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普及期に入ったコンテナ/Kubernetesに立ちふさがる壁とは?

IDC Japanは、国内の企業を対象にKubernetesの導入状況に関する調査結果を発表した。幅広い企業でコンテナやKuberneteの導入が進み、コンテナが普及期に入ったと同社は見ているが、両者の課題も明らかになった。

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 IDC Japanが2021年4月5日、国内企業に対して実施した「コンテナ仮想化技術とコンテナオーケストレーションツールのKubernetesの導入状況に関する調査」の結果を発表した。2021年2月に国内の企業および組織420社に対してアンケートを実施した。

 同調査によれば、コンテナ仮想化技術(以下、コンテナ)を本番環境で採用している企業は、2020年の調査から2.7ポイント上昇し、16.9%だった。導入構築、テスト、検証段階にある企業は20年の調査から4.7ポイント上昇し、23.3%だった。両者を合わせると40.2%の企業がコンテナの導入を進めており、国内はコンテナの本格的な普及期に入ったとIDC Japanはみている。

導入が進むコンテナ、課題は?

 同社によれば、これまではITサービス企業がコンテナの導入を牽引(けんいん)してきたが、サービス業、金融、製造など幅広い業種での導入が進んでいることが分かった。企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める上でアプリケーションのクラウドネイティブ化に取り組んでおり、その基盤としてコンテナ環境の採用が進んでいるという。

 コンテナ環境で使用されているKubernetesツールとしては、コミュニティー版Kubernetesが32.0%で最も高い使用率を示した。IDC Japanによれば、20年調査よりも使用率が低下している。

 一方、「Red Hat OpenShift Container Platform」といったベンダーディスリビューションや「Amazon Elastic Kubernetes Service(EKS)」といったクラウドマネージドサービスは前年と比較して使用率が上がった。ユーザー企業がKubernetesの導入と運用のし易さや導入後のサポートを重視しているためだとIDC Japanは指摘する。

 コンテナおよびKubernetesの導入が進む一方で、課題も残る。導入時に課題になった点として調査では、「セキュリティ対策」(30.2%)、「データ管理/統合」(23.7%)、「モニタリング/パフォーマンス管理」(23.1%)が続いた。


図1 コンテナの導入時における主な課題

 IDC Japanのソフトウェア&セキュリティ グループマネジャーの入谷光浩氏は、企業におけるコンテナおよびKubernetesの導入はついにキャズムを超え、国内も本格的な普及期に突入したとして、「今後、さらに導入プロジェクトの需要が拡大していくことが予想されるが、それに対してエンジニアの供給が追い付かなくなり、プロジェクトに影響が出てしまう企業が増えていくと考えられる。ベンダーとSIerとユーザー企業の双方において、早急にコンテナおよびKubernetesエンジニアの獲得と育成を行っていく必要がある」と述べる。

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