2020年注目の技術は? IT担当者500人が答えた「来年注目のテクノロジー」
2020年の企業情報システム担当者が注目するテーマはかなり攻め気味――。情報システム部門の会社員約1000人を対象に「今年と来年に注目/期待するテクノロジやソリューション」を調査。回答者が2020年に注力すると答えた技術とその概要を紹介する。
ヴイエムウェアが情報システム部門の会社員約1000人を対象に「今年と来年に注目/期待するクラウドインフラ関連のテクノロジやソリューションに関するアンケート」を実施した(調査期間:2019年10月11〜13日、オンライン調査)。それによると、2020年の情報システム部門は想像以上に「攻め」ムードのようだ。
まずヴイエムウェアが発表したグラフを見ると、「ハイブリッドクラウド」を挙げる回答者は前年と比較して5.5ポイント減ったものの、依然として数値は高く、引き続き感心の高いテーマであることが分かる。2019年に数字が高かった「オンプレミス型クラウド」の数値が2020年には8.9%と7.1ポイント減ることが分かる。2019年内にある程度の目処を付ける計画を持つ回答者が一定の割合、存在している可能性が高い。
2020年、情報システム担当者が注目する5つのキーワード
一方で、2019年と比較して関心度が高まった技術がある。ここからはそれぞれのキーワードとその概要を見ていく。
注目ワード(1)クラウドベースドネットワークサービス
「クラウドベースドネットワークサービス」を挙げた回答者は13.3%で前年と比較して約1ポイント上昇した。クラウドベースドネットワークサービスはルータやスイッチなどの機能を仮想化基盤で提供するものなどを含むネットワーク機能をクラウドサービスとして提供するもの。Network as a Service(NaaS)やSD-WANを含む。
注目ワード(2)サーバレスコンピューティング
「サーバレスコンピューティング」を挙げた回答者は11.9%で3.7ポイント上昇した。サーバレスコンピューティングはAWS Lambdaに代表される「サーバを持たない仕組み」を指す。特定のイベントが発生したときにだけプログラムを呼び出す仕組みだ。常にサーバを起動して待機する必要があるIaaSと比較して、コストメリットが多く、インフラの運用も軽量化できるメリットがある。
注目ワード(3)エッジコンピューティング
「エッジコンピューティング」を挙げた回答者は9.7%と2.5ポイント上昇した。エッジコンピューティングはシステムの中央ではなくエッジ側で処理を行う仕組み全般を指す。遠隔地に置いたカメラと映像格納サーバで動画を解析し、その解析結果データのみを中央サーバやクラウドに集約するような仕組みに代表されるように、IoT機器の管理運用の文脈で語られることが多い。ただし、適用領域はIoTに限らず、企業の情報系システムで、部門や拠点単位で処理サーバを持ちながら、中央サーバで統合管理するような階層化した仕組みを持つ場合もエッジコンピューティングと表現されることがある。
注目ワード(4)マイクロサービス
「マイクロサービス」を挙げた回答者は7.8%と2.6ポイント上昇した。マイクロサービスはシステムアーキテクチャの1つ。アプリケーションコンテナのように小さな単位の機能(サービス)に分割し、それぞれを呼び出して動作させる仕組みを指す。マイクロサービスの利点は、それぞれの機能が独立性を保つことで、機能単位で拡張したり改修したりといった改修や修正が容易になることが挙げられる。マイクロサービスを実現する代表的な仕組みとしてDockerのようなアプリケーションコンテナや、文字道理機能を呼び出して運用するサーバレスコンピューティングがある。
注目ワード(5)サービスメッシュ
「サービスメッシュ」を挙げた回答者は4.2%と約2ポイント上昇した。マイクロサービス型のアーキテクチャは、マイクロサービス間でメッセージのやり取りが大量に発生する。このやり取りを担うのがサービスメッシュと呼ばれるネットワーク機能だ。メッセージのルーティングや負荷分散などのコントロールを担う。
この結果を見ると、2020年はコンテナを利用したクラウドネイティブなアーキテクチャに必要とされるテクノロジーへの注目度が高いことが分かる。ここに挙げたテクノロジーに対して、どんなメリットを期待するかを問う設問では「ビジネスニーズへの迅速な対応」「開発における生産性の向上」「システム拡張性の向上」を挙げる回答が多かった。ヴイエムウェアはこの結果を「攻めのIT投資への動き」と評価しているようだ。
AI処理はクラウドインフラで実行したい
調査ではこの他、クラウドインフラで実行したい処理を問う設問も用意した。それによると回答者の多くが、「今後、実行したいワークロード:としてAI系の処理を挙げた。クラウドの中でもパブリッククラウドが提供するAI関連のサービスはアップデートが早く機能が豊富だ。これらを活用したり呼び出して利用する際、プログラマブルなクラウドインフラであれば扱いやすくなることも想定できるだろう。
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