RPAに遅れてやってきたプロセスマイニング、市場が急成長する理由
コロナ禍において、プロセス・マイニングツール市場が高い成長率を示している。認知度も向上しているが、背景にどのようなイベントがあるのか。
RPA(Robotic Process Automation)を導入する際に、必ずといってよいほど問題になるのが業務の可視化だ。どのようなフローで業務が流れ、誰が作業を担当し、どこにボトルネックがあるのか――棚卸の作業は骨が折れるが、これを支援するツールとして数年前からプロセス・マイニングツールの需要が伸びている。
アイ・ティ・アール(ITR)は、国内のプロセス・マイニング市場規模推移および予測を発表した。プロセス・マイニングは、業務システムに蓄積されているイベントログなどのデータを基に、部門をまたぐ業務プロセスのパターンを可視化、分析する製品およびサービスだ。プロセスに関わる工数を算出し、例外処理、ボトルネック、職務分掌を抽出して全社規模の業務改善を支援する。コロナ禍において、高い成長率を示し認知度も向上しているが、背景にどのようなイベントがあるのか。
プロセス・マイニング市場は、2020年度の売上金額が前年度比253.3%増の5億3000万円だった。2021年度は同83.0%増の伸びを予測する。いち早く市場に参入したCelonisとCognitive Technology(国内総販売元はハートコア)の2社が市場をけん引し、2020年度にUiPathやABBYYが本格的に市場参入したことで、プロセス・マイニングの認知度はさらに向上した。
コロナ禍で業務プロセスの可視化、効率化の重要性が高まったことから、2025年度には売上金額が40億円、CAGR(2020〜2025年度)は49.8%を予測する。
今回の発表は、ITRによる市場調査レポート「ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2021」を基にしている。
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