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「欲しいSaaS、いらないSaaS」くっきり 巨大な潜在需要が眠る業界は

キーマンズネット会員678人を対象に「SaaS型業務アプリケーション」の利用状況を調査した。コロナ禍をきっかけに使い始めたSaaSを「やめられない」状況がある一方で、新しく導入したい注目のSaaS、導入意欲の高い業界などが明らかになった。

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 キーマンズネット編集部は2022年に注目すべきトピックスとして「セキュリティ」「SaaS」「テレワークインフラとデバイス管理」「従業員コミュニケーション」「オフィス」「デジタルスキル」「人事制度」の7つのトピックスを抽出し、読者調査を実施した(実施期間:2021年11月10日〜12月11日、有効回答数678件)。企業における2022年のIT投資意向と併せて調査結果を全8回でお届けする。

 第2回は「SaaS型業務アプリケーション」の調査結果を見ていく。企業の規模によっては「SaaS離れ」の傾向が出つつあることや、企業が積極的に導入したいと考えているSaaS、現状の2倍以上の潜在需要が眠る業界が明らかになった。

コロナ禍で使い始めたSaaSを「使い続ける」理由、「やめたい/やめた」理由

 まず、業務に当たって利用しているSaaSの利用状況を聞いたところ、オンライン会議(78.6%)やファイル共有(69.3%)が際立って高く、ビジネスのリモート化に対応している様子が見えた。また、ローコード/ノーコード開発は「利用している」企業と同程度の「今後導入予定」という回答があり、直近で利用したいSaaSとして注目を集めているようだ(図1)。


(図1)SaaSの利用状況

 上記の利用状況を従業員規模別に見ると、全体的に従業員の多い企業ほどSaaSを「利用している」と回答する割合が高い傾向があった。SaaSの強みの一つである「スモールスタートができること」は、システムを内製するリソースのない中小企業にとってはメリットとなる。しかし実態として、従業員の少ない企業はSaaSの使いこなしに苦労している様子が見える。

 SaaSの利用がコロナ禍をきっかけに増えたか、あるいは変わらなかったのかを聞いたところ、「コロナ禍をきっかけに使い始めたSaaSを使い続けている」と回答した割合は27.3%だった。「途中で使うのを辞めたSaaSがある」と回答したのは3.2%にすぎず、使い始めたSaaSを「手放せなくなっている」状況が見える。

 また、参考までに「導入しなかった」や「利用を辞めた」企業にその理由を聞いたところ、およそ5割が「自社の規模には不要と判断した」と回答した。(図2)


(図2)コロナ禍とSaaSの関係

 一度使い始めたら停止も乗り換えも難しく、ロックインが発生している可能性が高い中で、企業も模索を続けている。特に「SaaSを減らしたい」と回答した割合は従業員規模によって大きく分かれ、従業員1001〜5000人以上の企業では2.7%だった一方で、100人以下の企業では20%超であった。


SaaSを「減らしたい」と回答した企業の割合

業種別需要、これからSaaS導入が伸びる業界は?

 業界別に見ると、特にサービス業と製造業がSaaSの導入に積極的だ。他業種と比べて「今後導入予定」と回答した割合が高く、潜在的な需要が大きいことが分かる。

サービス業

 ローコード/ノーコード開発とタレントマネジメントは、現在利用している企業の2倍が「今後導入予定」と回答した。人事評価と採用管理も現在利用している企業と同数以上が導入を予定しており、その他のSaaSについても導入に積極的な状況が見えた。(図3)


(図3)サービス業が「今後導入したい」SaaS

製造業

 ローコード/ノーコード開発は現在利用している企業と同数以上の割合が「今後導入予定」と回答している。サービス業ほどではないが、名刺管理とタレントマネジメント、採用管理も積極的に導入したい様子が見えた。(図4)


(図4)製造業が「今後導入したい」SaaS

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