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テレワークで管理職と一般社員のコミュニケーションを円滑にする3つの方法

管理職と一般社員を対象に、コミュニケーションに関する意識の違いを調査した結果が発表された。立場によって認識や課題感に差があり、コミュニケーションが難しくなっている傾向が見えた。

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 テレワークの課題に「情報伝達」がある、対面の業務では自然に取得できていた非言語情報が業務のリモート化によって見えなくなり、チーム内外とのコミュニケーションや教育、指導などが難しくなった。コロナ禍以前、テレワークへの懸念として「業務の実態が見えない、コミュニケーションが困難になる」などが挙げられた状況そのものに、大きな変化はない。

 そのような状況を受け、リクルートマネジメントソリューションズは2021年2月24日、テレワーク環境における「上司・部下間コミュニケーションに関する実態調査」の結果を発表した。テレワークをしている会社勤務の正社員729人(一般社員443人、部下を持つ課長相当の管理職286人)から回答を得た。インターネットによる調査で、調査期間は2020年9月28〜29日。

立場によって「重視するコミュニケーション」や「十分にできていると思うコミュニケーション」に差

 テレワークについて、一般社員の方が管理職よりも肯定的に捉える傾向があることが分かった。


テレワークに対してどう感じているか(出典:リクルートマネジメントソリューションズ)

 一般社員はテレワークによって「対人関係のストレスが減る」と感じている割合が42.9%、「テレワークがもっと普及するといい」と考えている割合が49.9%あった。一方、管理職は「仕事の自己管理能力が求められる」と懸念している割合が65.7%で「発想を広げたり、アイデアを出し合ったりするのが難しい」(38.5%)「気持ちを察したうえでのコミュニケーションが難しい」(41.3%)などに課題があると考えていた(それぞれ複数回答)。

 コミュニケーションについての設問では、15種類のコミュニケーションを対象に、一般社員には「直属の上司がとるコミュニケーションが自分にとってどの程度重要だと思うか」、管理職には「部下に対してコミュニケーションをとることが、自分にとってどの程度重要だと思うか」を聞いた。


重要だと思うコミュニケーション内容(出典:リクルートマネジメントソリューションズ)

 各コミュニケーション内容に対する重要度は総じて管理職の方が高く、特に「期待をかけていることを伝える」や「貢献に対して感謝」「心身の健康状態について話をする」「意見やアイデアを求める」などを重要視していた。これに対して一般社員は主に「上司信頼」「職務自律性」「心理的安全性」を重要視していた。

 「十分にコミュニケーションできていると認識している内容」を比較すると、管理職は「仕事の意味についての説明」と「期待をかけていることを伝える」「貢献に対して感謝」「会社や自部署の長期的な目標について話す」「意見やアイディアを求める」について、一般社員よりも認識の度合いが高かった。それに対して、一般社員は「間違いや足りない点を指摘」や「世間話やプライベートに関する雑談」について管理職よりも認識の度合いが高く、リクルートマネジメントソリューションズは「どちらの認識度合いが高いかにかかわらず、差がある点で相手に十分に伝わっていない恐れがある」と考察している。


十分にコミュニケーションできていると認識している内容(出典:リクルートマネジメントソリューションズ)

 テレワークにおいて「言いたかったが言えなかったこと」を聞くと、一般社員は「対面で話せないことでうまく伝えられない」や「リマインドをしづらい」「なんとなく出社してしまっている」などが挙がった。一方、管理職は「微妙なニュアンスを気にして対面でないと言いづらいことがある」と回答した。

 言いたかった、あるいは言うべきだったのに言えなかった理由では、一般社員と管理職のいずれも「気分を害するから」や「話すタイミングがなかったから」「リモートワークで、気軽に声をかけづらいから」が多かった。「微妙なニュアンスを気にして対面でないと言いづらいことがある」と回答した割合は一般社員よりも管理職の方が高く、リクルートマネジメントソリューションズでは「テレワークでは相手の反応が見えないため、言う機会を逸して管理職が自らミスをカバーしたり、タイミングよく言えなかったりするという葛藤がある」と推測している。


言うべきだった/言いたかったのに言えなかった理由(出典:リクルートマネジメントソリューションズ)

管理職と一般社員のコミュニケーションを円滑にする「3つの方法」とは

 これらコミュニケーションのすれ違いに対し、リクルートマネジメントソリューションズは管理職と一般社員のコミュニケーションを円滑にする3つの方法を提案する。

 1つ目は、コミュニケーションに対する互いの期待をすり合わせること。テレワーク下では、管理職と一般社員で、立場の違いによるコミュニケーションのすれ違いが生じることがある。テレワーク下のコミュニケーションを円滑に進めるためには、互いの期待をより意識して、すり合わせることが求められるとしている。

 2つ目は、管理職と一般社員がコミュニケーションの重要度を高めるための土台を整えること。今回の調査では、管理職と一般社員のどちらについても、コミュニケーションの重要度の認識には、相手に対する評価や信頼、自律的に仕事が行われる程度、職場の心理的安全性の認識などがポジティブな影響を与えていることが分かった。リクルートマネジメントソリューションズは、こうした要素がコミュニケーションの改善に役立つとしている。

 3つ目は、ネガティブフィードバックの難しさを認識した上で、先送りせず丁寧にコミュニケーションすること。今回の調査では、管理職と一般社員のどちらも、テレワークではネガティブな内容を伝えることをためらう傾向が明らかになった。一般社員は相談や考えを上司に伝えるタイミングが捉えづらく、管理職は部下の反応を見ながら微妙なニュアンスを伝えることが難しいと感じている。同社は「管理職は気軽に相談できる機会を設けることを心掛ける必要がある」と指摘する。

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