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COVID-19で地方は生き残れるか? IT支出に見る地域格差

2020年は新型コロナウイルス感染症によって国内企業に大きな打撃をもたらしたが、その影響はいつまで続くのだろうか。IT支出予測から、今後の見通しを見る。

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 IDC Japanは、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響を考慮した国内IT市場 地域別予測のアップデート(2020年9月末時点)」を発表した。

COVID-19を受け停滞する国内産業、今後の見通しは?

 2020年は、COVID-19の感染拡大を受け、インバウンド需要の消失や外出自粛、また輸出減少などによって国内経済は深刻な影響を受け、企業のIT支出は抑制傾向にある。2020年の国内IT市場規模は17兆1162億円(前年比成長率マイナス6.3%)と減速した。地域別で見ても各地域でマイナス成長となり、特に消失したインバウンド/観光需要、製造業の停滞の影響を大きく受ける北陸/甲信越地方、東海地方、近畿地方、中国/四国地方、九州/沖縄地方といった地域で大幅な減速を見込む。一方で、東京都はマイナス成長となるものの、比較的小幅にとどまるようだ。

 2021年における国内IT市場全体は、経済環境の回復により17兆6050億円(前年比成長率2.9%)とプラス成長になるとIDCは予測するが、回復ペースは緩やかであり、IT支出がCOVID-19感染拡大以前の水準に回復するのは2022年以降になるとみている。また、今後のCOVID-19の感染拡大や抑制に関する見通しは不透明な部分が多く、今後の状況によっては予測を大きく見直す可能性もあるという。


国内IT市場 地域別 支出額予測、2019年〜2021年(出典:IDC Japan)

IT支出から見る首都圏と地方の地域格差

 地域別に見た場合、北海道/東北地方以外の地域でプラス成長になると予測しており、特に大都市圏(関東地方、東京都、東海地方、近畿地方)を中心に多くの企業で業績が回復に転じるとみている。

 中でも、今後大イベントの開催を予定している東京都や近畿地方において、堅調にIT支出が拡大するとIDCは予測する。また、大都市圏の企業では、大企業を中心にデジタルトランスフォーメーション(DX)を目的としたIT支出も本格化するとみており、大都市圏のIT支出をけん引するとみている。

 一方で、大都市圏以外の地域では2021年以降も低い成長率にとどまる見込みだ。人口減少に伴う地域経済停滞の影響が深刻であり、多くの企業や地方自治体などでIT支出は抑制傾向であり、長期化が見込まれる。

 2021年以降は、大都市圏とそれ以外の地域でIT支出に大きな差異が生じるとみているが、その要因として、地域経済の回復状況に加えて、地域企業のDXの推進状況もある。IDC Japanの市村 仁氏(ITスペンディンググループ リサーチマネージャー)は、「ITサプライヤーは、COVID-19を契機として新しい業務体制へのシフトを模索する大都市圏以外の地域の企業に対して積極的に支援を行い、業務効率化からDX推進を図ることで、大都市圏以外の地域の企業のIT支出の促進を図るべきだ」と分析する。

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