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JRA、競馬事業のデータ保護基盤を統一

全国10カ所の競馬場で年間288日、1日最大12レースを開催するJRAがデータ保護基板を統一した。これまでのバックアップシステムの課題と、新しいシステムの効果とは。

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 ヴィーム・ソフトウェアは2021年2月10日、日本中央競馬会(以下、JRA)がデータ保護基板を Veeam Software(以下、Veeam)の「Veeam Backup & Replication Enterprise Plus」に統一したと発表した。


出典:写真AC

 競馬事業に関連する統合 IT基盤を支え、バックアップの信頼性向上や運用負荷の軽減を実現して新たなビジネスやサービスの創出を支援できるようになったという。

競馬事業の公共性と信頼性のために、効率が課題に

 競馬は公共事業であるため、情報インフラに対しても高レベルの信頼性が求められる。そのためJRAは、協力会社であるJRAシステムサービスと連携して信頼性や安定性の確保に取り組んでいる。これまでは同事業を支える主要な基幹システム群のバックアップに複数の製品を使用しており、運用管理が煩雑化していた。バックアップに膨大な時間を要したり、バックアップに失敗したりといった問題があり、各ツールのライセンス費用も大きな課題になっていたという。

 JRAは、統合IT基盤の更新を機に統合バックアップシステムの刷新に着手した。Veeam Backup & Replication Enterprise Plusの導入によって以下のような効果が得られたという。

バックアップの信頼性向上、運用負荷軽減

 さまざまな問題を生む要因となっていたテープ装置を廃止して圧縮/重複排除機能とWANアクセラレータ機能を組み合わせることで、遠隔地データセンターへの転送を確実かつ短時間で実施できるようになった。テープ装置の運用や書き込み処理の失敗によるデータ輸送の遅延問題が解消した。

バックアップ処理時間を10時間から数十分レベルにまで短縮

 従来の環境ではリストアを仮想マシン単位で実施していたため、トラブル時の対応に多くの時間と工数を要していた。

 システム刷新後はファイルレベルでのリストアが可能になったため、バックアップ処理時間を最大10時間程度から数分〜数十分に短縮できた。

バックアップツールを集約、調達費用を約3分の1に削減

 複数のツール使用を廃止して基盤を統合したことで、運用管理の標準化やライセンスコストを削減できた。その結果、調達費用が従来の約1/3程度になった。

新たなシステム/サービスの創出への注力が可能に

 余裕のできたリソースを活用して、統合IT基盤の維持運用を担う専門チームを新たに組織した。新たなビジネスやサービスの創出といった「攻め」の分野により力を注げるようになった。

 JRA情報システム部 システム統括課 課長補佐 佐々木 智範氏は「競馬は非常に公共性の高い事業だ。そのデータをしっかりと保護できる環境が整ったことで、今後の事業運営に対する安心感も格段に高まった」と述べている。

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