2021年9月13日、RPA BANK はキーマンズネットに移管いたしました。
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RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は大手企業の間で広がりを見せる一方、中堅・中小企業ではまだこれからというのが現状だ。その背景にはコストの問題や運用に対する不安などがある。しかし今後人手不足がより深刻となる中堅・中小企業にこそ、RPAによる自動化が必要だと言える。
株式会社エクス(本社・大阪市北区豊崎3-19-3 ピアスタワー20F)の「Owlgarden RPA(オウルガーデン・アールピーエー)」は、長年中小企業向けに基幹システム(Factory-ONE 電脳工場)を提供してきた強みを生かして開発されたRPAである。
「Owlgarden RPA」は中堅・中小企業が抱えている課題を克服し、RPAが広がるきっかけとなれるのか。開発背景や製品の特徴と今後の中堅・中小企業のRPA推進について話を聞いた。
■記事内目次
- 1.基幹システムに強いRPAとして開発された「Owlgarden RPA」
- 2.ロボットではなくパーソナルアシスタント。「操作性」「連動性」「機能性」で仕事の負荷を軽減する
- 3.「Owlgarden RPA」で実現する、中堅・中小企業の働き方改革
基幹システムに強いRPAとして開発された「Owlgarden RPA」
――まず、エクス社ついて教えてください。
渡邊 峻之氏(以下、渡邊): 当社は1994年創業の会社で、創業以来約25年にわたって中小の製造業向けの基幹システム「Factory-ONE 電脳工場」を開発してきました。「Factory-ONE 電脳工場」は国内外の多くの企業に採用され、シリーズの累計出荷本数は1600本を越えています。
他にもクラウドサービスやプラットフォームの提供、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連サービスの開発・提供などを行っています。
――どのような背景から「Owlgarden RPA」を開発することになったのですか。
渡邊: 労働人口の減少が言われる中で、基幹システムの使い方を引き継いでいく人材がいないという課題に対し、基幹システムと合わせてRPAを提案することで解決を図れないだろうかと考え、RPAについての情報収集を行いました。
その結果、既存の製品の中に当社の基幹システムに最適と思われる製品がないことがわかり、オリジナルのRPA「Owlgarden RPA」を開発することになりました。
小須田 一広氏(以下、小須田): 当社の顧客企業から、RPAツールを導入したものの当社の基幹システムを操作できないと聞くことがあります。創業以来、基幹システムの提供で企業を支援してきたノウハウを生かせば、当社の基幹システムに最適なオリジナルのRPAを開発できるのではないかと考えました。
ロボットではなくパーソナルアシスタント。「操作性」「連動性」「機能性」で仕事の負荷を軽減
――「Owlgarden RPA」のコンセプトについて教えてください。
渡邊: 「パーソナルアシスタント(個人秘書)」をコンセプトとして掲げています。当社は、RPAを人の業務を代替するロボットというよりも、人と協働するアシスタントとして捉えて欲しいと思っています。当社の顧客である中小企業のキーマンには仕事の負荷が集中するため、24時間365日サポートしてくれる優秀なアシスタントが強い味方になるだろうと思います。具体的には会議資料作成や受注管理、情報収集・調査、納期回答などの様々な部門において、特に基幹システムに関わる業務を自動化することができます。
――「Owlgarden RPA」にはどのような特徴がありますか。
小須田: 大きな特徴は3つあります。まず1つ目が「操作性」です。既存のRPA製品の中には、操作画面を見ると難しいのではないかという印象を持つものもあります。当社の顧客である中堅・中小企業の現場担当者に使ってもらうには、ユーザーフレンドリーなデザインであることが大切です。
「Owlgarden RPA」には小学校のプログラミング教材として使われている「Scratch」のような親しみやすいデザインを採用しています。操作ブロックをパズルのように組み立てることで誰でも簡単にシナリオを作成することができます。
2つ目は「連動性」です。ExcelやCSVなどのデータを操作するための機能のほか、他のRPA製品では少ないデータベースへの接続や書き込み、データの参照や削除、取得したデータベースの値をマッピングする機能など、システム間連携の自動化に必要な機能が標準搭載されています。
たとえば、顧客からの注文データを基幹システムに取り込む際に、注文データの量が非常に多かったり、基幹システムに合わせてデータを加工しなければならなかったりする場合、他のRPAを介して行うと時間がかかってしまうことがありますが、「Owlgarden RPA」の機能を活用し、基幹システムに直接アクセスして更新すれば、安定性や効率性が上がります。
3つ目は「機能性」です。企業で利用している生産管理や勤怠管理、営業支援などのシステムの多くが明細形式の入力画面や照会画面を持っています。「Owlgarden RPA」は、この明細形式の構造を解析して、ピンポイントで必要な値の取得や操作をする点において優れていると言えます。
「Owlgarden RPA」で実現する、中堅・中小企業の働き方改革
――人材不足が深刻な中堅・中小企業にこそRPAが必要という意見がありますが、RPAは今後中堅・中小企業に広がっていくと思いますか。
小須田: 労働人口の減少に直面する中で、RPAのような業務効率化のためのツールを利用することは企業にとって避けられないことです。そのため今後中小企業に広がることは間違いありません。私たちは基幹システムを提供する立場として、そういったニーズに応えられるようにしておかなければならないと考えています。
中堅・中小企業だと、RPAを導入するほど自動化できる業務がないといった話も聞かれます。しかし実際は、簡単でそれほど時間のかからない業務でも、自動化を積み重ねることにより大きな効果を生むことができます。こういった潜在的なニーズを掘り起こしていくことも、今後私たちが行う必要があることだと感じています。
――中堅・中小企業では、RPAを導入したものの全社的にスケールできないことがあると聞きます。スケールさせるためにはどのようなことが必要ですか。
渡邊: マーケティングの観点から言うと、全社的にスケールするためにはトップダウンによる推進が必要だと感じています。現場が自分の業務を自動化するだけではなかなか広がっていかないのではないでしょうか。そこはやはり経営的な実権を握っているトップの理解が必要だと思います。自社だけでスケールさせることが難しい場合には、ツールベンダーやRPA導入支援サービスを行っている外部の専門家の支援を受けながら推進を行うことが望ましいと思います。
小須田: プロダクトの観点からだと、現場担当者が簡単に開発できるようなユーザーフレンドリーな製品を使うことですね。私たちの顧客である中堅・中小企業ですと、情報システム部門がない企業もあります。現場担当者が情報システム部門の業務を兼任で行っている例も珍しくありません。顧客企業の働き方改革を実現するためには、現場担当者が自分の業務を自動化できる仕組みを作る必要があると考えています。
また、業務をフローチャートに落とし込むことが難しいという声もよく聞きます。自分の業務を一つ一つ順序立てて並べていかないと安定した自動化を実現できないので、今後はそういった点をプロダクト面からお手伝いできればと考えています。
――最後にRPAに関心を寄せている方々へメッセージをお願いします
小須田: 「Owlgarden RPA」は明細形式の構造認識を特に得意としています。RPA製品にはそれぞれ得手不得手があるので、一つの製品だけに絞るのではなく、業務の目的に合わせて選択してもらいたいと思っています。
渡邊:中小企業では、高性能のツールを導入しているのにうまく活用出来ていない企業が多くあると感じています。ユーザビリティに優れた「Owlgarden RPA」は、そういったツールを使いこなすきっかけとなり、導入効果を飛躍的に向上させることができます。また、これまで人手不足で原価管理に必要な経費等のデータ入力をできていなかった企業が、「Owlgarden RPA」の導入をきっかけとしてデータ管理ができるようになり、経営戦略に活用するようになったという話を聞きました。このようにRPA本来の自動化による業務効率化はもとより、新たな付加価値を創出するツールとしても「Owlgarden RPA」を使ってもらいたいと思います。
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