新作iPhoneを買うのに何日働けば良いのか、国別の統計結果とは:584th Lap
ついに発売された新作iPhoneシリーズ。新作iPhoneがどれほど注目されているかが分かる統計が発表された。
2020年10月14日、Appleが「iPhone 12」シリーズを発表した。待望の5G対応に加え、画面解像度の向上や衝撃耐性の強化といった機能改善にも注目が集まっている。筐体が数モデル前のようなフラットデザインに戻ったことも歓迎されているようだ。
シリーズのラインアップは「iPhone 12」「iPhone 12 mini」「iPhone 12 Pro」そして「iPhone 12 Pro Max」の4機種。上位機種であるiPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxは、本格的なカメラも顔負けの高いカメラ性能を誇り、“映え”を追及するユーザーにも支持されそうだ。
最新仕様のスマホなのだから、安くはない。このiPhoneの価格について、ちょっと面白い統計が発表された。「iPhone 12 proを手に入れるために何日働かなければならないか」という国別の統計だ。赤裸々なグラフに世界各国がザワついている――。
iPhone 12 Proは内蔵ストレージの容量によって価格差がある。日本での価格は128GBモデルが10万6800円、256GBモデルが11万7800円、512GBモデルが13万9800円(いずれも税別)となっている。
そんな決して安くはないiPhone 12 Proの128GBモデルについて、「購入する費用を稼ぐために世界各国の人々は何日間働かなければならないのか?」という調査を実施したのは、シンガポールのクーポンサービスを提供する企業picodiだ。
世界各国でiPhone 12 Proの価格はそれぞれ異なるが、同社は主要43国のApple公式サイトで公開しているiPhone 12 Proの価格を調査。さらに当該国の統計局が発表している平均月収を21で割り(週給が一般的な国では週給を5で割る)、1日あたりの賃金を割り出した。これらの数値から、「購入に必要な日数」を算出したのだ。
同社によると、シンガポールにおけるiPhone 12 Proの価格は1649ドル。そして平均月収は5549ドルとされている。ここから計算すると、調査国であるシンガポールにおいてはiPhone 12 Pro購入のためには「8.1日」の労働が必要だとされている。
同調査によると、43国中で入手するのにもっとも苦労するのがインドとメキシコでいずれも「54.4日」となっている。次いでロシアが「47.5日」、モンテネグロが「47.3日」という。月収以上の価格ということだ。
逆に入手しやすいベスト3は、スイス「4.4日」、米国「6.1日」、オーストラリアとルクセンブルク「6.6日」となっている。比較すると大きく差があることが分かるだろう。
日本は、比較的入手しやすい国に位置し、第14位「9.8日」だ。ちなみに日本に近いのは韓国とオランダの「10.3日」、ドイツ「9.7日」、スウェーデン「9.5日」となっている。
ちなみにこの労働日数には、期間中の飲食費や光熱費などの生活費は含まれていない。つまり、飲まず食わず電気も通信も使わず純粋に労働した場合の「日数」というわけだ。
この調査に含まれていない国もあり、そもそも入手が困難な国もある。こういった統計が公表されるほど、世界が最新のiPhone 12に注目しているようだ。
上司X: 新型iPhoneを入手するのにどれだけ働かなければならないか? という統計が話題になっているという話だよ。
ブラックピット: まあ分かっていることとはいえ、かなりの差がありますねえ。しかし、まあこう労働の対価として数値化すると意外なほどリアルですね。
上司X: iPhone 12 Pro自体の価格は基本的に同等でも、各国の賃金は違うからな。
ブラックピット: ほらあの有名な「ビッグマック指数」と同じ感じですかね。
上司X: ああ、マクドナルドのビッグマック1個の値段で各国の経済力が分かるってヤツな。あれも労働時間で表してるな。単位は「分」だけど。由緒正しき『エコノミスト』が1986年から長きにわたって毎年報告してるアレだ。
ブラックピット: ビッグマックは原材料の入手ルートの違いなんかでそもそも原価が違ったり、あと牛肉を使ってない国もあったりしてちょっと参考にならなくなっているかもしれませんね。それに比べて……。
上司X: 今後はiPhoneが世界基準になるってか? ……うむ、もしかしたらそういう可能性はあるかもな。ほぼ毎年全世界モデルが同タイミングで発売されるし。
ブラックピット: ね。それにしても、スティーブ・ジョブズが2007年にiPhoneの初代モデルを発表したときはわりと酷評されたもんですけどね。こんなの流行らない! なんてこき下ろされて。それが今や世界的な指標になるというというね。
上司X: なんせ初代のiPhoneはコピペすらできなかったからなあ(笑)。あとPCやMacがないとそもそも使えなかったり。……まあそういう昔話はいいとしてだ、iPhoneみたいなデバイスで世界が見えるっていうのはなかなか面白いじゃないか。
ブラックピット(本名非公開)
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
上司X(本名なぜか非公開)
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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