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スタートアップの採用はスピード勝負。Recruiting Automationに注力し「毎朝1〜2時間」の転記作業をRoboRoboで自動化?―Holmesが実践する、新しい採用活動のあり方

2021年9月13日、RPA BANK はキーマンズネットに移管いたしました。
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「世の中から紛争裁判をなくす」をミッションにクラウドの契約マネジメントシステム「ホームズクラウド」を開発提供する株式会社Holmes。サービス提供開始からわずか2年で約250社への導入実績を誇る同社は現在、事業を急速に拡大中。社員数を今後1年で倍増させる計画のもとで採用活動を積極化している。

そうした同社の採用業務全般をほぼ1人で担い、ビジョンに共感する優秀なメンバーの獲得に取り組むのが、増井隆文氏だ。同氏は、株式会社Donutsの採用管理システム「ジョブカン」のオプションとして提供が始まった業務自動化1クリック型RPAサービス「RoboRobo」を導入。毎朝のルーチンワークだった求人媒体からの転記作業を自動化した。

スタートアップの採用活動では、何より「スピード」が重要と語る増井氏は、現職への就任後すぐに業務フローをジョブカンに一本化して大幅な効率化を実現した。ただ一方で、連日寄せられる応募情報を採用管理システムに反映する煩雑な手作業は悩みの種だったという。

こうした課題へのソリューションとして、1クリック型RPAサービス「RoboRobo」の活用に至った背景と実際の効果、そして増井氏が考える採用業務の理想像について聞いた。

■記事内目次

  • 応募者情報の転記作業が採用業務の効率化を阻んでいた
  • スタートアップの採用にこそ自動化ロボットサービスが必要
  • RoboRoboで採用のコアとなる「Candidate Experience」に集中できる環境に

応募者情報の転記作業が採用業務の効率化を阻んでいた

──最初に、簡単な自己紹介をお願いします。

企業の契約に関わる業務全般を最適化する契約マネジメントシステム「ホームズクラウド」を開発している株式会社Holmesで、採用責任者をしています。

私は内資・外資の大手やメガベンチャーで10年以上の人事経験があります。「真の社会課題を解決し、世の中に新しい常識を生み出す“Holmes”のビジョンと可能性に共鳴し、自身の経験をこの事業に賭けてみたい」という思いから、2017年設立の当社に19年初めから加わりました。現在は、最優先課題である採用業務にほぼ全力を注いでいます。

約40人いる当社の従業員は、この半年間で倍増。今後採用をさらに強化していく計画で、2019年内に50人、その後1年で100人の組織を目標にしています。

──RoboRobo導入を決めたきっかけを教えてください。

採用担当が私1人のみで、採用ブログの執筆から候補者との連絡調整、面談まで担当していることから、業務効率化にはこれまで積極的に取り組んできました。

採用管理システム「ジョブカン」を導入し、業務フローを一本化するといった見直しでは、可視化・効率化の両面で狙い通りの成果が得られました。ただ、当社が利用する2つの求人媒体でエントリーした応募者の情報を、このシステム上で管理するには、どうしても手作業での転記が必要でした。

「転記の項目を最小限に絞り、キーボードショートカットを駆使する」という地味な努力で時短を図ってきましたが、日々10数人にのぼる新規エントリーに対応するため、毎朝1〜2時間のルーチンワークが生じていたのが実態です。

実は私は前職で、こうした定型作業を自動化できるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用を検討したことがあります。

ただ、そのときの経験から「RPAは従業員1,000人以上の大企業が、じっくり業務分析を行った上で導入するもの」というイメージを持っており「スタートアップでRPAを使うのは費用的・時間的に困難」と考えていたのです。

そうした折、オープンアソシエイツ株式会社が提供する1クリック型RPAサービスの「RoboRobo」が、ジョブカンの追加機能として提供されることを知りました。求職者情報の転記作業に特化したサービスであるため、すぐに「これだ」と直感し、導入の具体的な検討を始めました。

スタートアップの採用にこそ自動化ロボットサービスが必要

──導入を即決したとのことですが、実際に使い始めてみての印象はいかがでしたか。

使い方は、とても簡単でした。ジョブカンのオプション機能として提供されているRoboRoboに申し込み、採用媒体との連携に必要な情報(両者のIDとパスワード)を設定するだけで、希望した日から、自動で求職者情報が採用管理システム上へ反映されるようになりました。

──採用担当者の生産性を上げる技術カテゴリは米国では「Recruiting Automation」と呼ばれており、2017年頃からトレンドになっているものでもあります。導入した後の最も大きな変化はどのようなものでしたか?

これまで私が朝のルーチンワークにしていた1〜2時間の作業をRoboRoboが肩代わりしてくれるようになったのは劇的な変化で、その間に他の仕事ができるようになっただけでなく、業務時間の自由度も高まりました。「とても助かっている」というのが正直な感想です。

「契約済みの採用管理システム(ジョブカン)へのオプション追加料金で、RoboRoboの機能がプラスされる」という仕組みもありがたかったです。差額がリーズナブルな上、新たなライセンス契約ではないことから、導入にあたっての社内手続も必要ありませんでした。

──従来ご自身で行っていた転記作業が、そのまま完全に自動化されたのでしょうか。

手作業のときには割愛していたものを含めて、ほぼ全項目を転記するようにしたので、作業内容について言えば、むしろ自動化後のほうが充実しています。

その一方、全ての項目が常にパーフェクトに転記されるわけではなく、作業全体の1割程度では、RoboRoboの処理後に手作業でのフォローが必要なのも事実です。とはいえ、ルーチンワークの9割近くを自動化できたということで、優秀なアシスタントがついてくれたような感覚があり、十分満足しています。

RoboRoboで採用のコアとなる「Candidate Experience」に集中できる環境に

──膨大なルーチンワークの大半を解消できたことで、業務上実感しているメリットがあればお聞かせください。

採用担当にとって何より重要な「Candidate Experience(CX/候補者体験)を高める仕事、つまり転職顕在層や潜在層に対するコミュニケーション」の時間を増やせたことが大きいです。

CXとは、採用候補者が企業を認知してから、面談、採用までのプロセスで得る体験のことです。提示年収・面談対応者・ポジションのマッチ度・選考プロセスの丁寧さといった総合的なものが要素として含まれているため、そうしたコミュニケーションに時間を割くことができるのは大きなメリットですね。

まだ大手企業のような知名度がないスタートアップの採用活動は、コンパクトな組織を生かした「スピード」と、企業のビジョンや特色を伝える「情報発信」が勝負です。つまり採用マーケティングの良し悪しが勝敗を左右する時代です。重要KPIは、採用数や選考数よりも先行指標である「転職潜在層への関心想起やナーチャリング」にシフトしています。CXを高めることこそが採用のコア業務、そこに注力できる環境が自動化ツールを用いることによって徐々に整う時代になってきました。

「エントリーになるべく速く返信して積極的な姿勢を伝えたい」、「社員インタビューなどの公開コンテンツを増やして会社の魅力を広めたい」という採用担当者の思いを後押ししてくれるのが、定型業務から人間を解放してくれるRoboRoboだと考えています。

──増井さんは大企業での勤務経験もお持ちですが、最新テクノロジーに強いスタートアップで「1クリック型RPAサービス」を活用するメリットを、どのように捉えていらっしゃいますか。

さきほども少し触れましたが、膨大な定型業務を抱えた大企業向けのRPAと、1クリック型RPAサービスであるRoboRoboは別物で、活用のスタイルも異なるように思います。

現在多くのスタートアップは、さまざまな分野に特化したSaaSの中から自社に合ったものを選んで組み合わせ、業務の大半をWebベースで進めています。とてもフレキシブルで便利な半面、これらSaaSの間では、常にデータ連携の仕組みが必要となります。

データ連携用のAPI(Application Programming Interface)が開放されていても、それを実装するには開発作業が欠かせません。「テクノロジーに強い社内エンジニアがいる」という企業でも、本業である自社サービスの開発運用だけで、既に手一杯というケースが少なくないはずです。

採用に限らず、スタートアップのビジネスは全てスピード勝負です。今回私たちが採用したRoboRoboのように、自社で利用しているSaaSに最適化された、すぐ使える自動連携機能があるなら、業務をスピードアップさせるために使わない手はないと思います。

──最後に、今後のRoboRobo活用のイメージについてお聞かせください。

エントリーへの対応をさらに早めたいので、そこでRoboRoboが活用できたらと考えています。具体的には、「求人媒体から採用管理システムへのリアルタイム転記」が実現すればよいですね。「媒体からのメールで応募に気づいたときには既に転記が終わっていて、採用管理システム上から応募者にすぐコンタクトを取れる環境」が理想です。

今後、さまざまなSaaS向けに1クリック型RPAサービスが提供されれば、限られた人員に負荷が集中するスタートアップの業務量が平準化されていき「コア業務への適性にこだわった厳選採用」が可能になると思います。積極採用を続ける当社でも、ロボットの活用を前提とした業務オペレーションの設計や組織設計を常に念頭に置き、長く働き続けられるマッチングにこだわり続けたいと思います。

──なぜ採用業務を効率化すべきなのか、その本質に触れたような気がします。今回は貴重なお話をありがとうございました。

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