テレワーク勤務やオンライン面接の導入進む 「採用活動に対する新型コロナの影響」調査結果
勤務や採用活動のオンライン化が予定通りに進めば、今後は「残業抑制」や「有給消化の促進」並の一般的な取り組みになるかもしれない。
ディップ総合研究所は2020年12月9日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が企業の採用活動与えた影響についての調査結果を発表した。調査は会社経営者や役員、人事担当者など採用に携わる会社員1000人を対象とし、正規採用705サンプル、非正規採用710サンプルの有効回答を得た。
採用活動への影響を正社員の採用(正規採用)とアルバイト・パート(非正規採用)に分けて見ると、正規採用について「とても影響があった」と回答した割合は26.8%、「やや影響があった」は33.8%で、合計60.6%が影響があったと回答した。非正規も同様で、「とても影響があった」は27.9%、「やや影響があった」は32.0%で、合計59.9%が影響を受けた。
業種ごとの影響度合いや企業の取り組みにも変化、オンライン化の実態は?
次に応募者数と離職希望者数の変化を見ると、およそ3割が「増えた」、およそ5割が「変わらない」と回答した。
正規採用への応募数が「とても増えた」と回答した割合は7.5%、「やや増えた」は23.3%で、増えたと回答した割合は合計30.8%だった。これに対して「変わらない」は47.8%だった。非正規採用に対する応募数では、「とても増えた」と回答した割合は8.9%、「やや増えた」は21.4%、「変わらない」は48.0%だった。
離職希望者数についても傾向は同様で、正規採用者の離職希望数が「とても増えた」と回答した割合は5.1%、「やや増えた」は12.3%、「変わらない」は62.1%だった。非正規採用者については、「とても増えた」が4.6%、「やや増えた」は14.2%、「変わらない」は62.3%だった。
職種別に見ると、「オフィス(事務・企画など)」では、応募者数が「増えた」、離職希望者数が「減った」との回答が多かった。「販売」「フード・飲食」「サービス・イベント」「営業」では、応募者数と離職希望者数のどちらも「増えた」と回答した割合が全体よりも高かった。「医療・福祉」では応募者数が「減った」と回答した割合が高かった。
各社がニューノーマル対応を急ぐが、実態は?
2019年以前からの採用活動に関わる取り組みについては「有給休暇の消化促進」(38.1%)や「残業時間の抑制」(31.7%)と回答する企業が多かった。「オンライン面接の導入」や「面接のスキルアップ研修の強化」「紙の履歴書・職務経歴書提出の廃止」「テレワーク勤務の導入」「クラブ活動・同好会など交流会の補助強化」に取り組んでいる企業は、いずれも1割に満たなかった。
一方で2020年の計画と実施状況を見ると「テレワーク勤務の導入」に取り組んだと回答した割合は、予定比5.9ポイント増の16.1%。「オンライン面接の導入」は、同3.5ポイント増の10.3%だった。勤務や採用活動のオンライン化が進んだことが分かる。ただし実施率はまだ低く、2019年以前に導入済みの企業を含めて「テレワーク勤務の導入」をしている割合は24.7%、「オンライン面接の導入」をしている企業は15.7%だった。
ただし2021年の計画を見ると「テレワーク勤務の導入」は13.3%、「オンライン面接の導入」は16.9%が実施を予定している。予定通りに進めば、実施率はそれぞれ、38.0%と32.6%になる。
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