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自動化による組織の分断を解決する鍵を握るIA、その最先端を知る─Kofax記者会見レポート

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RPA BANK

エンドツーエンドのビジネスプロセスを自動化し、DX(デジタル・トランスフォーメーション)をもたらすIA(インテリジェント・オートメーション)。そのリーディングカンパニーであるKofaxによる会見が、2019年11月13日に行われた。

会見ではまず、米国本社最高経営責任者のレイノルズ・C・ビッシュ氏が、2019年5月にリリースされた「インテリジェント・オートメーション・プラットフォーム」の最新リリースおよび新たなクラウド機能について説明。次に、Kofax Japan代表取締役社長の荒川勝也氏により、日本における今後のビジネス戦略についての見通しが述べられた。本記事では、同会見でのレイノルズ・荒川両氏の発言要旨についてレポートする。

■記事内目次

  • 1.自動化による組織の分断を解決するプラットフォーム
  • 2.強化された情報抽出と感情分析で、顧客対応が変わる
  • 3.金融大手によるリピート導入
  • 4.顧客に競争優位をもたらすKofaxのインテリジェント・オートメーション戦略

自動化による組織の分断を解決するプラットフォーム

レイノルズ氏はこの日「ビジネスアップデート」と題し、Kofaxの「インテリジェント・オートメーション・プラットフォーム」の特徴と新機能、クラウド型の新製品について紹介した。

Kofaxは2,500名の従業員が在籍し、35か国以上で事業を展開するグローバル企業である。30年以上ドキュメントや電子データ処理のキャプチャ市場を牽引してきた実績があり、同市場でのシェアは28%にのぼる。ソフトウェアだけでなくより汎用的なインテリジェント・オートメーション・ソリューションの提供を行うことで知られ、25,000社以上の導入実績を持つ。

レイノルズ氏は、同社が2019年5月にリリースした「インテリジェント・オートメーション・プラットフォーム」について次のように述べた。

「オートメーションは、価値を生み出した一方で組織を分断してしまっている。分断化されたシステムでは全社的な進化や拡張ができない。デジタル・トランスフォーメーションにおけるメリットを最大限に引き出すためには、相互に連携したプラットフォームの存在が不可欠だ」

続けて同氏は、「インテリジェント・オートメーション・プラットフォーム」の特徴として以下を挙げた。

  • RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)
  • コグニティブ・キャプチャー(コンテンツを抽出して内容を把握する処理)
  • プロセス・オーケストレーション(複数のワークフローのオーケストレーション)
  • 高度な分析(プロセスのパフォーマンスに関する分析)
  • 可動性とエンゲージメント(電子署名や多機能プリンタ、モバイルデバイスを活用した処理)

レイノルズ氏は、これらの機能を統合し、組織内で横断的に利用できるようにしたのが「インテリジェント・オートメーション・プラットフォーム」であり、導入形態にはオンプレミスとクラウドがあると説明した。

さらに、「インテリジェント・オートメーション・プラットフォーム」は「導入、拡張、保守の面において優れた費用対効果をより短時間で実現できる」と強調。データとコンテンツの流れを合理化して効率を向上させ、総所有コストを削減することにより、組織全体に拡張することが容易になると述べた。


Kofax Limited 米国本社最高経営責任者 レイノルズ・C・ビッシュ氏

強化された情報抽出と感情分析で、顧客対応が変わる

レイノルズ氏は次に「インテリジェント・オートメーション・プラットフォーム」の新機能である「非構造化コンテンツからの人や場所、物の抽出」と「センチメント分析」とを紹介した。

レイノルズ氏は今回リリースされた新機能により「非構造化されたコンテンツのより深い洞察が可能になった」と強調し、次のように述べた。

「リース契約書を想定してほしい。そこにはリースの貸し手と借り手、リース期間の開始と終了、リース料や利率についての情報が記載されている。これらの項目は非構造的な形で記載されている。我々は新しい自然言語処理技術を使用することにより、非構造化されたコンテンツを自動的に分析し、どの情報がどこにあるかを特定することを可能とした」

さらに「センチメント分析によりソーシャルメディア、チャットボット、対話、メールなどの非構造化コンテンツである既存のコミュニケーションから、意図や感情を理解することの実行可能な見解を得ることを可能にした」と述べ、これらの新機能が「インテリジェント・オートメーション・プラットフォーム」全体で利用可能であると説明した。

最後にレイノルズ氏は、新製品である「クラウド型Kofax TotalAgility」と「クラウド型Kofax AP Agility」について紹介した。

これらは、Kofaxが無期限または期限付きライセンスにより、オンプレミスで提供してきたソリューションである。新機能として、両ソリューションともSaaSサブスクリプションによりMicrosoft Azureでホストされているクラウドでの利用が可能となった。


Kofax Japan株式会社 代表取締役社長 荒川勝也氏

金融大手によるリピート導入

続いて、2019年9月にKofax Japan代表取締役社長に就任した荒川勝也氏が、日本市場でのリピート導入と実績について紹介した。

まず、三菱UFJフィナンシャル・グループの事例を挙げ、Kofax RPAとKofax IAを国内のみでなくグローバルで導入し、1,000体規模のロボットを導入していること、2019年に引き続き翌年も導入業務拡大予定であることなどを明かした。

続いて同氏は、広島銀行の事例を紹介。2019年11月までに約30業務にKofax RPAを適用し、年間20,000時間の削減を計画していることを明らかにし、広島銀行がKofax RPAを選んだ理由について次のように述べた。

「サーバー型でありガバナンスの強化に期待できる点が一番の理由だと聞いている。ほかにはライセンス体系が同時稼働ロボット台数となっており、必要最低限の投資で稼働率を高めるのが可能であること、国内サポートや日本語対応が十分であること、コストに見合った高い機能性などが挙げられる。特に注目されている点がユーザーフレンドリーな開発環境。UIが直感的でプログラミングが不要であることが強みだ。また、国内金融機関導入実績があることも大きい」

そして、三菱UFJフィナンシャル・グループや広島銀行のほかにも大樹生命、ゆうちょ銀行などの金融大手がリピート導入していることを明かした。

今後について、荒川氏は次のように語った。

「Kofaxは2019年に日本市場で事業基盤を大きく拡大することができた。2020年にはさらに投資、コミットメントを加速させる予定だ。今後は特にKofax RPA、Kofax IAの売上が拡大すると見ている。その結果、Kofaxにとって日本市場の重要性がさらに高まることを確信している」

顧客に競争優位をもたらすKofaxのインテリジェント・オートメーション戦略

最後に、レイノルズ・荒川両氏がインテリジェント・オートメーションの重要性と日本市場におけるデジタル・トランスフォーメーションへの見解を語った。

レイノルズ氏は、Kofaxは「最初からエンドツーエンドのオートメーションを考えている」と強調。プロセス・オーケストレーションについても、RPAを使った結果、プロセス・オーケストレーションが必要だと判断したのではなく、早い段階でインテリジェント・オートメーションのコンセプトを理解し、すでに2011年にBPMの会社を買収していることを明らかにした。

また、Kofaxにはインテリジェント・オートメーションを通じた顧客のビジネス課題解決支援に特化した2,400人の従業員がいるという。同社は顧客の声を直接聞くための場としてGlobal Customer Strategic Advisory Board(SAB)を設立。SABを通し、顧客がより高い信頼性を持って迅速な意思決定を行うために「インテリジェント・オートメーション・プラットフォーム」のコアにネイティブAIを必要としていることが明らかになった。

顧客の要望に応えるために、Kofaxは独自の特許取得済みAIアルゴリズムの開発に多額の投資を行い、非構造化データの変換に加え、自然言語処理(NLP)を組み込み人や場所、物の抽出およびセンチメント分析を実現した。その結果「コグニティブ・キャプチャ」「RPA」「プロセス・オーケストレーション」「高度な分析「可動性とエンゲージメント」を提供する「インテリジェント・オートメーション・プラットフォーム」の提供が実現した。

レイノルズ氏は「インテリジェント・オートメーション」について「Kofaxの差別化要因であり、顧客に競争上の優位性をもたらすことができる」と述べ、他社との違いを強調した。

最後に荒川氏が、世界で3番目に大きい経済である日本市場でここ数年DX戦略の採用が増加し始めている理由について次のように語り、会見を締めくくった。

「日本は人口の高齢化による課題に取り組んでおり、労働力を補完するためにDXテクノロジーの活用が促進されている。また、日本企業はDXインテリジェント・オートメーション戦略を維持するために、システムインテグレーターに頼るのではなく社内の筋力を構築することにも積極的だ。これらのことは、必要なスキルセットに対する労働力不足に対処することを目的とした、RPA、コグニティブ・キャプチャ、プロセス・オーケストレーションを含むDXテクノロジーの最近の採用加速に大きく貢献していると考えている」

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