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受注システムも内製化 新宿アルペン旗艦店「Alpen TOKYO」オープンを支えたローコード開発テク

2022年4月1日に東京新宿に巨大旗艦店「Alpen TOKYO」をオープンしたアルペンは、受注管理システムなど社内システムの多くを外注に頼らずに内製化を進めていた。

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 スポーツやキャンプ用品の専門店で知られるアルペンは、2022年4月1日に東京新宿に巨大旗艦店「Alpen TOKYO」をオープンした。店舗向けシステムの多くは内製化したものだという。旗艦店オープンの裏にある、同社情報システム部門の策略とは。

新宿アルペン旗艦店オープンの裏にあるシステム内製テク

 アルペンは日々変化する事業環境や顧客ニーズに追従するためにITコストの最適化を目指し、2019年から社内システムの内製化を進めていた。2021年には、アルペンのゴルフ専門店「ゴルフ5」から派生した「ゴルフ5プレステージ」で、クラブフィッティングの結果や購買履歴、接客などの顧客情報を接客に生かすためにサイボウズのローコード開発ツール「kintone」でCRM(顧客関係管理)を構築した。

 この経験からkintoneを活用すれば多くのシステムを内製できると確信し、アルペンはシステムのリプレースタイミングや新規のシステム化要望が起案された際には、まず、kintoneで構築可能かどうかを検討するようにした。今では店舗で利用するシステムの大部分をkintoneで構築するようになったという。

 例えば受注管理システムは、予約購入品の自宅受け取りの仕組みとECサイト(アルペンPayPayモール店)で購入した商品の店頭受け取りの仕組みをkintoneを使って5人月程度で構築し、BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)(注)を実現した。

(注)BOPIS:ECサイトなどで購入した商品を実店舗で受け取る購買方法。


予約購入品の自宅受け取りとECサイト(アルペンPayPayモール店)のシステム連携図(出典:アルペンのプレスリリース)

 受注管理システムの仕組みは次の通りだ。店舗に商品在庫がなかったり顧客が自宅への配送を希望したりする場合に、スタッフが専用ECサイトから注文登録すると、注文情報が受注管理システムに連携され、POSシステムで呼び出して会計処理される。代金の支払い完了をもって、kintoneからEC系基幹システムに出荷指示データが送信され、商品が顧客に配送される。

 アルペンはその他、kintoneの機能追加や柔軟なカスタマイズ性を生かし、Alpen TOKYOのオープンに向けて、必要なシステムを短期間で開発した。例えば、テニスラケットなどの加工工程を管理する加工管理システムを2週間程度で開発し、その後ゴルフ5向けのCRMや人事システムと連携したアルバイト採用システムなどを構築した。

 Alpen TOKYOオープンに向けたシステム開発以外にも、顧客が持ち込んだアウトドア用品の品名や使用状態などから査定金額を算出する中古買取システムを、ほぼkintoneの基本機能のみで開発し、わずか2カ月でリリースした。kintoneはマウス操作で簡単にシステムを組み上げることができるため、外部のシステム会社への依頼は減り、店舗向けシステムの構築費用を半分以下に削減でき、納期も3分の1以下に短縮されたという。

 今後アルペンは、ビジネスの変化に合わせてシステムを柔軟に対応できるようkintoneを軸にした内製化を進め、業務改善を目指すとしている。

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