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「低コストで全社展開できる」ギリシャ発の中小企業向けRPA「WinAutomation」とは

2021年9月13日、RPA BANK はキーマンズネットに移管いたしました。
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日本中の企業・組織の間で導入が進むRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)だが、こと中小企業となるとコスト面やスキルの問題などからまだまだハードルが高い面があるのも事実だ。そうしたなか中小企業のRPA導入を支援しているロジウム株式会社では2019年4月、ギリシャ発祥のRPAプロダクトベンダーであるSoftomotive社との販売代理店契約を締結した。

同社が提供するRPAソリューション「WinAutomation」は、中小マーケット向けに設計されながら低価格かつ高機能、エンタープライズにも対応するスケーラブルな仕様を備えているとされており、ロジウム社が日本市場への橋渡し役を担うというかたちとなる。このほどSoftomotive社の幹部の来日を受けて、ロジウム社の代表を交え両者のパートナーシップの狙いなどについて話を聞いた。


Softomotive Ltd. Vice President, Emerging Markets ニコス・マリナキス氏

■記事内目次

  • 8,000社以上の導入実績。ギリシャ発のRPAベンダーが日本でサービス展開を開始した理由とは
  • 「低コストで全社展開」を可能にする、スケーラブルなエンタープライズ向けRPA
  • 日本語ローカライズにも順次対応。機能とコストの両立を叶えるWinAutomationとProcessRobot

8,000社以上の導入実績。ギリシャ発のRPAベンダーが日本でサービス展開を開始した理由とは

──まず、Softomotive社の概要や事業内容などについて教えてください。

ニコス・マリナキス氏(Softomotive Ltd. Vice President, Emerging Markets): 当社は2005年にギリシャの首都アテネでソフトウェア開発メーカーとして設立されました。2015年に企業向けオートメーションソフトウェアを開発してからは毎年300%というペースで急速に成長を続けており、このオートメーションソフトウェアこそが、後にRPAと呼ばれることになる製品でした。その意味では、世界で初めてRPAに特化したメーカーであると自負しています。

また当社では世界中にオンラインでのRPA製品の販売網を持っており、グローバルでは200社のパートナーと契約、9,000社以上が我々のRPA製品を利用しています。現在、われわれが提供しているRPA製品はデスクトップ型のWinAutomationとサーバー型のProcessRobotの2種類です。誰でもすぐに簡単に使いこなせるようユーザービリティの高さに徹底的にこだわって開発しています。

──グローバルでパートナー戦略を展開していますが、特にどこに注力しているのでしょうか。

マリナキス: パートナーと共同して成長していくというのは、当社のパートナーエコシステムであるためです。共にマーケットを拡大し、顧客も含めてWin-Winのシナリオを描けるよう、顧客のDX推進の支援に注力しているところです。

──日本市場についてはどう見ていますか。

マリナキス: 私の主なミッションは新しい市場の拡大ですが、グローバルの中でもアジア太平洋地域は特に重要な意味を持つと考えています。その中でも日本はRPAにとって極めて重要な市場であり、この興味深い市場をしっかり掴んでいきたいと今回来日した次第です。

──そのSoftomotive社とロジウム社が国内におけるパートナー契約を締結することになったのはどういった経緯からでしょうか。

中川 和也氏(ロジウム株式会社 代表取締役社長): 当社は中小企業を専門とするRPAコンサルティング会社ですが、なかでも小規模企業向けのRPAとなると、なかなかコスト面などで適した製品がないことに悩んでいました。そうしたなか半年ほど前にたまたまSoftomotiveのRPA製品WinAutomationとProcessRobotを知り、調べたところリーズナブルで利便性が高く中小企業にうってつけだと判断したのです。すぐにSoftomotive社にパートナーとして製品を取り扱いたいと声をかけ、快諾を得たという経緯です。


ロジウム株式会社 代表取締役社長 中川 和也氏

マリナキス: われわれとしても日本市場でのロジウム社とのパートナーシップには大きな自信と信頼を感じています。なぜならば同社は日本の中小企業市場のエキスパートであり、またスキルトレーニングを通じてわれわれのソリューションに関する対応力も極めて高いことを実際に確認しているからです。

ロジウム社との共同セールスも行い始めていますが、既に高い結果がでており、今後のさらなる事業の拡大も確信しています。

──ロジウム社ではSoftomotive社のRPA製品を日本向けにローカライズしたサービスを提供していくとのことですが、その内容はどういったものでしょうか。

中川: 「Softomotiveアカデミー」というSoftomotive社が制作している同社製品の使い方を解説する動画を翻訳しており、まもなくリリース予定です。WinAutomationのアプリケーション自体はまだ日本語化されてないので、多少ハードルが高いところがあるのは事実ですが、こうした動画や細かい機能解説などの各種ドキュメント類に関しても徐々に日本語化を進めているところです。また必要に応じて日本円の請求書での取り引きにも対応可能ですので、最終的にはすべて日本語で対応できるようにするところまでを目指しています。

「低コストで全社展開」を可能にする、スケーラブルなエンタープライズ向けRPA

──現在Softomotive社では「WinAutomation」と「ProcessRobot」という2つのRPAソリューションを提供していますが、それぞれの特徴について簡単に紹介してください。

マリナキス: まずWinAutomationについて言うと、デスクトップ型のRPAソリューションであり、非常に簡単だという点に尽きるでしょう。特にITのスキルなどなくても問題なく操作でき、プログラミングの知識も必要ありません。これはオートメーションソフトウェアの開発に関する長い歴史を有する当社ならではの強みで、多くの個人ユーザーにも購入して利用いただいています。実際、WinAutomationを導入して動かすまで極めてシンプルに作りこんであり、ノンプログラミングのクリック操作だけで誰でも使い始めたその日から使いこなせるようになっています。これは他社製品と比べた決定的な違いです。

そしてもう1つ、マルチプロセスのつくりなので1つのロボットが同時に複数のプロセスを動かせるのも、他社製品に対する大きな優位性となっています。RPAは一般的に、最初は一部の部署などで小さく導入してやがて他部署を巻き込んで拡大していくパターンが王道ですが、他社製品の場合はその拡大のタイミングでライセンスを増やさないといけないため、すぐにコストが嵩んでいきます。しかしマルチプロセスであるWinAutomationであれば初期投資のコストのまま、しかもITリソースを効率的に使用しながらスケールアップしていけるのです。

一方のProcessRobotはサーバー型のRPAであり、一括管理のもと使用状況のログを蓄積して分析を行うなど、極めて高度なセキュリティを実現しながら運用できるソリューションとなっています。こちらはエンタープライズ向けで、金融、保険、通信分野などのグローバル企業や各国政府機関といった、高度な信頼性が求められる組織でも採用されています。

──デスクトップ型のWinAutomationとサーバー型のProcessRobotは対象的なソリューションですが、互換性はあるのでしょうか。

中川: はい、互換性があります。それこそがWinAutomationとProcessRobotに共通した強みだと私は見ています。さまざまな業種業態やセグメントでスケーラブルに利用できるよう、両製品は同じプラットフォームで構成されているのです。UIがほぼ同一であるためため、勝手もほとんど変わりません。機能をあれこれ増やすのではなく、ベーシックな機能にこだわった使いやすさを追求しているのだと感じます。

例えば、WinAutomationで作成したロボットをProcessRobotへとそのまま持っていくこともできます。最初にWinAutomationによるスモールスタートでRPAに取り組み始めて、その後に全社に普及していくに従いProcessRobotへとシームレスに移行していけるとうい自由度の高さも他に類を見ないレベルではないでしょうか。本当の意味でのスケーラビリティを容易に実現できると言えるでしょう。

われわれロジウム社としても、中小企業の顧客がWinAutomationの活用などで事業を大きく成長させていくなかで、新たにProcessRobotを採用するようなケースも視野にいれています。

日本語ローカライズにも順次対応。機能とコストの両立を叶えるWinAutomationとProcessRobot

──8月初頭に新バージョンとなるバージョン9がリリースされましたが、今回のバージョンアップのポイントはどこにあるのでしょうか。

マリナキス: 既にある20の機能に加え、バージョン9では新たに8つの機能が追加されました。そのうちの1つが先述したマルチプロセス対応で、他にもProcessRobotではバージョン8からカバーしていたAI連携機能を、バージョン9ではWinAutomationでもカバーしています。すでにあるAI-OCRの機能で非定形なPDFの読み取りにも対応しているので、例えば請求業務などがさらに効率化できると期待できます。

またProcessRobotでは総合的な管理機能も強化され、BI(ビジネスインテリジェンス)的な分析も行えるようになりました。他にも、開発、レビュー、本番といったサイクルにおいて、アカウントの権限を変えて管理できるようになるなどセキュリティ面も強化されています。

──今後の製品開発の方向性について教えて下さい。

マリナキス: デスクトップ型とサーバー型を統合したRPAソリューションの開発を進めていきたいと考えています。実現すればとても有益なシステムになるはずです。機能面で言えば、現状のルールベースからAIベースへと移行していきたいですね。そのためにサードパーティーなども積極的に活用していく予定です。

──最後に、RPAを使用しているもしくはRPAに関心を持っている日本の人々に向けたメッセージをお願いします。

マリナキス: まだまだ市場は拡大していくはずなので、素晴らしいパートナーであるロジウム社などと一緒に我々の製品を信頼してもらえるようさらに努力していきます。そして日本の中小企業のみなさんに役立つソリューションであり続けることを目指します。

中川: WinAutomationとProcessRobotは、われわれの立場から見ても、機能面でもコスト面でも推奨できるRPAソリューションです。UIの日本語対応の部分は当社が責任を持ちながら、日本の皆さんの活用をサポートしていきたいですね。

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