検索
コラム

通勤時のつらい満員電車をITの力で解消するって本当?:552nd Lap

ビジネスパーソンの多くがストレスを感じる通勤時の満員電車を、ビッグデータ活用で解消する取り組みとは。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

 通勤帰宅時の電車やバスの遅延、満員の車内とその一方で空席だらけの時間帯……、都市部の交通はさまざまな課題を抱えている。IoTデータを用いて街全体を効率的に管理する「スマートシティ」構想の一つにも、交通の効率化がある。交通のスマート化を進める英マンチェスターでは満員電車解消の施策が進んでいるという。その詳細とは、いったい――?

 英国のグレーター・マンチェスター都市圏を管轄する「グレーター・マンチェスター交通局(略称:TfGM)」は、ビッグデータ活用を進める。

 ZDNetなどのテック系メディアが報じたTfGMの取り組みによると、TfGMは電車やバスの運行に関するビッグデータを分析し、利便性と快適さの向上に努めている。TfGMが提供している電車やバス、路面電車などのサービスは、距離にすると約360マイル(約580キロ)にも及ぶという。

 TfGMは数年前からデータ分析に取り組んでいたが、マンチェスターでは利用者の個々の移動が1日当たりのべ560万回にのぼる。TfGMのIT責任者であるマルコム・ロウ氏は「われわれはスプレッドシートからモデリングツールまで、さまざまな手法でデータを分析してきた。しかしデータが非常に大きく、サイロ化しており、手間と時間が必要で十分な分析ができずにいた」と話す。

 そこでTfGMはもう一歩踏み込んで、クラウド事業社のSnowflakeと手を組むことにした。TfGMが持つビッグデータをSnowflakeの技術を活用して分析することで、これまで不可能だった「マンチェスターの交通手段を現時点で何人が利用しているか」といったリアルタイムの情報を把握できるようになった。人員や車両を的確に配置させ、満員電車や大幅な遅延をするバスを減らして利用者からの苦情を減少させているという。

 さらに、TfGMは2019年夏、自身が抱える交通網で最も利用者の多い鉄道「マンチェスター・メトロリンク」に非接触型の運賃決済システムを導入した。これによってSnowflakeはメトロリンク利用者を追跡してさらに高度なデータ分析が可能となり、朝と夕のラッシュが発生する時間帯を推測できるようになった。

 ラッシュアワー回避のため、TfGMは「アーリーバード割引(早朝割引)」サービスも開始。利用料金を安くすることでオフピーク通勤を実現した。ロウ氏は「リアルタイムで利用者のデータ分析と早朝割引の効果を把握できるようになった。従来の感覚的な判断ではなくデータを根拠とした施策を実施できる」と話している。

 ロウ氏は「収集したデータをオープンにし、『Citymapper』や『Googleマップ』といった外部のマッピングサービスに提供することも考えている」と未来を見据えている。


上司X

上司X: イギリスのマンチェスターで公共交通機関のビッグデータを活用が進んでいる、という話だよ。


ブラックピット

ブラックピット: 交通のビッグデータで満員電車をなくすって、難しそうですが。


上司X

上司X: 時差通勤も重要だな。マンチェスターでは早朝料金の割引でそれなりに効果があるようだし。


ブラックピット

ブラックピット: 日本も時差通勤を推奨してますけど、料金の割引まではないですよね? ICカードを使っていればキャッシュバックはできそうですけど。


上司X

上司X: 確かにな。日本でも一部路線でポイント還元といったキャンペーンをやっていたみたいだけど。


ブラックピット

ブラックピット: それは置いておくとして、ビジネスパーソンの満員電車ストレス改善のためにも、首都圏の公共交通機関見直しは必要ですよね!


上司X

上司X: そうだな。都市部のビジネスパーソンにとって通勤は生活の大きなウェイトを占めているだろう。そこが改善されるにればそれに越したことはない。


ブラックピット

ブラックピット: だからこそ! ビッグデータの活用は急務、というわけですね。僕もスマートで快適に暮らしたい! 小難しいことはいいんですよ。あの通勤地獄さえどうにかなれば……。


上司X

上司X: それは俺も思う。でも、ラッシュの呪縛から脱するだけじゃ到底スマートシティとはいえない。ほかにもいろいろと整える必要はある。とはいえビッグデータ活用が満員電車のような交通課題を解決できることは証明できたわけだからな、日本でもいずれ解決できるといいな。


川柳

ブラックピット(本名非公開)

ブラックピット

年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X(本名なぜか非公開)

上司X

年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)

中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る