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暴かれたGoogleアプリの暗部? 知らずのうちにユーザーが“献上”していたモノ:605th Lap

スマートフォンアプリの中には、開発や利便性の向上を目的に個人情報を収集するものもある。Googleアプリもそのうちの一つだが、ユーザーに公表をためらうほどのデータを収集していたという。

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 コンビニやスーパーで売られている加工食品を手に取ると、大体の商品に対して「その食品にどんな栄養素が含まれているか」を示す「成分表示」がある。

 スマートフォンアプリにもこれと似たような仕組みがある。最近Appleは、App Storeで提供するアプリに対して“成分表示”の明記を義務付けた。表示するのはもちろん栄養素ではない。「ユーザーのどのような個人データを収集し、どう利用しているのか」という「プライバシー慣行」に関するものだ。

 近ごろGoogleのiOS向けアプリが、このプライバシー表示の影響を受けて大騒ぎになった。Googleがユーザーへの公表をためらうほどのデータを収集していたという。ユーザーのどんな情報が気付かぬうちにGoogleの手に渡っていたのだろうか?

 App Storeで配布されるiOS向けアプリにプライバシーラベルの表示義務が課されたのは2020年11月5日のこと。アプリが収集するユーザーのプライバシー情報やその利用目的を、認知しやすいアイコンとともに表示することをAppleは義務付けた。

 このプライバシーラベルのルールが施行されたのは2020年12月8日。これ以降、アプリの開発者および開発企業は、App Storeにアプリを新規登録またはバージョンアップする際にプライバシーラベルを公開しなければならなくなった。もちろん、多くのアプリはそれに従った。

 ところが、このルールが施行されて以降、iOS向けGoogleアプリやChromeのアップデートがピタリと止まった。これに対してユーザーは、「プライバシーラベルの表示が義務付けられたことで、何か不都合なことがあるのだろうか」などとうわさをしていた。

 しかし2021年2月末に、とうとうGoogleはiOS向けに提供している各種アプリのバージョンアップを敢行した。つまりプライバシーラベルの追加に踏み切ったのだ。すると、膨大な量のデータを収集しているが確認された。

 Googleアプリの「ユーザーに関連付けられたデータ」を参照してみると、「財務情報」「位置情報」「連絡先情報」「連絡先」「ユーザーコンテンツ」「検索履歴」「閲覧履歴」「ID」「使用状況データ」「診断」「その他のデータ」などの情報が表示されている。さらに「詳細を表示」を押してみると、これ以外にも数多くのプライバシーラベルが表示されていたのだった。

 この件を大きく報じたイギリスのTech系サイト「The Register」によれば、Chromeで収集しているユーザーデータは19カテゴリー。Apple純正のWebブラウザ「Safari」では13カテゴリーのデータを収集しているが、そのうちユーザーに関連付けられたデータは6カテゴリー程度だ。

 この差を見ると、Googleは他のアプリよりも多くの情報を収集していることは否めない。しかしユーザーは、こうしたプライバシー情報を渡すことで成り立っているビジネスモデルがあることを理解する必要があるだろう。

 今回、Appleがプライバシーラベルの明示を義務付けたことで、そのアプリへの“対価”を明確にしたことになるだろう。今後ユーザーは、より多視点でのアプリ選びが必要となるだろう。


上司X

上司X: AppleのプライバシーラベルのせいでえげつないGoogleの情報収集が判明してしまった、という話だよ。


ブラックピット

ブラックピット: そもそも個人情報を含む各種情報は取得されていたわけでしょ? そんな大騒ぎするようなことでもないかと。


上司X

上司X: まあそうなんだが、人間は明示されると現実感が増すというか。


ブラックピット

ブラックピット: 体調悪いなと思って熱を測ってみたら、体温計の数字が思った以上の結果でそれを目にしてさらに体調が悪化する、と似たような感じですね。


上司X

上司X: いや、その例えはちょっと違う気がするが。


ブラックピット

ブラックピット: 軽くスルーしないでくださいよ。


上司X

上司X: 話を戻すとだな、アプリによって以前から個人情報が取得されていたことは違いない。それがラベルで可視化されたことで認識を改めるチャンスが得られたと思えば、悪くない話だろう。


ブラックピット

ブラックピット: Googleがアプリをなかなか更新しなかったところにはちょっと引っ掛かりを感じますが。


上司X

上司X: 他にも「Facebook」や「Instagram」なんかのiOSアプリもかなりのものということで話題になっているから、必ずしもGoogleだけが情報集めに必死だ、という結論にはならないんだけどね。Googleだけを責めずに幅広く情報を精査する必要があるだろうな。

川柳

ブラックピット(本名非公開)

ブラックピット

年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X(本名なぜか非公開)

上司X

年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)

中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。


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