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リモートワーク下でのコミュニケーション

2021年9月13日、RPA BANK はキーマンズネットに移管いたしました。
移管に関する FAQ やお問い合わせは RPA BANKをご利用いただいていた方へのお知らせ をご覧ください。

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RPA BANK

多くの企業がリモートワークを採用し、急速に働き方の変化を迎えた2020年。その中で、「コミュニケーションが取りづらい」「勤怠状況を把握しづらい」など多くの戸惑いの声があることも事実です。コロナ禍以前からリモートワークを導入していた企業や、コミュニケーションツールを提供している企業の方々に、これからの働き方の変容ついて語っていただきました。

■記事内目次

  • 登壇者
  • リモートワーク下でのコミュニケーションの問題とは?
  • リモートワークにおけるマネジメントのあり方はどう変わる?
  • 今後の組織の変容と、理想的な働き方について

登壇者

左から

モデレーター

Peaceful Morning株式会社

代表取締役社長

藤澤 専之介 氏

株式会社SmartHR

代表取締役 CEO

宮田 昇始 氏

株式会社ソニックガーデン

代表取締役社長

倉貫 義人 氏

Chatwork株式会社

代表取締役CEO

山本 正喜 氏


藤澤 専之介 氏(Peaceful Morning株式会社 代表取締役社長): いよいよ始まったなという感じで、これだけ豪華な登壇者の方が揃う機会っていうのもないのかなと思ってますので、私も視聴者の方のような気持ちで、登壇者の方々がリモートワークにどう取り組んでらっしゃるのかというところをズバズバ切り込んでいければと思いますので、よろしくお願いします。

はい。では最初のテーマをお願いいたします。

リモートワーク下でのコミュニケーションの問題とは?

藤澤: ではですね、「これまでの働き方からリモートワークの比率が増えることで起きるコミュニケーションの問題と必要な解決策とは」ということで、まずお三方に1人ずつこのテーマについて教えていただければと思うんですが、宮田さんからお願いできますか。

宮田 昇始 氏(株式会社SmartHR 代表取締役 CEO): はい。まずSmartHRは実はリモートワークにもともとはあまり肯定的ではない会社でして、基本的にはみんな出社して働きましょうということで、これまでやってきました。ところがコロナの影響でなかなか出社が難しくなりまして、2月頃から段階的にリモートワークをやり始めて、3月の中旬頃からもう出社禁止っというふうに切り替えています。

そしていざやってみた感想としては、思っていた以上にやりづらくもならなかったですし、コミュニケーションも問題ないなというのが最初の印象でした。3月中旬から始まり4月、5月、6月ぐらいまでは全然問題がないと思っていたんですけども、この1、2カ月ぐらいちょっと問題が出てきたなと思ってるところがあります。やはり新入社員の方が思っていた以上に会社になじみづらいと思っていらっしゃる方が多かったりとか、あとは自分がちゃんと成果を出せているか不安というような方が増えてきてるないというのを思っています。

その中でも特に心配だなと思ってるのが、帰属意識が持ちづらいみたいな声を新入社員の方たちから、数としては少ないのですが2、3件聞いたことがありまして、これはこれまで聞いたことがなかったんですよね。SmartHRは今300人ぐらいいるんですけど、200名ぐらいが今年のリモートワークの前までにいて、その後100名増えてるような状態です。

3分の1の人は出社前提の会社を知らないという感じで、これが今後どうなっていくのかが不安だなというような感じがあります。

藤澤: ありがとうございます。倉貫さんいかがでしょうか。

倉貫 義人 氏(株式会社ソニックガーデン 代表取締役社長): 一般的にはたぶんリモートワークやるときにいろいろ問題があるとは思うんですけど、僕らの会社は元からリモートワークをしていて、2016年にオフィスを撤廃して、そのときに僕らもやはりオフィスに集まるのがけっこう好きな人たちだしワイワイ仕事するのが好きだったので、オフィスをなくしちゃったときはち少し寂しくなりましたよね、やはり。みなさん経験あると思うんですけど、テレビ会議終わった後に部屋にいるときの寂しさったらない。

藤澤: もうちょっと喋りたい感がありますよね。

倉貫: 何かテレビ会議で喋ってるときはワイワイしてるんだけど、すっと消したときにシーンとしているのは、これがオフィスだとまた横の人と喋ったりっていうのがあるんですけど、その寂しさがやはりありました。でも僕らはもう地方に住んでいる社員がいるし、オフィスもなくちゃったから集まれないので、これは耐えるか我慢するしかないかと思ったんですよね。でもよくよく考えたら僕らはIT企業で、インターネット大好きなので、インターネット上にオフィス作って、そこに集まろうみたいな、みんな集まってゲームするみたいな感じにしたんです。

そんな感じでオンライン上にオフィスを作って、そこでコミュニケーションをするようになったら、全然寂しくなくなって、毎朝そこにみんな集まってひと狩り行くみたいな感じで、仕事に行ってコミュニケーションを取っていくので、今年も新卒社員入ったんですけど、新卒社員も4月からいきなりそのインターネット上のバーチャルオフィスに出社をして仕事をしてます。元からみんな離れてるから、新入社員が入っても寂しくないというか、という感じでやってるのが僕らの状態です。

宮田: 聞いてもいいですか。バーチャルオフィスって何かのツール使われてますか。それか内製のやつとかですかね。

倉貫: そうですね。非常にありがたい宣伝的な質問ですね(笑)

元々は僕ら内製で作ってたんですね。バーチャルオフィスってカテゴリーが最近はちょっと出てきたんですけど、5年前は全然なくて、でも作ろうということで自分たちで作りました。自分たちで使ってみて非常に良いなということだったので、リモートワークをしたいというお客さんにRemottyというサービスを提供しています。

宮田: 後で調べます。はい。

藤澤: 宮田さんの会社の課題を解決するサービスですね、ありがとうございます。山本さんお願いします。

山本 正喜 氏(Chatwork株式会社 代表取締役CEO): はい。SmartHRさんとすごく似ている状況です。当社もChatworkというツールを提供しているからリモートワークに慣れているというか、みんなやってるんだろうと思われがちなんですけど、当社も基本的にはオフィス出社を推奨する会社です。オフィスって会社がお金をかけて働くのに便利な環境を作って、働く人がみんな集まってるから、基本的に生産性が高い場所になってるはずなんですよね。なのでオフィスに出社できる人はなるべく出席してくださいと、出社が難しいような家庭の事情とかもろもろあった場合は、積極的にリモートワークを使いましょうという形で、長年やってきました。

今回コロナ禍において難しかったのが、当社はリモートワークに慣れてるし楽勝だろうと思ってたんですけど、思ったより難しいなっていうところがあってですね、リモートワークと在宅ワークって違うんですよ。今まで当社だったら家でやることももちろんあれば、何かカフェであったり移動中やったりとか、好きな場所で働くという形がリモートワークだったんですよ。

でも今回のコロナ禍においては、在宅を強制されるということでリモートワークではないので、大きく違うっていうのは一つを言っておきたいところではあります。日本の住宅事情は、家で働くようにできてないっていうところがあって、一人暮らしの方であればまだやりやすい部分があるんですが、小さなお子様がいらっしゃる方とか、夫婦で共働きの場合、どっちが部屋を使うんだとか、お互いの声が聞こえて気になるとか、そういうところでそもそも働ける環境がないとか、人によってはもう机すらないから、ベッドの上でやってますみたいな方もいて。それ体壊すからやめてほしい、みたいな。思っていたよりも在宅環境が全然整ってなかったことに衝撃を受けたというか、びっくりしました。

当社はそういう在宅環境支援するための費用や手当のような補助を出したりとか、そこを一生懸命サポートして、そもそも家に働く環境を作るところから始まったというのが最初のスタートとしてはあったかなと思います。

最低限のインフラを整えているところからスタートして、業務的なところとかコミュニケーション的なところでいうと、先ほど宮田さんもおっしゃったように、短期的には別に問題はないかなと思うんですけれども、中長期で言うと本当に新しく入社していただいた方が全く会社に入った気がしないっていう話とか、インナーコミュニケーションがものすごく少なくなっちゃったんですよ。

部署を超えたコミュニケーションというのが、今までだったら会社ですれ違う時のコミュニケーションとか、入社した社員がいたらオフィスを案内しながらご挨拶みたいなものが一切できなくなったことがあります。やろうと思ったらできるんでしょうけど、いちいちビデオ会議を始めたりするというのが億劫になっちゃって、なかなかできなくなっちゃったので、積極的にインナーコミュニケーションを仕掛けていかないと、かなり個々が孤立するなっていうのが見えてきてて、中長期ではまずいなというのが今危機感としてはあります。短期的には問題ないけど中長期では怖くて、早めに手を打たないとなっていうのは、たぶん同じく課題感だと思ってるところですね。

藤澤: なるほど。そのインナーコミュニケーションを取れるような仕掛けを作っていかなきゃいけないっていうところで、何かみなさんの会社で今取り組んでらっしゃることとかありますか。例えば宮田さんの会社だといかがですか。

宮田: そうですね。課題が出てくる前からやっていたんですけども、それでも完全に解消にいたってはないなという感じなんですが、いくつかありまして、例えば歓迎会をZoomでやる費用の負担であったりですとか、あとはシャッフルランチっていうもともとリアルでは4人1チームぐらいでお弁当を配って、毎週水曜日にご飯食べてもらうみたいにしてたんですけど、それをオンラインでやってその手当を出したりですとか、自宅にいながらでもオンラインで偶発的なコミュニケーションが生まれたり、新入社員の方の受け入れがやりやすかったりみたいなのことはやったりしてます。やはりそれでも足りてないとは感じてまして、特に自分の部署の中だけだったらまだなんとかなってるんですけど、仕事で関係ない部署の人たちとのコミュニケーションは、たぶんもう本当に山本さんと似たような感じだと思うんですけど、めちゃくちゃむずいなと思ってますね。

その辺はソリューションがまだないなという感じですね。

山本: このあたり倉貫さん3つも本を出されてますので、完全リモートワーク環境の中での雑談の発生の仕方っていうと何かありますか。

倉貫: ありがとうございます。インナーコミュニケーションで僕らが取り組んでいることとしてけっこう昔からやってることが、リモート始めたばっかりの頃に、僕らも会社にみんな来なくなったんで、まだ人数少なかったんで人集めてやってもよかったんですけど、テレビ会議で人を集めて朝、朝礼するとかもちょっとやりにくいし、わざわざリモートワークなのに朝礼で集めるってのもダサいし、朝礼で喋るっていうのも偉そうな感じだから、やだなと思っていて。でも朝礼みたいな、社長のメッセージみたいなものをみんなに伝えていきたいなと思ってたのですが、人を集めてしゃべるのは偉そうだからだなと思って、1人でボソボソ喋って、それをみんなに配信しようと音声配信を始めたんですよ。

やるならストイックに1年やってみようと思って、毎日営業日、必ず朝5分だけ録音して、みんなのスマホに配信する、聞きたい人は聞いてくださいみたいなのをずっと続けてったら、案外みんなからは身近に感じられるというような感想をもらいました。ラジオってよく聞いてると、パーソナリティの人と仲良くなってる気持ちになる。僕がずっと喋り続けてたら、みんな勝手に親しみを覚えてくれて、これスケールするし、すごい良いなって。

藤澤: どういう内容を配信するんですか。

倉貫: それはもう本当に何でもないことです。例えば今日配信があったら、SmartHR社の宮田さんとChatworkの山本さんとお話してきたよ、みたいな話をしたりだとか、昨日飲みすぎてみたいな話をしたりとかって、なんでもない話もするんですけど。そこが5分だけでずっとやっていくっていうのをやって、それで親しみを覚えてもらうっていう作戦をやったのと、あと最近やり始めたのは、社内YouTubeを始めました。社内で毎週金曜日にお昼の12時から13時、社員の何人かをピックアップして喋ってもらうライトニングトークみたいな感じで喋ってもらったりとか、1人ゲストを呼んでその人のいろいろ考えてることを話してもらうとか、新しく入られた方をそこで紹介するとか、というのをしたらけっこうそこでまた交流が生まれるみたいなことがありますね。

やはり何か雑談生まれるにしても、社内のことを知らないと話のネタがないというか、本当にしょうもない話をしてもいいんだけど、できれば会社の仲間の話とか会社のこととかを雑談で話してほしいなと思って、そのネタ出しとしてラジオとか、YouTubeをやったりしてますね。

山本: それで言うと、この前全社総会をやったんですよ。いつも全社総会ってリアルでやることにこだわって、全拠点集めて半年に1回やってて。今回コロナ禍でどうしようかなと思って、スキップしようかなぐらいなことを思ってたんですけど、やった方がいいだろうと今回完全オンラインでトライをしたんですよね。

オンラインで1日拘束されて、絶対観ないでしょうというのがあったから、企画チームがものすごい気合入れて、テレビ番組みたいにエンターテイメントな感じにして。社内で表彰とかがあるんですけど、オンラインで聞くだけの表彰とか絶対つまんないから、ニュース番組風にして、ニュース番組のキャスターみたいな人を立てて、それで面白おかしく紹介しながら、直接ビデオ会議で受賞者につないで登場してもらって、自分が番組に出演しているみたいな感じの演出をしたりとかですね。いろいろすごい工夫しまくって、ちょっと正直やりすぎたところはありましたが、ただ、めちゃくちゃ評判は良かったです。

「在宅でちょっとストレスが溜まってたところが、すごくすっきりした」とか、「ストレス発散できた」とか、「Chatworkってこういう会社だったんだなって思いました」みたいな意見をもらって、会社のカルチャーを感じてもらえたというのはけっこう面白くて、コロナ禍においての社内の力としては、社内YouTuber力みたいな、そういうのはきっと求められてきて、ただのビデオ会議はみんな慣れて、経営からのメッセージとかってエンターテイメント性みたいな、それがあるとすごいいいですよね。反応がね。

倉貫: その方が僕も前向きだなと思っていて、さっきのラジオもそうなんですけど、面白い話しなかったら聞いてくれないので、ここで普通の発想だったら社員の皆に聞かせるために強制的に聞くチェックリストみたいなものを作るんだけど、それは絶対つまんないから、じゃあどうするかというと健全なのはコンテンツを面白くするっていう。コンテンツが面白ければ社員の人も見てくれる、聞いてくれる、それで社内の人に知ってもらえるっていうふうに、モチベーションが向くのがすごい良い。

山本: オフィスに来てたら、対面であるから聞いてもらうことって簡単なんです。

倉貫: 強制力がある。

山本: オンラインになるととたんに難しくなるところを、それでも引き付けるって、どんどんテレビ化するみたいなことだったり。

倉貫: どうやって次の視聴率高めるか、みたいな。

山本: 毎月全社ミーティングがあるんですけど、もうそれはラジオのコーナーを作ろうと、まさに倉貫さんがおっしゃってたことを、ちょうどやろうとしてます。

倉貫: 面白いですし、前向きな良さがある。強制力が働かないっていう方が逆にとんちが利くというか、知恵を働かせるみたいな感じがするんですよね。

山本: 対面に甘えてたのかもしれないですね。

倉貫: うん。楽でしたから。

藤澤: そのうちYouTuber採用したいみたいなニーズは企業の中でも出てくるのかもしれないですね。

山本: そういうエンタメ力とか発信力のある人っていうのは一定の規模の会社だったら、役立つと思いますよ、盛り上げてくれる人がいて、社員と対談してくれたりとかするといいと思いますけどね。

宮田: 当社はたまたまデザイナーで入社した方が、動画の配信とかが得意なYouTuberみたいな方だったんですよね。毎週の全社会をその人がファシリテーションして、オープニングのBGMから、人に話を振ったり、締めのBGMもちゃんと作ってくれてると配信みたいにできてるので、そういう人がいてくれるとめこういう環境だとすごく心強いなっていうのはよくわかりますね。

倉貫: うちは新卒がやってます。毎週テレビの運営と司会を。今年入社した新卒がやるから、みんなその新卒を知るんですよ。めちゃくちゃ顔を売るチャンスなんですよね。

藤澤: なるほど。いや面白いです。ありがとうございます。次のテーマに移ればと思うんですが。

リモートワークにおけるマネジメントのあり方はどう変わる?

藤澤: はい。ちょっと今の話を受けて次はですね、「リモートワークにおける今度はマネジメントのあり方がどう変わっていくのか、また何が求められるのか」、こういったテーマでお話しいただければと思うんですが、倉貫さんいかがでしょうか。

倉貫: そうですね。リモートワークに限らないと思うんですけど、現在の仕事って非常に属人的というか、誰がやっても同じ仕事ってほとんどなくて、記事を書くでも、プログラム書くでも、デザインするでも、マーケティングするでも、AさんBさんCさんは同じことやってる人全然いないし、昨日今日明日と同じことやってること全然ないので、非常に再現性が低くなってるなと思っていて、再現性の低い創造性を求められる仕事って僕から見ると、働いてるふりがしやすいんですよね。

オフィスにいてもそうだったと思うんですね。「企画を考えてます」って言われたら、ボーッとしてても考えてるって言われたら仕事してるのかなみたいな、パソコンに向かったら仕事してるのかなみたいな。

結局その働いてるふりがしやすいってことは、管理しにくいので、結局どうすれば生産性が出るか、その人が仕事できるのかっていうと、もうその人自身で仕事してもらうしかないんです。僕らは管理職がいないんですけど、管理職なしで部署もなくして50人ぐらいなんですけど、全員セルフマネジメントっていう形で、自分のことは自分で管理しましょうっていう働き方をしています。おそらくこれはリモートワークだからではなく、これからそうしないと、監視しても成果が出ないだろうなと思っているので、セルフマネジメント力ってのは必須になってくるのかなとは思ったりしますね。

藤澤: なるほど。セルフマネジメント力。かなり求められてるなっていうのはやはり家で、誰も見えない環境で働いてると、ひしひしと感じますよね。自分が怠けたら終わるみたいなそういう感じですので、なるほど、ありがとうございます。山本さんいかがですか。

山本: そうですね、倉貫さんのところほどアグレッシブなことはできてない。マネージャーはちゃんといますけど、それで言うとですね、おっしゃる通り管理みたいなのが当然やりにくくなるし、空気で仕事をするというか、みんなが仕事してるから仕事するということはできなくなってきているので、やはりさっきのエンターテイメントみたいな話かもしれないですけど、やりたいと思わせるような、何か演出を一定しないと。すごい細かく日報を書かせるとかでも、それっていくらでもサボれるってのがあるので。

今、コロナ禍の状況があと10年続くのかっていうと。そうではなかったりするので、ある程度自分自身でちゃんと動いてもらう環境に振らないと、そもそもできない環境ではあると思うので、そっち側に寄せるようなマネジメントとしてのアジャストは必要かなと思ってはいます。あとどちらかというとそれは会社としてちゃんとやんなきゃいけないところなんですけど、今のリモートワークというと、働き過ぎとか、孤独感とか、そっち側のマイナスのところの方が、会社としては働かない・サボるよりも、働き過ぎ・孤立する・メンタルがしんどくなるっていう方が、課題視しているところですね。

それで難しいのが、本人自覚してないんですよ。そもそも在宅で働いたことがないので、当たり前と思って働いてたら、朝から晩までずっと自宅にこもって、ふと気づくと夜になってて一歩も外に出ていない日の光も浴びていない、というところからどんどんどんどん体にダメージが来ていることに本人が気づかないっていうのがあって。しんどくなったりとか、コミュニケーションが刺々しくなって、リモートワークのやりにくさもあってちょっとギクシャクしちゃったりっていうことが、特にこの3、4カ月在宅ワークが続いている環境では出てきてますね。

こっちをしっかりとケアするというか、マネージャー側からしっかり気づいてあげて、アラートを上げるとか本人に気づかせるとか、少しプロセスを改善するとか、本人に朝は散歩行くようにしてもらうとか、何かそういうことをやっていかないと、個人のメンタルコンディションやフィジカルコンディションが悪くなる、そこをまずは担保しないと、コロナ禍があと半年続くとするとやばいなというところはあるかなと。

藤澤: なるほど。働きすぎちゃう問題っていうのが発生しやすい。

山本: そう。生活と仕事が垣根がないので、休憩も取らなかったりとか、ふと気づくとオーバーワークしてたりとか。仕事終わって飲みに行こうよっていうのがないので、ずっとやってる。

倉貫: 特に一人暮らしとかね、家庭があると、もう晩御飯があったりとかするので。一人暮らしとかだとずっとやっちゃったりする可能性があるのでそこはけっこうね、ケアしないと。

山本: 在宅ワークってけっこう自己管理力が問われますよね。

倉貫: むしろサボらないようにというよりは、働きすぎないように。面白いからやり過ぎちゃうみたいなところがあったりもするそうです。

藤澤: 宮田さんいかがですか。

宮田: そうですね。うちも同じで、サボりが問題になることはないんですけど、働き過ぎがやはりちょっと出てきたりですとか、あと月に1回社員にサーベイを取ってるんですよね。

そのサーベイの中に「体と心の健康は問題ないです」みたいなやつがあるんですけど、やはり数えるとちょっとダウンしてるんです数字が。働き過ぎや他の要因もあると思うので、ここのケアをもっとしていかなきゃいけないなっていうのがあります。

あとマネジメントの中でいうと、評価が少し難易度が上がってるというのがありまして、問題がない職種と難しくなっている職種があります。マーケとか営業の人とかは数字でわかりやすいですし、エンジニアの場合もスクラム開発とかやってたりするのである程度、目安といいますか、評価の結びつきがある意味わかりやすい。

一方でそれに当てはまらない、特に企画系の職種の人とかだとやはり働きっぷりが見えなかったりするので、このあたりお互いの期待値のコントロールみたいなのがすごく難しくなってるというか、難易度が上がってるなと感じるところですかね。

藤澤: 確かに評価の問題は、すごく聞いててなるほどなというふうに思ったんですけど、山本さんや倉貫さんの会社では、どうやって評価をされてらっしゃるんですか。

倉貫: そうですね。これ言うとドン引きされるのであんまり言わないですけど、管理職がいないと言った通りで、評価ないんですよね。やれるのかなどうかなって10年やってみたら、10年ぐらいはやれたので。

藤澤: 給料はどうするんでしょうか。業績に応じてですか。

倉貫: いや、基本はベテラン社員があってそこが一律ですね、新入社員からは年功序列です。年功序列なんだけど、評価なく上がっていきますので一番上まで行ったら終わり。

藤澤: へー!一周回って年功序列なんですね。

倉貫: 年功序列なので、逆に絶対成長するだろうということなので、成長しないと、もういられないというだけなんですね。だから、グロースするかアウトするかみたいな感じの会社なので、ある意味厳しいっちゃ厳しいんですけど。

山本: 評価は無いにしても、フィードバックはないんですか?

倉貫: あります。フィードバックだけしっかりして、それぞれの人に合わせてどれだけ成長できるのかというところに関しては1on1をすごいしっかりやっていて、内発的動機付けというか、自分で頑張りたいみたいなところを見つけるために、会社がこれしてくださいではなく、本人が何をしたいのかを3カ月に1回ぐらい聞いて、「実はこういう仕事をしたい」とか「デザインの仕事をしたい」とか言い出したら「これやってみようか」って、そのやりたい仕事をなるべくマッチングしていくと、管理しなくても、やりたい仕事だからやるよねっていう感じでやってる。

藤澤: 面白いですね。そうですね、マズローの欲求5段階説というところでもう金銭的な欲求みたいなものを超えてて、自己実現のところになってるんですね。

倉貫: そうですね。ベーシックインカムみたいにして、社会性欲求みたいなところは、さっきのバーチャルオフィスで普段つながったりとかしてというふうにすると、残ってるのは自己実現みたいなところになると良いのかなというふうに考えてやってますね。

藤澤: 山本さんの会社では評価はどうされてますか。

山本: 今回のテーマからはずれちゃうんですが、評価は大好きなので割といろいろやるんですけれども、けっこう昔よく評価制度ずっと作ってたんですよ、CTOだったんですけど、もういろいろやったんです。いろんな能力評価とか行動評価とか各種もう定番のやつは全部やって、一周回ってすごい評価って意味ないなって思い出してきて。

結局全社で共通評価みたいな感じでやったんですけど、やはり営業部の評価とエンジニア評価、バックオフィスの評価っていうのが一緒なわけないじゃんって思ったりして、それからどんどん部署が増えてきて、ファンクションも増えてきたときに、これは統一的なロジックで評価にするのはもう無理だって思っていて、その評価自体が合理性がないというか、適性がないのにそれに対して給料が下がったり上がったりしたとしても、コミュニケーションできないなと思って。

今期からコロナと関係なく、実験的に評価制度はもうマネージャーに任せるという感じで振り切ったんですよね。マネージャーに各部ごとに自分の思う評価制度を作ってくれというところで、一定フレームを用意するんですけどMBOみたいなやつとかOKRとか能力評価とか、一般的なフレームワークは用意して、どれを使ってもいいよ、カスタムしてもいいよ、というところでしてます。

マネージャーってやはりメンバーのことわかってるはずなんですよね。5、6人ぐらいのチームごとに分離しているので、マネージャーとかメンバーはお互いの努力がわかるはずで、さぼってるかどうかも絶対わかってるんですよね。基本的にマネージャーの評価というのが正しいし、実際給与のコミュニケーションをマネージャーがするので、マネージャーに基本任せるというフレームで、各部ごとに評価をずらして、あと上位の給与の甘辛の調整というところを本部でするんですけれども、詳細は省きますけれども、基本評価は部ごとに違うというスタイルで1回今回やってみたんですけど、大きな問題はなかったですね。もうちょっと踏み込んでやっていこうかなと思ってるんですけども、けっこう良かったですね。今回のリモートワークみたいなところにも対応はしやすかったですね。

旧来の評価体系をそのまま持ってきたら、けっこうしんどかったかもしれないですけど、それはそれで良かったかなっていうのが今のところです。

宮田: 評価が良かったかどうかのチェックにそのメンバーからの自己評価と、最終的にマネージャーがつけた評価がどれぐらいずれたかっていうのやってるんですよね。2段階以上お互いの期待がずれてると、それはサプライズ評価で悪い評価であるみたいな形で、なぜそれが起こったのかというチェックをやってます。

今のところリモートになったからというのはそんなにないんですけど、今後やはりちょっと不安だなと思ってることがありまして、みなさんにどう思われるか聞きたいんですけど、短期で成果がわかりやすい人はわかりやすいんですよね、職種によっては長期で見ないとわかんないみたいな人もいると思うんですよ、それこそ今やってる仕事が2年後のアクションですみたいなの人とかの評価というのは、リモート関係ないですけど、どうですか。

山本: グレードによるかもしれないですよね。会社によっては短期で評価すべき人はもう本当クォーターとか半期とかで評価をして、ある程度長期にコミットする人は年で評価して年俸制みたいになっていくという評価をやってる会社さんもあって、たぶん一定長期で見ないといけないので中間評価という査定をするっていう考え方になってくると思います。

倉貫: エンジニアが特にそうなんですよね。元々僕もエンジニアで、山本さんもエンジニアだからわかると思うんですけど、いいプログラムを書いたときに、そのいいプログラムが本当に良かったかどうかって、2年後ぐらいにわかるというか。

山本: 難しいのは、いいプログラムを書くことと。いい業績が出ることって必ずリンクした形で出ない。それはそれでどこを見るかというと、結果責任を持つのか、遂行責任を持つのかというところはあったりすると思いますけど。

エンジニアはなるべく遂行責任の方が良いかなと思います。どっちかというと事業責任者とかPMとかの方が結果責任を負うという評価体制にする。いいコード書けてるかっていうと、エンジニア同士でしかわからない。

倉貫: だからといってそこで評価してしまうと変になってしまう。

山本: やはりGoogleとかもそうですけども、相互評価をさせるというのがあったりしますけど、それはやはり客観性を担保するっていう仕組みかなと思います。

藤澤: ありがとうございます。非常にリモートワークの話から評価の話と多岐に渡って話が広がっていて、非常に面白いんですが、三つ目のテーマに移らさせていただければと思います。

今後の組織の変容と、理想的な働き方について

藤澤: 三つ目のテーマは「リモートワーク下で未来の組織はどう変わっていくのか、またこれからの理想的な働き方について」このテーマについてお話しいただければと思うんですが、山本さんからお願いします。

山本: そうですね。これ考え方によると思うんですけれども、アフターコロナの世界がガラッと変わってニューノーマルだっていうのは僕はけっこう懐疑的というかそうならないだろうと思っている人で、なぜかというとこのコロナというのは、1、2年の話で一定収束するだろうと言われていて、ワクチンが出来ると言われています。

非常に特殊な状況下なので、この状況に最適化しすぎるというのは危険だし、この後それがベストな選択肢なのかと考えると変わると思うんですよ。もしコロナが終わった後に、このリモートワークをやり続けてる会社がどれぐらいかっていうと、かなり減ってくるかなと思ってるんです。急速に元に戻るだろうと思ってるので、あまりこの環境に最適化しすぎた理想のワークスタイルを今やる、投資しすぎるというのはけっこう危険かなと思ってます。

一定の1、2年の間しっかりとアジャストするという考え方でやるのがいいと思っていて、僕はオフィスがなくなると思ってないし、たぶんまたコロナ禍が終わって普通に出社できる状況になったら出社をなるべく推奨するような会社に戻るとは思ってます。

環境として大きく変わってくるのは、社会が対応してくると思うんですよね。今回ってものすごい経済ダメージがあったじゃないですか。これから先新型コロナが変異して毎年襲ってくる可能性はゼロではないところがあるので、たぶんそこは社会というか政治がある程度一定のリスクヘッジをしてくると思ってるので、具体的にはリモートワークに対しても、こういう状況に対して経済ダメージを出さないような環境投資というところをしていくと思います。

例えば先ほどの在宅勤務をしにくいというところは、在宅勤務ができる住環境の整備であったり、就業規則の話かもしれないし、あと判子とかデジタルの話もありますけど、今すごい負が高かった規則制度っていうのは、かなり見直しを進めて変わってくると思うんですね。

その根本的な制度とか、インフラ面のところが変わると、そこに合わせた働き方の変化っていうのは中長期でマクロで起こってくるだろうなと思ってるんで、今よりも、コロナ前よりもリモートワークは圧倒的にしやすくなる。

在宅ワークも中長期ではしやすくなるんですけれども、コロナが収束したときにそれが最適かというのはわからないので、そこも踏まえて見極めておかないとけっこう今コロナの言説でよく僕が気になってるのは、もう世界が変わったからこっちに行くんだって、そうはならないんじゃないかなと思ってるんです。

アジャストしながらも中長期を見ていくっていう、理想的な働き方に対して会社をその方向に進めていくということが考え方として大事なのかなと思いながら、社会の様子を見てます。

藤澤: ありがとうございます。宮田さんはいかがですか。

宮田: はい。ちょっと今日ずっと悩んでるキャラなんですけど、ソニックガーデンさんみたいな、例外のような会社はあるんですけど、やはり出社している会社の方が成果は出やすいなとは思ってまして、Googleとかもそうやってるんで、おそらく正しかろうと思っています。

一方で世の中的にはやはりリモートワークが前提になってきているといいますか、働いてる人はそっちに慣れちゃってると思うんですよね。私も一度リモートワークやってしまうとめちゃくちゃ楽だしいいなと思って、出社するモチベーションが正直少し下がったりしてるんですよね。

その中で、そのリモートワークに対応している会社の方が、今後採用でどんどん強くなっていくと思うんです。その会社は今採用してる人たちの生産性を高めるという観点と、新しく採用しなきゃいけないというところで、うまいバランスを取りながら今後やっていかなきゃいけないので、理想のバランスなんだろうっていうのは、まだわかってないなと思ってます。

どちらかが得をし過ぎるのはやはりよくないなと思ってまして、誰かが得をし過ぎる仕組みってうまくいかなくなるんですよね。会社も嬉しいし、従業員さんも嬉しいし、お客さんも嬉しいみたいなこの3人ともがちょうどいいみたいなバランスを見つけていくのが、今後難しいなと思ってるとこですかね。

コロナが収まるまでの1年半から2年間ぐらいのことで言いますと、リモートに倒すか、もしくはサイバーエージェントさんとかみたいに出社するみたいな、どっちかかなと思ってまして、でも出社すると生産性が高く働けるみたいな、メリットを取れると思うんですよね。リモートに倒すと、これまで採用できなかった、例えば沖縄に住んでいる凄腕エンジニアみたいな方にもアプローチできるかもしれない、今うちの会社は少し中途半端といいますか、悩んでるんですよね。

今後どっちに行くかわからないというのがあって、無責任に採用することもできないので、今どっちのメリットも享受できてない状態なんですけど、今後どうしていくかを見据えながら、何が正解かわからない状況の中でもどちらかに少しずつ倒していかなきゃいけないなとは思っています。はい。悩んでます。

藤澤: 率直にありがとうございます。

山本: 採用の観点で言うと、間違いなく動くと思いますね。特にIT業界じゃないところでものすごい変化があって、「満員電車って何だったんだろう」って思った人がいるはず。スーツ着て満員電車でやってた感じと今在宅ワークでジャージ着てやってる感じで、サボってる人はあれなんですけど、サボってない人にとって「俺の仕事の成果って下がってないよね」って実感があるはずなんですよ。

なのに、コロナが終わったら出社を強制されて、「これって誰のためにもなってないじゃない」ってなったときに、「このままでいいのかな」「この会社でいいのかな」って思うようになるので、そうなってくると人材が流動するでしょうね。

大移動が起きてきて、リモートワークに対応できない会社は採用力が下がったりとか離職が上がったりとかそういうところで、人材獲得の競争は増えそうですよね。

藤澤: 倉貫さんはいかがですか。

倉貫: そうですね、例外ポジションで出演させてもらっていて、でもとはいえ僕らは別に今回コロナでリモートワーク始めたわけでは全然ないんですよね。

最初にお話した通り、もう2016年にはオフィスがなくなっていて、創業当時から社員第1号は在宅勤務だったりとかで、なぜリモートワークしてきたのかというと、社員がその方が働きやすい、生産性が上がるっていうから、そうしてきただけなんですよね。社員募集したときに、兵庫県の方が入りたいって言っていただいて、でも「絶対東京には来たくない」って言って、「在宅勤務しかないじゃないか」って在宅勤務を始めたりとか。

「地方に移住したい」っていう人ができて「在宅勤務やろうか」というので、社員がどうすれば自分のパフォーマンスを最大限に発揮できるのかっていうところを追求してきた結果、今の形になってるだけで、リモートワークから入ってないんですよね。

なので、やはり生産性だとか事業のパフォーマンスを上げるためにはどうすればいいかというところを追求すれば良いだけであって、その現在の状況がどうとかは、それはもうそのときそのときで、フィットさせていくしかないことなので、あまりこれだって決め切ってやらない方が逆に良いのかなとか思ってる。

事業のパフォーマンスだけに集中して、いろんなあり方とか、働き方は見直していくことさえできたら、逆に言うとそれができるような柔軟性は組織には持たせておきたいなとは思うんです。

何か1本これって決めちゃって、今回のコロナも1年前こんなことになってるって誰も思ってなかったので、もしかしたら1年後また違う何かが出てきたりとか、地球の環境がどうとか、また何か出てきてから変わるみたいなことがあったりするし、逆にテクノロジーがめちゃくちゃ進んで、どこでもドアができて、もう普通にどこかで集まって仕事できるみたいなことになるかもしれないから、あんまり僕は未来のことを決めきらないタイプですね。

ただ変わることが明らかにわかってるのは、コロナがどうとか、リモートワークがどうとかでは変わらないんだけど、仕事の種類とか事業の種類っていうのは大分変わるんだろうなと思っていて、これはもう昔からレコードがCDになってMDなってみたいなもので、業界がどんどん変わってきている。

その技術だとか文明が変わっていくことで、新しいビジネスが出てきて、それこそSmartHRさんとか人事領域でクラウドでやるって、10年前なかったところで今できてるみたいなことがあったりして、いろんな事業が変わってきたときに、その事業に応じてそのパフォーマンスが出る働き方があるというふうになってくると、在宅ワークというのは選択肢にはきっと入ってくるだろう。

昔パソコンがオフィスに導入されたときも、こういう議論をみなさんしてた気もしていて「パソコンで仕事するなんてお前、仕事してるかどうかわかんないじゃないか」って言ってた方がたぶん、今はいないと思うんですよね。

僕が入社した社会人1年のときにメールを送ったら「お前お客さんメールを送ったらその後電話しろ」ってのはなぜか言われたのが意味がわからなくて、でもそれをしなきゃいけなかったんですよね。

でも今もそんなことないですよねっていうふうに、道具とか手段なので、それはおいおい変わっても良いのかなとは考えてますね。

藤澤: たしかに環境の変化によって事業を変化させていくっていうところで事業を変化させたら、それに従事する従業員の働き方もそこに最適化して、変化する可能性はあるという形なんですかね。

倉貫: そうですね。逆に働き方から入って、その事業が全然リモートワークに適してないのに、リモートワークやりましょうとかっていう方がうまく合わないので、結局それでパフォーマンスが出ないなら意味ないですよね。

山本: うん。リモートワークってやはり手段なので、コロナみたいな問題が起きてるからその手段としてリモートワークを使うっていうそういう考え方でやってれば、状況変わればまた課題が変わるので、手段も変わると思いますね。

藤澤: なるほど。従業員の立場として、今後の未来というか、働き方が変わっていってると思うので、どういうスキルを磨いていったら良いとか、こういうスキルがある人を採用したいとか、そういう観点で言うと宮田さんとかはいかがですか。

宮田: ちょっと今考えているので一旦パスでお願いします。

山本: スキルはリモートワーク自体のスキルとか、ITツールの使いこなしスキルが必要なんでしょうとか、リモートワーク適性がみたいのはあると思うんですけど、それってあんまり本質的じゃない。

どっちかっていうと、さっき倉貫さんが言ったことが本当に本質を突いてるんですけど、働くふりができなくなっていく時代になってくるのは間違いないんですよ。本質的に仕事がパフォーマンスにつながるっていうことをやってれば、どんな時代にも対応できるのでそれが、可視化されやすくなったというか、働くふりとか出社してればいいと良しとされていた時代がなくなってきて、結局やってる仕事って誰に対して何の価値を提供して、その結果自分がお給料もらえてるんだということを自覚して働くっていうことを、会社の構造を理解してやってる人しか生き残れないと思ってる。スキルと言うと難しいかもしれないですけど、基本的には誰かに価値提供する仕事を常に意識するっていうことが必要な時代になってきてるような気はします。

藤澤: なるほど、倉貫さんいかがでしょうか。

倉貫: そうですね。セルフマネジメントっていうのは一言で言うとそうなんですけど、これはスキルというよりは、山本さんおっしゃったように、自分の仕事の価値は何なのかっていうのがわかってる人ですよね。

おそらくその人は転職市場でもすごく価値がある、その自分の価値がわかっている人なので自分の価値がわかってる人は、その自分の価値を発揮するにはどういう成果を出さなきゃいけないのかというのがわかるようになるので、そうしたら別にどこで働いてようがいつ働いてようが会社としても気にしなくてもよくなるんだろうなというふうには思っているので、そこが大事なのかなと思いますね。

藤澤: なるほど。悩んでらっしゃった宮田さんいかがですか。

宮田: そうですね、コロナになったからこれっていうのはやはりあんまり何かはないのかなと思ってまして。そんな中でも、ひときわ重要性を感じるようになったのは、やはり変化への対応力みたいなところですかね。

柔軟な姿勢もそうですし、新しいことを学ぶ意欲みたいなものもそうなんですけど、例えばオフラインでやるのが得意だった人がリモートワークになるとそれは確かに大変だと思うんですけどたぶん学べば、すぐ身につけられるものだと思いますし、また元に戻るとか、さらに違う何かになるってなったときにもその柔軟な姿勢であったり、学ぶ意欲があれば何とかなるんじゃないかなと思ってます。それはリモートワークがあろうがなかろうが、あんまり変わってないような気はしています。

倉貫: 僕はそれ、素直さって言ってて、素直さのある人がもうすごくいいなと思っている。これはもう年齢関係ないんですよね。年齢けっこういってる方が応募されても、素直な方はすぐ変えられるというか、柔軟性があるって実は素直ってことなのかなって最近思うようになりましたね。

藤澤: もっとたくさん聞きたくなっちゃいましたけど、残り1分ということで最後にみなさまから、今見ていただいている視聴者の方に一言いただいて、この場を締めれればと思うんですけども、山本さんからお願いします。

山本: 今回のテーマだったりすると思うんですけど、コロナ、リモートみたいなテーマ性のキーワードに今反応しすぎないことかなと思っていて、今回はコロナがというよりも、大きな変化が起きたっていう、変化が起きて、その変化に対応できないことにすごい負が起きてるというところがあるので、基本的にはそういう変化に対応する力をつける本質は何かっていうことを見極めながら、リモートワークを手段として使うとか、コロナがこれから先もっとひどくなる可能性も十分あるし、すぐにワクチンとかで解決される可能性もあるし、また全然違う社会環境の変化が起きるかもしれないんですけど、そういうときにもこういう社会が一変するような変化って起きるんだっていう、そういう体験を得たことがけっこう大きなことかなと思うので、そういう意味では今回聞いたことをそのままやるんじゃなくて、自社にとってどうかなとか、そこを取捨選択してやることが、小さくてもいいので大切かなと思っています。

私も全然偉そうに語れる立場じゃなくて、勉強してる立場なのでいろいろとみんなで模索できればなと思ってます。ありがとうございました。

藤澤: ありがとうございます。倉貫さんお願いします。

倉貫: はい。そうですね。全部言われた感があって後になるとどんだけいいことを言う選手権みたいになって(笑)良いことは言えないですけど、リモートあまり関係ないなとやはり思っていて、リモートかどうかではなくて、自分たちの会社としてどうパフォーマンスを出すのか、そのために組織はあるわけで、組織をどうしていくのかっていうところを考えていけば、あとはおのずと一人一人の働き方をどうすれば良いのかっていうところになるので、方法から考えちゃうのがだいたい日本人のありがちで、なんでもソリューションができると、みんなそこに行っちゃうんですけど、方法って実は目的と状況によって導き出されるっていう法則があって、方法から状況と目的を当てはめると、だいたいうまいこといかないんだけど、その目的と状況に合わせて手段を考えていくっていう順番さえ間違いなかったら、今いろんな手段を取り入れられるのかなというふうに思うので、そこの順番をしっかり考えていくっていうことが大事になるのかなというふうに思います。

藤澤: ありがとうございます。宮田さん、お願いします。

宮田: はい。今日悩んで悩んでるみたいな話が多かったので申し訳ないなと思いつつも、でもたぶん、おそらく今日見てる人も悩んでる人の方が多いんじゃないかなと思ってまして、今日どういう人が見てるんですかって聞いたらおそらく情シスの方とかが多いっていうのを聞いたのとですね、あともしかしたらテーマ的に人事の方とかも見てるかもしれないなと思ってます。こういう職種の方たちってこの社内のほぼ全ての社員とかと接することが多いと思っています。

リモートワークが始まったり、何かしら会社の中に変化が生まれると、その変化によってメリットを受ける人とデメリットを受ける人がいて、その人たちの利害を調整しながら何かを決めていくみたいな仕事をやってる人が多いと思ってます。

やはり悩むことも多いと思いますしやはり何が正解か今ってすごくわかりづらくなってると思うんですよね。ただ私もそうですし、きっとどの会社もそうだと思いますので、自分だけだと思わずに、新しいことにチャレンジするいい機会だと思い変えてですね、いろんなことを決めていって、利害を調整していっていただけたらなと思ってます。

おそらく他の会社さんも悩まれたりとか、いろんな取り組みやっていると思いますので、こういうときこそ横のつながりを大事にしてあの会社はどうやってるから、うちはこういうふうにやってみようかとか、いろいろ試行錯誤してもらえたらいいかなと思っております。

どうもありがとうございました。

藤澤: ありがとうございました。そうですね。今日三方のお話を聞いて非常に印象的だったのは、やはりリモートワークだとか手段ではめていくんではなくて、この大きな変化に対して常に変化に対応できる柔軟性を組織として持つことであったりとか、働き方も柔軟に変えていくようなチームであるべきだと、この辺りのお話非常に参考になりました。

今回見ていただいた視聴者のみなさまの職場においても、今日聞いたお話の中で生かしていただけるようなところがあればいいかなと思っております。

はい。では、今日はですね、5時からという時間にも関わらず、このライブ視聴を見ていただきましてありがとうございました。

これにてこちらのセッションは終了とさせていただきます。みなさまありがとうございました。

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