2022年バックオフィスDX実態調査 “DXに取り組みたくない”理由が明らかに
LegalForceはバックオフィスDX実態調査を実施した。バックオフィスには人事や経理、総務、法務などさまざまな分野があるが、DXの浸透度合いに大きな差があることが明らかになった。
コロナ禍が訪れて3年目を迎える現在、バックオフィスのDX(デジタルトランスフォーメーション)はどこまで進んだのだろうか。LegalForceは会社員および役員を対象に実態を調査した。本調査から、同じバックオフィスでも、分野によってDXの浸透度合いに大きな差があることが分かる。
なお、今回の調査は、2022年3月10〜14日に、企業の従業員、役員いずれかに該当する1000人を対象に実施された。
結局コロナでバックオフィスのDXはどう変わった?
まず、「2020年2月の新型コロナウイルス感染拡大以降、バックオフィスのDXが進んだと感じるか」という質問項目では、「進んだと感じない」と回答した人の割合は76.4%だった。
また、「バックオフィスのDXが進んだ」と回答した人のうち、71.6%が「DXによるメリットを感じる」と回答した。
バックオフィスのDXが進んだことに対する具体的なメリットとしては、「出社が減った」「生産性が向上した」などが挙げられている。
「バックオフィスのDXが進んだことによるメリット」を自由回答で募ったところ、以下の回答が寄せられた。
<自由回答の一部を抜粋>
- 対面でなくてもリモートで済むプロセスが増え、上司に直接会うために調整する必要がなくなり、業務がスピーディーになった(営業/販売・サービス、20代)
- 紙の書類が減り、テレワークを積極的にできるようになった(営業/販売・サービス、30代)
- 以前は紙で出力したものを目視でチェックしながら作業していたが、電子化したことにより作業量が減少した(研究・開発、50代)
- リモートワーク下での生産性向上に寄与した(営業企画/経営企画/経営戦略、50代)
- 契約書の保管場所をファイルにしたことで省力化につながった(医療系、60代)
バックオフィスDXの進んだ分野は?
ここまでの結果から、バックオフィス全体のDXの浸透度合いが分かった。以降では、バックオフィスの分野ごとにおけるDXの浸透度合いや、企業が“DXに取り組みたくない”リアルな声を明らかにする。
「どの分野でバックオフィスのDXが進んだと感じるか」という質問項目では、「人事、労務」が63.6%、「経理、財務」と60.6%だった。それに対し、総務や法務で「浸透した」と回答した人は20%台となった。
バックオフィスのDXが進むメリットばかりがあるように見えるが、一部「取り組んでほしくない」といった声もある。理由としては、「これまでのやり方を変えるのが面倒だから」が39.8%で最多であった。
最後に、「バックオフィスのDXが進まないことで困ったこと」を自由回答で募ったところ、以下の回答が寄せられた。
<自由回答を一部抜粋>
- コロナ禍でも頻繁に出社しなければならなかった(営業/販売・サービス、20代)
- 紙が多すぎて、行方不明になることが多々ある(総務、30代)
- 紙の書類が異なるファイルに閉じられていることもあり、探すのが大変(営業/販売・サービス、30代)
- 新型コロナウイルスの影響で人員削減されたが、残る人への負担は増えている(経理/財務、40代)
- 紙を用いた作業量が多く、常に人材不足(営業企画/経営企画/経営戦略、50代)
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