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SDGsとは? MDGsとの関係やCSRとの違い、企業の取り組みを解説

「世界全体で取り組むべき課題」として国連サミットで採択されたのをきっかけに、DXやSTIなどテック系事業の市場に注目が集まる。

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  • 取り組みの背景とMDGsとの関係
  • 国内外の取り組み、SDGsテックの市場規模
  • 関連用語

 SDGs(持続可能な開発目標)とは、持続的な世界のために達成すべきとされる国際指標だ。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載され、世界各国で取り組みが進む。企業にとっては新たなビジネスチャンスを発見したり企業価値を向上させたりする機会でもあり、特にグローバル企業において、SDGsへの取り組みは消費者や投資家の評価対象となる。

取り組みの背景とMDGsとの関係

 近年、グローバル企業を中心に「倫理的であること」を企業の評価に織り込む動きが活発化している。サプライチェーン構造の中で発生する問題の責任は企業にあり、企業はそれを解消すべきだという考え方だ。

 古くは1997年に問題となったナイキの児童労働問題や、2013年に発生したバングラデシュの縫製工場の事故などが背景にある。投資家や消費者が人権侵害や環境破壊に加担する企業を問題視する中で、企業は事業戦略としてSDGsに取り組んでいる。

 2000年に国連ミレニアム・サミットで採択されたMDGs(ミレニアム開発目標)が2015年に終了したのに伴い、その成否を踏まえた後継として17項目からなるSDGsが採択された。

 MDGsは、国連の専門家主導で決められた開発途上国向けの目標だった。SDGsは先進国も含めたすべての国が取り組むべき普遍的な目標として、国連加盟国の全会一致で採決された。各国の抱える問題を当事者だけのものにせず、社会市民全員が参画して問題解決に向かう重要性が強調されている。

国内外の取り組み、SDGsテックの市場規模

 日本政府はデジタルトランスフォーメーション(DX)やESG(環境、社会、企業統治)投資、STI(科学技術イノベーション)、海洋プラスチックごみ対策、教育、啓発活動などを重点的に推進しており、官民学連携のプロジェクトの立ち上げに取り組んでいる。投資家が企業評価指標に企業倫理を取り入れるESG投資の市場は年々伸びており、GPIF(年金積立金管理運用:公的年金を運用する独立行政法人)はESG投資の規模を3兆円まで増やすとしている。

 SDGsテックの市場は1000兆円規模とも言われ、スタートアップの参入が相次ぐ。既存のグローバル企業ではレジ袋やストローなどのプラスチック消耗品を木製・紙製に変える(スターバックスコーヒー)、製品にリサイクル資材や海洋廃棄物を活用する(アディダス)といった取り組みが盛んだ。SDGsへの取り組みの有無が、新卒学生の志望動機に影響するという調査結果も存在する。

関連用語

 SDGsの前身となる考え方は以前から存在し、一部で重複する概念を有する。

CSRとの違い

 CSR(企業の社会的責任)は企業が倫理に基づく意思決定を実施する責任を指し、慈善活動など利益に直結しない活動も含まれる。SDGsの目指す「持続可能な開発」は、事業と社会を共に持続可能にする取り組みを指す。

サプライチェーンマネジメントとの関係

 調達物に環境負荷の高い物がないか、人権侵害が行われていないかといったSDGsの観点を盛り込んだサプライチェーンの構築「SDGs調達」が求められる。

SDGsテックとの関係

 DXによる企業活動の見える化、効率化といった効果はSDGs達成の足がかりになると言われており、特にAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などを活用する取り組みがSDGsテックと呼ばれる。

SDGs「17項目」

 SDGsの17項目は以下の通り。

貧困をなくそう

 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

飢餓をゼロに

 すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

すべての人に健康と福祉を

 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

質の高い教育をみんなに

 すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

ジェンダー平等を実現しよう

 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

安全な水とトイレを世界中に

 すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

 すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する

働きがいも経済成長も

 すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

産業と技術革新の基盤をつくろう

 強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る

人や国の不平等をなくそう

 国内および国家間の格差を是正する

住み続けられるまちづくりを

 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

つくる責任 つかう責任

 持続可能な消費と生産のパターンを確保する

気候変動に具体的な対策を

 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

海の豊かさを守ろう

 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

陸の豊かさも守ろう

 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

平和と公正をすべての人に

 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

パートナーシップで目標を達成しよう

 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化す

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