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「Office 365」と「G Suite」の利用状況(2020年)/後編

後編では、Office 365/Microsoft 365とG Suiteの機能の認知度および利用率について調査した。WordやExcel、G Mailといった有名ツールを除き、トップそしてワースト1位になった機能とは?

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 キーマンズネットは2020年6月10日〜25日にわたり「『Office 365』(現Microsoft 365)と『G Suite』の利用状況」についての調査を実施した。全回答者数143人のうち情報システム部門が36.4%、製造・生産部門が15.4%、経営者・経営企画部門が10.5%、営業・販売・営業企画部門が8.4%などと続く内訳であった。

 今回はOffice 365/Microsoft 365やG Suiteなどクラウド型オフィスツールへの「不満」や「不満を感じるポイント」「機能の認知度」など、企業におけるクラウド型オフィスツールの利用状況を把握するための質問を展開した。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。なお、2020年4月22日にOffice 365はMicrosoft 365と改称されたため、本稿では「Office 365/Microsoft 365」としている。

約半数がOffice 365、G Suiteに不満、その理由は?

 前編ではOffice 365/Microsoft 365やG Suiteなどのクラウド型オフィスツールを利用する企業が、併用を含め全体で72.1%と増加傾向であることなどに触れた。後編ではOffice 365/Microsoft 365の利用実態をさらに掘り下げていく。

 現在、勤務先でOffice 365/Microsoft 365やG Suiteを利用しているとしたグループにツールの満足度を聞いたところ、47.6%が「不満がある」とし、「不満がない」としたのは52.4%とほぼ二分する結果となった(図1)。


図1 勤務先で利用しているOffice 365/Microsoft 365およびG Suiteに対する不満の有無(n=103)

 関連して不満を感じる点を調聞いたところ、1位は「使わない機能やアプリケーションが多い」46.9%、2位は「バージョンアップのたびにユーザーインタフェースや使い方が変わる」44.9%、3位は「使い方が分からない機能やアプリケーションが多い」38.8%、4位は「使いづらい、操作が難しい」32.7%、5位は「ライセンス契約料が高い」30.6%などと続いた(図2)。


図2 Office 365/Microsoft 365、G Suiteに対して不満を感じるポイント

 2019年6月に実施した同様の調査結果と比較したところ、Office 365/Microsoft 365やG Suiteに対して不満を感じるポイントとして上位5項目に変化はないが、ライセンス料などのコスト面よりも、「使わない」または「使い方が分からない」機能が多い点や、バージョンアップでユーザーインタフェースが変わる点が順位を上げた。業務に欠かせないツールだからこそ、より使い勝手を意識するのだろう。

Office 365、G Suiteの機能認知度ランキング、1位と最下位は?

 前項目で、Office 365/Microsoft 365やG Suiteにおいて、「使わない」や「使い方が分からない」機能やアプリケーションの多さがユーザーに不満を与えている現状が分かったが、それらは具体的にはどういった機能なのか。Office 365/Microsoft 365とG Suiteの機能の認知度および利用の有無について尋ねた。

 まずMicrosoft 365/Office 365について、「Microsoft Word」や「Microsoft Excel」といった一般認知度が高いと思われるツールを除いて、「名称を知っている」もしくは「利用経験がある」機能を聞いたところ、「Microsoft OneDrive」86.2%、「Microsoft SharePoint/SharePoint Online」「Microsoft Exchange/Exchange Online」が77.7%と、上位に上がる結果となった。反対に、認知度が低いまたは利用者が少ないと考えられる機能として、「Microsoft Sway」14.9%、「Microsoft Intune」17.0%、「Microsoft MyAnalytics」18.1%、「Microsoft Power Automate」19.1%などがあった(図3)。


図3 Microsoft 365/Office 365で名称を知っているもしくは使ったことがある機能

 Microsoft 365/Office 365には、レポートやプレゼンテーション資料の作成ツール「Microsoft Sway」や、自身の業務状況や健康状態を可視化する「Microsoft MyAnalytics」そして「Microsoft Power Automate」などの機能も備えるが、これらは認知度が低い結果となった。

G Suiteで利用率の高い機能TOP3、3位「meet」2位「カレンダー」…1位は?

 G Suiteについてはどうだろうか。前項同様に「名称を知っている」もしくは「利用経験がある」機能を聞いたところ、「Google ドライブ」91.7%、「カレンダー」87.5%、「Meet」83.3%などが上位に挙がり、反対に認知度や利用率が低い機能としては、「App Maker」4.2%、「Jambord」4.2%、「Cloud Search」8.3%などが挙がった(図4)。


図4 G Suiteで名称を知っているもしくは使ったことがある機能

 ローコード開発ツールのApp Makerや社内のドキュメントデータやCRM(顧客関係管理)のデータなどを横断して検索できるCloud Searchは、専門性が高いためか認知度が低い結果となった。電子ホワイトボード機能を持つJamboardや付せん紙のようにメモができるKeepといった、性質上職種を選ばず利用頻度の高そうな機能についても、そこまで浸透はしていなかった。G Suiteについては全体的にOffice 365/Microsoft 365と比べて利用率や認知度の高い機能とそうではない機能の差が激しい傾向にあり、一部の機能を除きまだまだG Suite自体の認知が進んでいない様子が見て取れる結果となった。

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