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国内サーバ市場の成長を支えるものとは? 2024年までのサーバ市場予測

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて2020年はマイナス成長となるが、回復期に当たる2021年よりも2020年の市場規模の方が大きくなるとみている。

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 IDC Japanが発表した「国内サーバ市場バイヤータイプ別予測」によると、2020年の国内サーバ市場(支出額ベース)は、前年比8.1%減の5080億9300万円と予測する。また、2024年は4980億4200万円になると見込んでおり、2019年〜2024年の5年間における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は2.1%減となると予測する。

 2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によって落込んだ後、2022年に向けて回復するものの、2023年以降は縮小均衡する見込みだという。回復期に当たる2021年よりも2020年の市場規模が大きくなると予測する背景には、400億円超にもなるスーパーコンピュータ「富岳」の出荷を想定しているからだとしている。

 バイヤータイプ別にCAGRを見ると、サービスプロバイダー(SP)が7.2%、非サービスプロバイダー(Non-SP)がマイナス7.1%と予測している。SPが全予測期間において前年比プラス成長になる一方で、Non-SPは2022年を除く全予測期間でマイナス成長になる。COVID-19の影響下にあってもSPがプラス成長を維持する背景には、COVID-19の流行によってワークスタイル変革やデジタルトランスメーション(DX)への取り組みが国内でも進み、その結果クラウドシフトがさらに進むだろうと考えているためだという。

 国内SP向けサーバ市場においては、x86サーバーが主要製品となる。同市場の支出額構成比を見ると、全予測期間を通じてSP向けが97%以上を占める見込みだ。注目すべき点は、スタンダートサーバとカスタムサーバの構成比推移だ。両者の構成比は予測期間を通じて大きな変化が現れず、スタンダードサーバが6割強、カスタムサーバが4割弱で推移するとIDCではみている。

 スタンダードサーバとは、ベンダーが公開するカタログに掲載されたサーバで、標準的なマザーボードや筐体をベースとしたサーバのことを指す。カスタムサーバとは、主にSPが、ODM Directなどから調達するサーバで、マザーボードや筐体が特定の顧客や用途向けに設計されたサーバだ。

 IDC Japanの福冨里志氏(エンタープライズインフラストラクチャ グループマネージャー)は「SP向けのスタンダードサーバビジネスは成長分野である。価格要件が厳しくサーバベンダーは利益の確保が難しいといった側面もあろうが、成長分野で戦略的なビジネスを行わなければ国内におけるサーバビジネスの拡大は望めない」とコメントする。


国内サーバ市場 バイヤータイプ別支出額予測、2019年〜2024年

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