静まり返る自室、在宅ワーク特有の“寂しさ”を緩和するサイトが登場:558th Lap
在宅ワーカーの中には静まり返る自宅での孤独な作業に寂しさを感じる人もいるのではないだろうか。そんな在宅ワーカーの孤独感を緩和する「心地よいサウンド」を提供するサイトが登場したという。
緊急事態宣言以後、テレワークに取り組む企業が増加し、慣れない環境での仕事にストレスを感じている方も少なくないだろう。人によっては「自室の静けさがつらい」と感じることもあるようだ。確かに、一人仕事をしていると、聞こえてくるのは打鍵音とマウスのクリック音だけだ。テレビやラジオをつけてみるのも少し違う。そんな、オフィスの「環境音」が恋しくなった在宅ワーカー向けのサイトがあるという。どういうものなのだろうか?
オフィスでデスクワークをすると、同僚の作業音が聞こえてくる。PCを操作する音、電話に応対する声、同僚同士で話す声……など、さまざまな環境音と同僚の気配が感じられる。気に留めない程度の雑音が聞こえてくるのがオフィス特有だ。
そんな「オフィス音」を再現したのがWebサイト「IMissTheOffice」だ。アクセスすると複数の小部屋で構成された仮想オフィスのイラストが表示され、そこにオフィス家具などが幾つか配置されている。仮想オフィスの中を動き回っている図形が、あなたの疑似同僚だ。
しばらく放っておくと、彼らはさまざまな音を出し始める。画面左上には「Close your eyes and imagine you're in the office.」とあるように、このサイトはオフィス音の再現によって、まるでオフィスにいるかのような錯覚を作り出す。
画面左下の再生ボタンの他、同僚や家具、オフィス機器をクリックすると任意の音を発することもできる。画面右下をクリックすることで同僚の数を最大10人まで増加できる。筆者も体験してみたが、サイトの文言通り、目を閉じていれば本当にオフィスにいるかのようだ。このサイトにアクセスしたまま在宅作業に集中していると、ランダムに聞こえてくるオフィス音が心地よく聞こえてくる。
このサイトの作成者は、ドイツのデザイン事務所Kids Creative Agencyだ。再生していると途中で休憩室の卓球の音や口笛の音が聞こえてくるのは、日系企業には少し珍しい雰囲気かもしれない。
聴覚や視覚への刺激によって心地よさを感じさせる「ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)」という動画、音声コンテンツがちまたで流行しつつある。在宅ワーカー向けASMRともいえるこのIMissTheOfficeは、孤独なテレワーク作業の一興となるだろう。また、家族やペットの放つ音で集中できずストレスを感じたような場合でも、ヘッドフォンでオフィス音を聴いて和むという使い方ができるだろう。
上司X: 「IMissTheOffice」というオフィスが恋しい人向けのサイトの話だよ。
ブラックピット: まあ、孤独は慣れっこですので。自宅で静かに仕事できるのもいいものですよ。
上司X: そうか。今回もビデオチャットで話をさせてもらっているが、どうだね? 元気かい?
ブラックピット: まあ、そこそこ元気ですよ。
上司X: 仕事は順調のようだし、体調も変わりないと。で、どうだいこの「オフィス音」を聴けるサイトは?
ブラックピット: 先ほど試しましたよ。聞こえますねー、オフィスの音が。やや日本的でないところは否めませんが、まあその、オフィスにいる気分になれますね……。
上司X: 少しテンション低めだな?
ブラックピット: いやね、緊急事態が過ぎ去ることを誰よりも祈っているのですが、このオフィス音を聴くと、世間が正常化したときにまたあのオフィスに戻らねばならないことまでも想像してしまうんですよ。僕はね、「ビバ! テレワーク」なのです。かつていた快適なオフィスのことを考えると、少し憂鬱だ……。
上司X: なるほどね。正常な世界を望むけど今の快適なテレワーク環境からは離れたくない、と。でも、これから会社的な変化はあると思うよ。テレワークで業務が回るなら、従来の働き方じゃなくなる可能性は高い。テレワークが常態化するかもしれないぞ。意図せずして働き方改革が一気に進む可能性もある。あくまで仮定の話だが、キミも常時テレワークとか……。
ブラックピット(本名非公開)
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
上司X(本名なぜか非公開)
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.