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デスクトップ仮想化の利用状況(2022年)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で社外から社内システムに安全にリモート接続する機会が増えた企業もあるだろう。その手法としてVDI(Virtual Desktop Infrastructure)、DaaS(Desktop as a Service)に焦点を当て、導入メリットや満足度などを紹介する。

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 キーマンズネットは2022年1月6〜1月11日にわたり「デスクトップ仮想化の利用状況」に関する調査を実施した。アンケート結果を基に、リモートアクセス環境の整備状況を明らかにした前編は回答者の83.4%が社外から社内環境にリモート接続する機会があると分かった。

 リモート接続環境の構築時に留意すべきこととして、セキュリティの問題がある。後編はリモート接続時のセキュリティインシデントについて明らかにするとともに、デスクトップ仮想化を用いてセキュリティに考慮したVDI(Virtual Desktop Infrastructure)、DaaS(Desktop as a Service)に焦点を当て、導入メリットや満足度などを紹介する。

ランサム被害に踏み台被害……リモートアクセス時のセキュリティ被害

 リモートアクセスの環境を整備している企業を対象にセキュリティ被害の有無を聞いたところ、79.7%と大多数が「被害に遭ったことはない」と回答した(図1)。被害経験があったのは全体の1.1%と少ないが、19.2%の回答者は「分からない」という回答していることから、明るみに出ていない事故や被害がある可能性もある。被害経験のある回答者にフリーコメントで詳細を聞いたところ「ウイルス付のメール(が届いた)」や「ランサムウェア被害(を受けた)」といった事件の他、「Gitlabが仮想通貨採掘に悪用された」などOSS(オープンソースソフトウェア)の脆弱(ぜいじゃく)性を突いたサイバー攻撃を経験したという回答も寄せられた。

 コメントにはなかったものの、近年はVPN機器などの脆弱(ぜいじゃく)性を狙ったサイバー攻撃も報告されている他、社外に持ち出したPCから情報が漏えいする恐れもある。企業は、従来のセキュリティリスクに加えて、リモートアクセスに起因したリスクへの対処も求められている。


図1:リモートアクセス環境でのセキュリティ被害

デスクトップ仮想化、DaaS導入のメリット

 セキュリティを考慮して社外から社内システムにアクセスする方法は幾つかあるが、PCから離れたサーバにデスクトップ環境を集約・管理するデスクトップ仮想化を採用する場合もある。前編で紹介した通りリモート接続環境を整備している企業を対象に接続手段を聞いたところ、VDIは22.6%、DaaSは5.0%の回答者が利用していると答えた。

 構築やライセンスの費用が高額になりがちなVDIは中堅・中小企業が導入するにはハードルが高いため、約2割という結果に落ち着いたと考えられる。一方、デスクトップ環境をクラウドサービスとして利用できるDaaSは、クライアント端末やライセンスソフトウェアなどの初期投資を抑えられるというメリットによって近年注目を集めているが、調査結果を見る限りまだメジャーな手段とは言えないようだ。

 これらの導入メリットを聞いたところ「テレワーク促進による感染症対策や生産性向上の促進」(64.2%)、「端末からの情報漏えいやセキュリティ対策の強化」(49.3%)、「クライアント端末の運用管理の効率化」(37.3%)が上位に挙がった(図2)。


図2 「デスクトップ仮想化(VDI/RDS)」「DaaS」の導入メリット

 ここで少し横道に逸れるが、VDIを利用している企業では注意すべき話題であろう「Windows 11への移行」について触れておきたい。Windows 11を実行するには「TPM(Trusted Platform Module)2.0」と呼ばれる暗号プロセッサに対応する必要があり、端末の仕様に左右されないはずのVDIでもWindows 11移行で問題が生じる可能性がある。2025年10月のWindows 10のサポート終了まで残り4年を切る中で、Windows 11への移行は10.2%が「完了」、25.4%が「検討開始」で、64.4%が「待ち」の状況だ(図3)。情報収集を欠かさず、問題につながらないよう計画的に進めるべきだろう。


図3 Windows 11の導入や移行計画の現状

「デスクトップ仮想化」導入後の満足度は71.7%と好評価

 最後にデスクトップ仮想化やDaaSの導入・利用者を対象に満足度を調査した。その結果「とても満足している」が7.5%「やや満足している」が64.2%、「やや不満がある」が23.9%、「とても不満がある」が4.5%だった。

 フリーコメントから満足・不満の背景を整理すると、「満足」と回答した人からは「どこにいてもほとんど同じ資源、同じ使い心地が実現できるから」や「デスクトップ利用と遜色のない操作性、性能が実現できているから」など、“使い勝手”の問題をクリアしている点を挙げる声が目立った。他には「仮想化によりライセンス購入の手間がない」や「故障の問い合わせなどが各段に減った」「一元管理が可能だ」など運用管理の省力化に関するメリットが挙げられた。

 「不満」とした回答者からは「セッションが頻繁に切断する」「レスポンスが遅い」といったコメントがあり、サーバ側のリソース状況などによっては”使い勝手“の問題が浮上するケースもあるようだ。また「出社時に使う物理PCと、テレワーク用のVDIと双方に設定が必要なのが面倒」「想定よりもコストがかさんだ」など、企業によっては当初の予定よりも工数やコストがかかったケースがあるようだ。

 全回答者数313人のうち、情報システム部門が37.7%、営業/営業企画・販売/販売促進部門が15.3%、製造・生産部門が11.8%、総務・人事部門が6.7%、経営者・経営企画部門が6.4%といった内訳であった。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。

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