日本はまた世界から遅れるのか 電子サイン利用の意識差が明らかに
電子サインの利用意向は世界的に旺盛だが日本は他国と比べて保守的な傾向があり、一方で政府への期待は高い。世界との意識差が出ていることが分かった。
コロナ禍をきっかけにビジネスが非対面化し、さまざまなコミュニケーションや契約をリモートで完結させるITの普及が進んでいる。その中でも電子サインの利用は世界的に拡大が続くが、日本には保守的な傾向が残っている。日本のビジネスシーンは電子サインをどう見ているのか。
電子サインに及び腰の日本、なぜ?
アドビは2021年2月26日、電子サインの使用に関する調査結果を発表した。それによると、電子サインの利用意向は世界的に旺盛だが、日本は他国と比べて利用意欲が低く、電子サインの安全性に対する関心が極めて高いことが分かった。
今回の調査の対象は、過去1年間に電子サインを使用したことがある、日本、米国、欧州、アジア太平洋地域に住む18歳以上の男女4662人。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が収束した後の電子サインの利用に対する意向を聞くと、全世界で76.3%が「使い続ける」と回答した。地域別に見ると、米国は82.5%、欧州は78.8%、アジア太平洋地域は83.9%なのに対して、日本は59.5%だった。「使い続けない」と回答した割合は日本が最も高く、7.1%だった。
電子サインの安全性について「安全だと思う」と回答した割合は、全世界の66.8%。それに対して日本は36.8%。アドビでは、日本は電子サインの安全性に対する関心が他国よりも極めて高いと見ている。
その他、過去半年間で電子サインの利用機会が「増えた」と回答した割合は全世界の60.1%で、日本でも51.6%と過半数を占めた。また、政府に対して電子サインの導入促進を求める割合は世界の68.5%で、日本でも64.5%と高い。ただし、電子サインを導入していない企業は今の時代に「合っていない」と回答した割合は世界の59.9%に対し、日本は48.1%と半数に満たなかった。
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