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ワーケーションとは? 普及率やメリット・デメリット、企業事例、誘致先を紹介IT用語3分リーディング

中長期的な休暇の中に業務に従事する日を組み込み、余暇と仕事を両立する働き方。テレワークの普及に伴って導入や誘致が進みつつある。

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  • 高い注目度、低い普及率
  • ワーケーションのメリット、デメリット
  • 導入企業、誘致自治体

 ワーケーションとはWorkとVacationを組み合わせた造語で、テレワークに「休暇中の滞在先」を含め、中長期的な休暇の中で業務に当たる日を設ける取り組みを指す。

 地域振興や観光地の混雑回避といった効果が期待できると注目されて自治体の誘致が活発化し、有給休暇の取得推進やワークライフバランスの向上、離職の防止などを目的に企業の導入が進みつつある。

 似た概念にBusinessとLeisureを組み合わせた「ブレジャー」がある。ブレジャーは「業務の滞在先に余暇を組み込む」もので旅行形態としては既に定着しており、ワーケーションの「休暇中に業務に当たる」取り組みとは異なる。

高い注目度、低い普及率

 ワーケーションには、休暇の取得による業務の停滞や休暇前後の業務負荷を緩和する効果がある。育児や介護など、ライフステージの変化に伴う一時的な就業環境の変更にも対応できるため、リテンション(離職防止)施策としても注目される。

 観光庁が企業の従業員に対して2020年12月〜2021年1月に実施したアンケート調査によれば、69.9%の回答者がワーケーションを「知っている」と答えた。しかし、その中で「勤め先が導入している」と回答した割合は11.7%、「実施した経験がある」と回答した割合は4.3%にとどまる。なお、ワーケーションの前提となるテレワークは46.6%で導入され、32.2%が経験している。


ワーケーションの認知と経験有無(出典:観光庁のアンケート調査)

以上から、テレワーク環境が整い、ワーケーションを知っていても実際に導入している企業や実施した従業員は少なく、普及に至っていないことが分かる。

ワーケーションのメリット、デメリット

 ワーケーションは企業と従業員の双方にメリットがある。従業員は普段と異なる環境で就労することでリフレッシュや休暇前後の業務負担を軽減でき、長期休暇を取得しやすくなる。企業は従業員のエンゲージメント向上や有給休暇取得の推進、滞在先の地域との関係性構築、あらたなビジネスチャンスの創出といったメリットを得られる。

 デメリットとしては、必ずしもワークライフバランスが向上するわけではないこと、ジョブ型の人事制度などによる成果の可視化が必要となること、全ての業種に適用できるとは限らないことが挙げられる。テレワークができないためワーケーションも不可能であったり、従業員が休暇中の就業を希望しなかったりする場合もあるため、単に「休暇先での就労を許可する」だけでなく、業務のフローやシステム、人事制度の見直しも含めたルール作りが必要とされる。

導入企業、誘致自治体

 観光庁と連携して積極的に誘致を進める自治体には、北海道、沖縄県、長崎県の一部の市や和歌山県は、観光庁と連携して積極的に誘致を進めている。導入企業には日本航空やユニリーバ・ジャパンなどがある。

導入企業1.日本航空

 日本航空は有給休暇取得率の向上を主目的に、2017年からワーケーションを導入した。従業員の休暇に業務を合わせるため、滞在先の宿泊費などは従業員が負担する。長期休暇から復帰した後の業務負担が軽減できる点が受け入れられて有給取得率が向上したという。

導入企業2.ユニリーバ・ジャパン

 ユニリーバ・ジャパンは、1カ月の所定労働時間の中で従業員が働く場所や時間を選ぶ制度「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」を導入しており、休暇の取得やワーケーションの実施における申請は不要だ。また、自治体と連携して提携施設の業務や宿泊利用の無償化などを実施し、ワーケーションを推進している。

誘致自治体1.和歌山県

 和歌山県は県全体でワーケーションの企業向けコーディネートに力を入れ、宿泊施設やワーキングプレイスのあっせん、観光やアクティビティを踏まえたプラン作成、それらの手配などを実施している。また、長野県と共同で「ワーケーション自治体協議会」を発足し、ワーケーションの普及に向けた情報発信や政府に対する要望書提出などに取り組む。

誘致自治体2.北海道北見市

 北海道北見市はIT企業の誘致を進めてきた背景から、サテライトオフィスの整備や地域大学との連携、共同研究などを積極的に推進している。航空会社と連携してワーケーションのパッケージ商品を提供したり、ふるさと納税の返礼品として北見市の体験型商品を提供したりといったプロモーションに力を入れる。

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