。2019年9月23日、ニューサウスウェールズ州の運輸交通大臣を務めるアンドリュー・コンスタンス氏がカメラの存在を公表し、検挙事案を紹介した。
2019年1月から6月にかけて、数台の試験システムがオーストラリアでも人口の多いニューサウスウェールズ州の道路に設置された。850万台のクルマがチェックされ、10万人を超えるドライバーが「ながら運転」と判断された。2019年12月までにシステムは45台になる予定で、2023年までには総計1億3500万台ものクルマがチェックされることになるという。
豪州道路・自動車協会(NRMA)は、ドライバーに事前通知なくシステムが設置されたとして非難している。運輸交通大臣はその点は認めつつも「この監視方法をサプライズ的に発表することでドライバーに『監視されている』という意識を強く与えて、人命を守りたい」とコメントした。
上司X: いつの間にか「スマホながら運転」を監視するカメラが設置されて、違反したドライバーがガンガン摘発されているという話だよ。
ブラックピット: 自業自得ですよね……って、これ日本の話じゃないですよね。
上司X: 俺は最初からオーストラリアの話だと言っているが?
ブラックピット: 誤解を生むと思いますよ、その語り口は。
上司X: ともかく、日本もオーストラリアも「ながら運転」への対応は待ったなしということが分かるじゃないか。
ブラックピット: いくらAI搭載のカメラでも、ホントにスマホを触っていたかどうかってことは100パーセント正確じゃないかもしれないじゃないですか。もしかしたら運転しながらコンニャクをいじっていたかも。
上司X: さすがにそれはないと思うぞ。オーストラリアの場合、AIが「これは怪しい」と撮影した写真を、人間が全部チェックしてから容疑者を呼び出すそうだ。
ブラックピット: 結局人間の判断に頼るなんて、AIも形無しですね。
上司X: そうは言ってもAIの判断がなければチェックしたり摘発したりという段階にも至らないわけだ。ともかくこのシステムに関しては、オーストラリアでは歓迎する人の方が多いらしい。
ブラックピット(本名非公開)
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
上司X(本名なぜか非公開)
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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