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ニューノーマル時代の企業のDX推進

2021年9月13日、RPA BANK はキーマンズネットに移管いたしました。
移管に関する FAQ やお問い合わせは RPA BANKをご利用いただいていた方へのお知らせ をご覧ください。

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RPA BANK

ニューノーマル時代における「企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進」をテーマとして、 事前アンケートの内容をもとに、参加者の皆さまが知りたいことや、課題に対する解決策を、ソフトバンク株式会社の方々にパネルディスカッション形式で解説いただきました。DX推進における課題解決のヒントとしてぜひお役立てください。

■記事内目次

  • 登壇者紹介
  • RPAにAIなどを組み合わせてDXを推進している事例
  • DXを進める3ステップ「業務棚卸」「業務再設計」「業務再構築」
  • DX推進のためのIoTソリューション・事例紹介
  • まとめ

登壇者紹介


左上 モデレーター Peaceful Morning株式会社 代表取締役社長 藤澤 専之介氏、左下 スピーカー ソフトバンク株式会社 法人プロダクト&事業戦略本部 デジタルオートメーション事業第1統括部 RPA技術支援部 部長 木下 貴士氏、右上 スピーカー 同社法人プロダクト&事業戦略本部 ソリューション開発推進部 部長 後藤 雄介氏、右下 スピーカー 同社法人プロダクト&事業戦略本部 デジタルオートメーション事業第1統括部 IoTプロダクト企画推進部 部長 弓削 考史氏

藤澤専之介氏(Peaceful Morning株式会社 代表取締役社長): 本日モデレーターを務めさせていただきます、Peaceful Morning株式会社の藤澤と申します。本日はソフトバンクの皆さまをお呼びして、「ニューノーマル時代の企業のDX推進」というテーマでお話しいただきます。では、まず自己紹介からお願いできますか。

木下貴士氏(ソフトバンク株式会社 法人プロダクト&事業戦略本部 デジタルオートメーション事業第1統括部 RPA技術支援部 部長): ソフトバンク株式会社のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)技術支援部というところにおります、木下と申します。RPAのプロダクトやサービス開発、エンジニアのサポートをさせていただいております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

後藤雄介氏(同社法人プロダクト&事業戦略本部 ソリューション開発推進部 部長): ソフトバンク株式会社ソリューション開発推進部の後藤と申します。法人のお客様に対してBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の手法を用いた社内業務のDX支援をご提案、ご提供させていただいております。本日はよろしくお願いいたします。

弓削考史氏(同社法人プロダクト&事業戦略本部 デジタルオートメーション事業第1統括部 IoTプロダクト企画推進部 部長): ソフトバンク株式会社のIoTプロダクト企画推進部におります、弓削と申します。私からはDXに関わるソリューションのご紹介をさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

RPAにAIなどを組み合わせてDXを推進している事例

藤澤: 「ニューノーマル時代の企業のDX推進」というテーマですが、今DXは非常に注目度の高いテーマかと思います。ソフトバンク様は事前にRPA BANKの会員に向けて「DXの現状」についてのアンケートを取られました。回答総数は120名です。本日はこちらのアンケート結果を用いながら、皆さまにお話を伺っていきます。

まず私から簡単に、今回アンケートに回答いただいた方たちの属性を説明させていただきます。まず、設問3の「貴社の業界をご教示ください」という質問に関しては、情報・通信系のお客様が32%、サービス業のお客様が24%、メーカーのお客様が22%という結果になっております。

次に設問4の「貴社でのDX推進部署をご教示ください」という質問に関しては、情報システム部と回答された方が33%、デジタル推進専門組織が21%、RPA利用部門が8%でした。そして設問5の「現在導入しているDXに関わるツールはありますか」という質問に関しては、最も多いのがRPAで86件、クラウドサービスが66件、ネットワーク環境が45件、AIが43件となっております。

本日はお三方にこのあたりを解説いただきながら、ソフトバンク様のサービスについてもご説明いただければと思っております。では、ここからは木下さんにスライドを進めていただきます。よろしくお願いいたします。

木下: 今回、アンケートでは設問6「貴社で現状取り組んでいるDX推進内容はどのようなものですか」や、設問7「貴社の業務で今後、DXを推進したい業務は何ですか」のような質問を設けさせていただきました。先ほどの属性のご紹介にもあった通り、RPAを導入しているお客様が多数いらっしゃいますので、設問の回答としてはやはり「定例業務の自動化」に今取り組んでいらっしゃる、または今後も取り組んでいくというご意向のお客様が多い印象を受けました。

一方、先ほどのスライドで「現在導入しているDXに関わるツールはありますか」という設問がありましたが、実は前回も同じようなイベントの際にこの設問を設けさせていただき、今回は前回と若干変わっているところがあります。例えば「AI」という回答ですが、前回は「モバイルデバイス」、「AI-OCR」の次でした。しかし、今回はAIが4番目に上がってきているということで、半年間で企業様におけるAIの取り組みが増えてきているという印象を受けております。

われわれは、ソフトバンクとしてそういったお客様をどのような形でご支援できるのかについて、今年度ずっと取り組んでおり、今期はお客様がどのステージにいらっしゃるかを押さえた上で、目的に応じて業務のデジタル化、業務の自動化、データの統合、プロセスの自律化をトータルでご支援させていただくという取り組みを進めております。

今日はその中からいくつかの事例をご紹介できればと考えております。まずそのベースとなる業務の自動化から業務プロセスの自律化へのアプローチというところで、RPAを導入いただいているお客様は多数いらっしゃると思います。実際に自動化している業務としては、例えばExcelからExcelへ情報を転記したり、システムからデータをダウンロードしてExcelに転記したり、Excelのデータをシステムにエントリーしたりというところで、RPAを活用されている事例が多いかと思います。

それに加えて、扱っているデータにお客様自身が保有しているほかのデータや転記情報などの外部のデータを統合し、AIに分析や予測をさせることによって業務の自律化ができるのではないかということで、現在、お客様といろいろなお話をさせていただいています。

事例をご紹介させていただきますと、例えばこちらはフードサービス業のお客様です。直販の店舗や量販店、外食のレストランなどいろいろなチャネルがあり、また、コロナの影響からデリバリーで食事をされるお客様もいらっしゃると思いますが、それぞれのチャネルで得た売上を日報としてRPAで集計してレポートし、自動化しています。

さらに、カレンダー情報や予算データ、来店客数、値引きデータ、気象情報などを統合した上で、AIによって今後の売上予測や販売数の予測が出せるのではないかということで、今お客様にお話しさせていただいている事例がございます。これが実現すれば、その日のスタッフのリソースの配置、あるいは食材の販売機会の損失をなくしたり、廃棄ロスを削減するという効果が見込まれると考えております。

また、こちらは参考ですが、先ほど申し上げた通り、例えばカレンダー情報や売上実績データと気象情報などを説明変数として、目的変数となる売上を予測することにより、今後の生産や出荷計画を作っていくことができます。また、売上以外にも来客数やスタッフ数を予測できるのではないかと考えております。これが1つ目の事例です。

2つ目の事例をご紹介させていただきますと、こちらは医薬品や化粧品の小売業をされているお客様です。ロイヤルカスタマーサービスの加入促進をするにあたり、そのサービスへの加入見込みのあるお客様の判別がなかなかつかず、熟練の販売員の勘と経験に依存した属人的な加入案内をしているという課題がございました。

こちらのお客様に関しては、実際の会員様のデータや購買データ、商品マスタ、販売員の人事データなどを統合し、AIによって加入予測見込みをスコアリングした上でRPAで表示し、その表示の内容を見た上で販売員がサービスの詳細を案内したり、加入への促進をしたりすることによって効果的なアプローチができるという事例です。

3つ目は製造業のお客様の事例です。研究開発などをする際は研究室に入室して作業し、退出するという流れになると思いますが、研究室ではいろいろな薬品を使うので帽子をかぶり、マスクをして入退出をします。

ここでは弊社の顔認証の仕組みを使い、Aさんが今どこで作業をしているのか、Bさんが今どこにいるのか、いつ入退出したのかというログをRPAで収集し、管理端末上で「今どこで誰が何名作業している」ということを可視化して、入退室管理をするという取り組みを行っております。

最後に、こちらも製造業のお客様の事例ですが、工場などはこの時期でも出社を伴うところが多々あると思います。こちらのお客様に関しては、カフェテリアにAIカメラというものを設置して、何名の従業員がそこで食事をしているか、密な状態かどうかの情報をクラウドにアップロードし、それをRPAで処理することにより、社内のイントラネット上に、カフェテリアが密なのかそうではないのかという混雑状況のレポートを、自動で生成するという取り組みを今進めさせていただいております。

これらは一部ですが、これら以外の事例も含め、いろいろとお客様にご提案、ご導入をさせていただいている状況です。

藤澤: ありがとうございます。今までイメージしていたRPAの定型業務の自動化から、一歩踏み込んでAIと組み合わせることにより、かなり自動化の範囲が広がっているような印象を受けました。

木下: そうですね。例えばRPAやAIカメラなどの、単品のプロダクトでの業務工数削減や価値の付加というよりは、われわれが持っている商材を組み合わせることによって、新しい価値の付加やお客様の課題解決をより一層推進できるのではないかと考えています。

DXを進める3ステップ「業務棚卸」「業務再設計」「業務再構築」

藤澤: なるほど。ありがとうございます。それでは次に後藤さんから、お願いいたします。

後藤: はい。私からは設問8「DX推進検討における課題点はありますか」に関して、ソフトバンクなりにお答えできればと思っております。冒頭に申し上げました通り、私はお客様の社内業務の業務改革や、DX推進などをご支援させていただいておりますので、社内業務という形でご回答させていただきたいと思います。

アンケートの結果を見ると、投資対効果の具体的な提示や、社内に人材がいない、どう進めればよいのか分からないなど、総じてアプローチの仕方ということで悩まれているように見受けられます。特に昨年からは新型コロナウイルスの影響で、多くの企業で働き方を強制的に変えなければならなかったと思いますが、例えばオンライン会議ツールなど、ツール単位ではシンプルで即効性があるものが存在します。

しかし、DX推進を永続的に進めていくためにどうすればよいかに関しては、即効性のある特効薬のようなものはなかなかないのではないかと考えております。われわれの話で恐縮ですが、ソフトバンクではそのような中でもこういった形でDX推進を進めている、というところをご紹介できればと思っております。

これは構造改革推進ステップということで、われわれがDX推進を進める大きな3つのステップです。業務棚卸、業務再設計、業務再構築という、いわゆるBPRの手法を用いて進めておりますが、この3つのステップを見ていただくと分かる通り、実は特別なステップは踏んでいないのです。

まずはしっかりと業務の棚卸をして、日常的に行われている業務がどのくらいのボリュームで、どういった課題を持っているのかをしっかり見える化し、その結果をもとに業務を標準的にどう変えていけばよいか、最終的にデジタルツールをどう選択していけばよいかという余地をしっかりと見極めます。そこまでできたら、次はデジタル化の実装を進めるという大きな3ステップになっておりますが、今日は業務棚卸と業務再設計のあたりを中心的にお話しできればと思います。

業務の棚卸という場面において、弊社では業務のボリュームと課題についてのヒアリングを徹底的に進めてまいりました。画面左側の棚卸項目ですが、例えばとある部署で行われている業務にLv.1からLv.4までの段階があった場合、その業務にどの程度の工数をかけているのか、もしくはどの程度のトランザクションが発生しているのかといった定量面の情報をしっかりと浮き彫りにします。

その上で課題を付加して定性的な業務課題をしっかりと紐づけ、その部署で行われている業務の状態を定量と定性の両面で俯瞰視します。俯瞰することにより、現場が抱えているペインポイントがどこにあるのか、どこに大きく業務工数をかけているのか、もしくは重複してやっている業務がどの程度あるかなどが見えるようになってきます。

次に業務再設計です。全部が全部再設計できたらいいのですが、当然時間軸も含めた優先順位があろうかと思いますので、施策を検討していく優先順位を決めます。ここでは、例えば先ほどの業務工数の調査で出てきた業務量と、現場が抱えている課題感の多い少ないという2軸で優先領域を特定します。

もしくは削減可能だと見込まれる工数と、実現容易性の2軸で優先領域を選定するなど、軸の切り方はいくつかありますので、一つの軸だけではなく、複数の軸から、どこに優先的に着手すべきかを決めていくのがよいと考えております。当然それぞれに良し悪しがありますので、その企業の中でどのような方向性に持っていきたいのかをポイントにするとよいのではないでしょうか。

ここまで来たらあとは業務を再設計して再構築するという流れになってきます。ソフトバンクの中で進めてきた施策は複数ありますが、以下3つの施策に関しては非常に効果があったと考えております。

1つは、業務の断捨離です。断捨離というと言葉がよくないかもしれませんが、先ほど申し上げたように重複している業務がある場合、工程を一つ排除したり、重複している部署があれば統合したり、その業務自体をやめたりして、過剰なレベルで提供していたものに関して再度見直しをかけてあげるということです。こういった断捨離という側面で業務量の低減、効率化が図れるかと思います。

2点目に、作業自動化・横展開と書かせていただきました。いろいろと見ていくと、各部門ごとにRPAなどを使って自動化をしていることが確認できるかと思います。ただ、それが隣の部門に展開されて全社的に浸透しているかというと、なかなかそういう状態にはなっていないのではないかと思います。

例えばショップのレポーティング業務や営業マンのレポーティング業務など、共通で行っている業務に関しては、ほかの部署に横展開することにより、さらに効果が大きくなることが大いに考えられますので、いかに共通的な業務を見つけ、横展開していくかが重要になると思います。

3点目はデジタルによる業務再構築ということで、適したデジタルツールやプロセスを再定義していく段階ですが、まずは業務の断捨離や横展開などにより、従来の業務プロセス自体を変えた上でデジタル化に進まなければ効果が最大化できません。デジタル技術によって省力化、効率化を果たしていく必要はありますが、こういった大きな3ステップで施策の検討をしていくと、費用対効果などのお悩みも解消できるのではないかと考えております。

少し宣伝じみた話になってしまいますが、ソフトバンクでは、こうした社内実践による業務改革の経験と、AIやRPA、IoTなどを含めた最新のテクノロジーをもとにして、お客様にサービスのご提案やご提供をさせていただいております。DX推進におけるお悩みをお持ちのお客様は、本ウェビナー視聴後などにお声がけいただければと思います。

藤澤: 業務の棚卸や業務の再設計に時間をかけようと思うと、意外に時間が長くかかってしまい、なかなか次のステップに進めないというお客様の声をお聞きします。御社で棚卸や業務再設計をサポートされる際には、大体どれくらいの時間をかけていらっしゃいますか。

後藤: 部署の人数などによって変わってはきますが、われわれがサポートする際、業務の棚卸に関してはおおよそ2カ月ほどでやり切りました。その後優先度の選定などを経た上で、早いもの、シンプルなものであれば1カ月以内に再設計し、再構築していくという流れになります。おそらく棚卸の部分に最も時間がかかるだろうと考えておりますので、いかにスピーディーに、社内で協力を得ながら進めていけるかが重要かと思います。

藤澤: しっかりと2カ月かけて棚卸をして再設計することで、逆にその後のデジタル化がスムーズになるというイメージでしょうか。

後藤: そうですね。それから、全社的、部門的に業務の棚卸を定期で行っている会社はそれほど多くないと思います。実は棚卸をすることで、その会社の中でどのような業務が行われているかがはっきりと見えるようになるため、ある意味それだけでも価値があったのではないかと思います。

DX推進のためのIoTソリューション・事例紹介

藤澤: それでは次に弓削さん、よろしくお願いします。

弓削: はい。それでは私からお話しさせていただきます。設問9「ソフトバンク講演で聞きたいコンテンツ内容」「ニューノーマルにおけるデジタライゼーションの導入」と「お客さまのDX推進のために提供できるサービス・支援」についてです。

私はIoTのソリューションを担当しております。先ほど後藤がデジタルツールという言い方をしましたが、それをIoTというサービスとしてご提供しているものがありますので、こういったソリューションがある、こういった形でお客様の課題を解決するツールがある、という例をいくつかをご紹介させていただきたいと思います。

最初にJCV AI温度検知ソリューション「 SenseThunder」というものをご紹介します。昨今のコロナ拡大において、さまざまな場所で検温が行われているかと思いますが、私どもの方でもこのような検温サービスを展開させていただいています。

実はこのSenseThunderは単なる検温サービスではなく、顔認証という技術をベースに、赤外線サーモグラフィーのカメラを使って高精度に温度を測るものであり、マスクをした状態でも温度が測れるところが特徴です。実際にこのデバイスを利用したことのある方もいらっしゃるかと思いますが、この端末の出荷台数はおかげさまで現在、検温ソリューション中1位となっております。

先ほど話のあった課題や、データドリブンでどのようにお客様の業務を改善していくかということにおいて、モノ売りではなくコト売りに注力するということで、実はここのチャートの右側が今大変重要なファクターになっております。

このSenseThunderもSaaS版というソフトウェア型で、クラウド管理できるバージョンをリリースさせていただき、顔認証を中心に勤怠管理やスマートロックなどを行うことができます。データベース化した個人の情報をもとに医療カルテの連携や属性分析、ワークフロー、労務管理という形でデバイスとシステムを拡張し、お客様の課題にミートさせています。

私どもは最近新社屋に引っ越したのですが、全てのゲートにSenseThunderが置いてあり、各部屋に入るときも顔認証をするようになっておりますが、単純に入場するだけではなく、勤怠管理などのログが全てわれわれのワークフローに連携しています。これがJCV AI温度検知ソリューション SenseThunderというサービスです。こういった自社での使用例を外に向けてお客様にご提供していっています。

続きまして、複合型可視化ソリューション、「スマートAIカメラ」というサービスです。先ほど木下からも事例の中で連携しているという話がありましたが、スマートAIカメラというサービスは、クラウド防犯カメラがベースのIP66という環境性能を持ったカメラで、屋内・屋外利用かつ暗視カメラとしても活用ができる、クラウドカメラの機能を持っています。AIというキーワードが入っている通り、単なる防犯カメラではなく、このカメラの中にAIのエッジ処理ができる機能を組み込み、複合的にお客様の課題を解決するというソリューションになっております。

小売店さんなどにおいては、アナログカメラからIPカメラ、そして今やクラウドでその映像を管理しながら防犯をしていくツールが増えてきています。先ほど申し上げたように、このカメラは単なる防犯カメラではなく、POSの売上と連動して、その売上のときにどんなことが起こったかをログとして管理したり、ドアロックをしたり、温度センサーや人感センサーなどのセンサーと連動してスマホで可視化することができます。

もう一つ面白いところは、センサーを管理するプラットフォーム上に簡単なコンテンツマネジメントシステムがあり、サイネージと連動します。カメラを中心にさまざまなデバイスと連動しながら、現場のものを可視化していくというサービスを提供させていただいております。

チェーン展開されているような飲食店、小売店さんなどには今や必ず防犯カメラが入っています。これらを防犯カメラ以外で活用したいというニーズには非常に多くの課題がありますが、われわれのこのスマートAIカメラでは、映像をクラウドで管理するため、スマホでもパソコンでもリアルタイムにライブ映像を見ることができますし、センサーやPOSと連動したログを管理者に通知し、何が起こったのかがその場で分かるようにもできます。

お店で業務を行っている企業様においては、例えば夜中にお店が閉まっているような状況で扉が開いたり、何かのセンサーが反応したりということがリアルタイムで通知されるので、もしかしたら泥棒が入っているかもしれないという気づきがあり、映像と連動して防犯のアクションを起こすことができます。デジタルツールとしての活用の仕方という点ではお勧めをしている業種です。

導入事例について先ほど木下から、医療業界で顔認証をして入退室するという話がありましたが、それと同様のものもあります。これはあるコールセンターの企業様に導入されているものですが、入場するときはJCV SenseThunderで顔認証をして入り、勤怠管理と連動します。執務エリアに入ると、今現在コールセンターの中で何人が稼働しているかをカメラのAI部分でカウントし、稼働率を可視化しますので、コストを下げて業務効率を図っていくためのツールとして併せて導入いただいている事例です。

もう一つの事例としては、無人店舗における防犯があります。昨今セルフ型のPOSシステムや無人店舗など、いろいろと事例が出てきていますが、冒頭に申し上げた通り、防犯というキーワードは結構重要です。無人店舗のPOSとAIカメラのデータが連動し、無人店舗におけるスマートな運用体制が実現できています。したがって、先ほどのJCV SenseThunderもそうですが、単純にカメラを入れるのではなく、複合的にお客様の課題を解決するツールとして普及している状況です。

続きまして、これも映像系のソリューションですが、LED蛍光灯を取り替えるだけで防犯カメラが簡単に導入できるSecuLightというサービスを展開しております。特徴的なのは、蛍光灯にカメラがついていて、これを取り替えるだけで防犯カメラの映像が遠隔で見られる仕組みになっているところです。LEDの工事が行われていることが前提ではありますが、先ほどのスマートAIカメラと同様に、防犯、安心安全をキーワードにサービスを展開しております。

このSecuLightも防犯カメラの本体、中に入っているソフトバンクのモバイル通信回線、そしてそれをお客様に見ていただくためのクラウドの環境、お客様のウェブアプリケーションという全てをトータルでご提供させていただき、運用保守もしているサービスです。

導入事例のところに東京電鉄様とあるように、沿線にお住まいの方は既にご覧になっているかもしれませんが、実は東急電鉄の車両にSecuLightを5,000本ほど納品させていただいており、車両運行における防犯機能の強化やIoTの技術を用いた安全運行を実現しています。

カチャッとはめ込むだけで、防犯用としてご利用いただけて、工事不要という点がお客様に大変響いております。個人情報保護法などに触らないかというご心配もあるとは思いますが、最近は電車車両において防犯カメラが導入されている事例は大変多くあり、防犯カメラ作動中という表示がカメラの近くにあります。もし見かける機会があれば、こういった使い方をしていることをご確認いただけますと大変ありがたいです。

この事例は電車車両ではありますが、蛍光灯は病院や工場、学校など、いろいろな業種業態で使われています。LEDの工事が進んでいくとともに、デジタライゼーション、デジタルツールをどのように導入しながら安心安全を作っていくのかは課題となっており、非常に引き合いも多いので、このようなものもあるのかということを、ぜひご理解いただけますと幸いです。

次の事例はこれまでと少し毛色が変わってきます。これも映像系のソリューションですが、SoraSolutionというドローンのソリューションを展開させていただいております。

テレビ番組などさまざまな場面で、ドローンを用いて上から遠隔で撮られた映像を目にする機会があると思いますが、実はドローンは点検や測量、外における工事現場などの労働の代替などにも使用されています。人が動いて行う点検業務には非常に工数がかかっていましたが、ドローンを用いることで業務の効率化が大変期待されています。

SoraSolutionのご利用イメージですが、ドローンにルートを設定すると自動航行し、映像を撮ってきます。そしてその映像をクラウドにアップロードし、確認レポートで判断していくことがベースのソリューションになっており、全てパッケージとして出させていただいている状況です。

実は自動航行のサービスは以前から行っており、SoraSolutionは第2期フェーズに入ろうとしています。双葉電子工業様に開発をお任せし、メイドインジャパンのドローンを作ろうということで今取り組んでいます。右側にichimillと書かれていますが、これは5Gも利用しながら、準天頂衛星みちびきとソフトバンクの基地局からの補正データを使った高精度測位のソリューションです。数センチ単位の誤差で物の位置を測位できる仕組みをドローンに組み込み、SoraSolutionとして差別化していくことを目論んでいます。

これはぜひ期待していただきたいのですが、自動航行してレポートを作っていたことから、さらにお客様の点検業務に踏み込むため、撮ってきた点検映像をAIで分析できるツールを2021年3月にリリースしようとしています。またそれを管理するための管理プラットフォームとお客様のUIもご用意させていただきますし、先ほども申し上げた高精度測位との連携、あとはオルソ画像とも言いますが、3Dマッピングもします。そういった映像をレポート化していくところまでを一気通貫で実装していくということで、もう間もなくリリースいたします。こういった分野においても、もし業務で気づきがあればぜひお声がけいただければと思っております。

冒頭にも申し上げた通り、ドローンにはさまざまな利用現場のニーズがあります。われわれも基地局の点検などはドローンで行っておりますが、電線や電気通信工事業、建設工事業、製造業、農林業、サービス業、自治体というように、サービスがご利用いただける場面はいろいろあり、さまざまな引き合いをいただいている状況です。

最後にご紹介するのは、e-kakashiという農業IoTのソリューションです。こんなこともやっているということを、本日は知っていただきたいと思っています。

ゲートウェイ(親機)とセンサーノード(子機)というものを使い、畑の土壌における二酸化炭素や水温などのデータを取るソリューションです。

これは設置のイメージですが、現在この農場がどのような状況になっているかを可視化してデータ化し、肥料をまくなどの次なるアクションを最適なタイミングで起こし、最良な野菜を栽培していくということを、デジタル化して解決しているソリューションとなっています。

先ほども申し上げましたが、データを収集して分析し、それらを栽培ナビゲーション「ekレシピ」などを使用してアクションに移していきます。全国約500カ所に設置されており、さらには日本地図の少し左上の方にコロンビアとあるように、実は海外にも展開されております。この技術を世界に発信していこうという動きがあり、さまざまなデータがわれわれのところに集まってきています。

農業は栽培するものによって特性が違いますが、このノウハウを平準化し、一番おいしいものを作っていく、ということをやらなければいけません。補足ではありますが、このソリューションに携わっているキーパーソンの2名は農業博士号と、農家さんにアドバイスができる資格を持っています。本気で取り組んでおり、結構面白いソリューションとなっています。

福岡県宗像市でのイチゴの栽培に、このe-kakashiを活用いただいています。ここでデータをどう活用したかというと、おいしい甘いイチゴを作られる熟練の農家さんと、これから農業をやっていこうという若手の農家さんのデータを比較しながら、温度などの環境データに基づいて、例えば肥料を与えたり、ミツバチを飛ばしたりするタイミングを測り、そのデータを平準化させて若手の農家さんにノウハウとして提供しています。

そうすることで、宗像市で栽培しているイチゴは甘くておいしいものに育つという実例が既に出てきている状況です。単純にツールを提供するのではなく、そこにおける課題をどう融合していくかというところを、導入するお客様と会話をしながら進めているソリューションでございます。

最後に、冒頭に木下からも説明があったチャートですが、お客様の課題をしっかり理解するという業務のデジタル化、そして業務自動化、データ統合、プロセスの自律化とあります。木下、後藤も全てこれらにつながる話をしておりましたが、IoTのソリューションにおいてもまさにここが連動していきます。

モノ売りではなくコト売りにすることがわれわれの現状の課題であり、ツール一辺倒で販売をするのではなく、まずはお客様の課題をしっかり理解して抽出し、再設計するためにはIoTやRPAなど、どのようなツールを用いればよいかをフィッティングし、データの再設計をしていきます。

それらができると、企業様側に自律化の意識が芽生え、「では次はこうしてみよう」、「こんなツールはないのだろうか」という議論や課題を改めて頂戴できるような関係が作れるのではないかと考えており、われわれは徹底的にこのプロセスに基づいて融合していっているという状況です。

まとめ

藤澤: ソフトバンク様は、業務を棚卸しして可視化するところから、デジタルなソリューションに落とし込むところまで、非常に幅広いサービスを提供されているということで、非常に勉強になりました。ありがとうございます。

では、最後に本日ご登壇いただいたお三方から、これからDXを推進される企業のご担当者様に一言ずつメッセージを頂ければと思います。それでは木下さん、よろしくお願いします。

木下: はい。最後に弓削からIoTのいろいろなプロダクトをご紹介させていただきましたが、IoT以外にもRPAやAI、また、AGVなどのロボットについても弊社はソリューションを取り揃えております。

ソフトバンクについては、携帯電話や音声、データ通信のイメージが強いお客様が多数いらっしゃると思いますが、それだけではなく、こういったいわゆるデジタル化を支援していくようなソリューションを数多く揃えています。その個々のプロダクトを単純にお客様に提供して「使ってください」というのではなく、お客様の課題に応じた対策として必要なツールを選定し、それを組み合わせて提供することで、お客様の課題を解決し、さらに新しい価値を創造するところを、お客様と伴走して作り上げていければと考えております。この点をご理解いただいた上で、もしご相談があればぜひお声がけいただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

藤澤: ありがとうございます。では次に後藤さん、お願いします。

後藤: はい。現在、多くの法人企業様や自治体様などが、業務の改革やDXの推進を検討されている、進められている状況にあるかと思います。それと同じく、われわれも業務改革は現在進行形で進めている段階ですし、これを今後いかに定着させていくかが課題になってくると考えております。同じくそういった改革を進めている立ち位置ですので、今後もしDX推進に関するお悩みなどがあれば、ソフトバンクの中の事例のお話などもさせていただきながら、例えばどういった形でのご支援が可能かといったご相談もさせていただければと思っておりますので、ぜひお声がけください。

藤澤: ありがとうございます。弓削さん、お願いします。

弓削: 本日はありがとうございました。ソフトバンクの行っているIoTサービスについて、ご認識いただけたかと思っています。インダストリーカットでいうとさまざまな切り口があり、一貫したソリューションに見えなかったかもしれませんが、冒頭から最後まで申し上げた通り、それらのツールを使ってお客様の課題をどう解決していくかという、お客様の課題を解決するための入口としてのツールになります。

木下、後藤が申し上げた通り、ここに関しては一貫したわれわれの取り組みがございますので、単体ではなく、それらを融合してお客様の業務を効率化していくために、社内外の事例も含めてお話しできることはたくさんございますし、われわれは可能な限り全てお伝えしていきますので、「こういうことをやっていきたい」という気づきがあれば、いつでもお声がけいただければと思います。

藤澤: ありがとうございます。本日はソフトバンク様からDX推進の進め方について実践的なアドバイスをいただきました。DX推進にお悩みのお客様がいらっしゃいましたら、ぜひソフトバンク様にお問い合わせいただければと思います。お三方、本日は本当にありがとうございました。

木下・後藤・弓削: ありがとうございました。

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