「SaaS管理ツール」 導入事例2選と解説記事特集:5月ピックアップ情報
本稿では、2022年5月に発表されたSaaS管理ツールの情報を基に、リリースや導入事例、キーマンズネットで公開した記事を紹介する。
クラウドシフトがトレンドであることに加え、コロナ禍のテレワーク対応によってデジタル化が進み、SaaS(Software as a Service)を導入する企業が増えた。煩雑化するSaaS管理業務を効率化するべく「SaaS管理ツール」に注目が集まる。
2022年5月に発表された情報を基に、「SaaS管理ツール」に関するリリースや導入事例を紹介する。また、キーマンズネットで公開した記事ではツールの基本やSaaS管理に追われる“情シスの過酷な状況”が明らかになる。
SaaS管理ツールとは
SaaSはオンプレミスのサービスに比べて導入までの期間が短く、コストが低額なため魅力的な一方、アカウントを管理する業務の負荷は高まる。そういった状況を改善するべく話題に挙がるのが、“SaaS管理ツール”だ。
SaaS管理ツールは、SaaSアカウント情報を一元管理することで管理工数の負担を軽減する。重複したサービスや休眠アカウントなどを把握しコストを最適化したり、退職者のID削除といった、IDのライフサイクル管理を自動化したりするなど、さまざまな機能を付随する。
SaaS管理ツール導入事例2選
まず、SaaS管理ツール「マネーフォワード IT管理クラウド」と「ジョーシス」の導入事例を紹介する。事例を通して、ツールの具体的な効果をイメージできるだろう。
Scalebaseが「マネーフォワード IT管理クラウド」を導入
販売・請求管理SaaS「Scalebase」を提供するアルプは、かつて、契約中のSaaSとその利用者をチェックリストで管理していた。退職時にアカウントが削除されているかをチェックリストと照合して都度確認する必要があり、業務の負荷がかかっていた。
セールスや開発など部署毎が個別に契約したサービスを、リアルタイムでの把握が困難という課題があり、マネーフォワード IT管理クラウドの導入を決定した。
アルプのCTO室長 相野谷 直樹氏は「『マネーフォワード IT管理クラウド』はアカウントを手動入力せずに、自動で最新の情報に同期するので、アカウントの棚卸しやSaaS可視化の課題が解消しました。特に、シャドーITの検知は良い機能だと思います。把握できていなかったサービスを自動で表示してくれるので、利用状況を速やかに把握できるようになりました。従業員は今まで以上にコアの業務に集中でき、事業の成長にはずみをつけられています」と述べた。
ContractSが「ジョーシス」を導入
クラウド型契約マネジメントシステムを提供するContractSでは、業務効率向上などを目的に50種近くのSaaSを導入している。それらを網羅的に管理でき、情報資産の全量把握やリスク対応を解決することを目的にジョーシスを導入した。
導入の結果、従来はスプレッドシートで管理していたIT機器とSaaSの管理や運用ライフサイクルを自動化でき、アカウントの追加、削除漏れも減っているという。また、体制変更や人員の入退社に関する履歴管理で、監査対応における正確性を確保できた。
キーマンズネットの更新記事まとめ
5月にキーマンズネットで公開したSaaS管理ツール関連の記事も紹介する。
IT導入完全ガイド「企業のSaaS利用に一石を投じる『SaaS管理ツール』の基本」
キーマンズネット編集部で作成した、「企業のSaaS利用に一石を投じる『SaaS管理ツール』の基本」では、SaaS管理ツールの基本や、ツールを選定するポイントを解説している。
オンラインセミナーレポート「DXでSaaSを増やした結果、情シスの仕事増えてないか!?」
メタップス主催のイベントをレポートした、「SaaSの数に比例して高まる情シスの業務負荷、その解決策とは」では、多くの企業が目を向けられていない“情シスの過酷な状況”を明らかにし、その解決策を紹介している。
クラウドシフトやテレワークシフトが進む中、SaaS管理など付随する業務は手つかずの企業が多いだろう。今後もSaaS管理ツールの動向に注目したい。
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