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これぞ最強のセキュリティ対策? 「脱パスワード」の新技術が爆誕:663rd Lap

クラウドサービス全盛時代、IDとパスワードさえあればどこからでもサービスを利用できるのはうれしいことだが、ユーザーには「パスワードまみれ問題」が残る。これを解消し得る新技術がある研究チームによって生み出された。

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 いつの時代になってもパスワードにまつわる悩みは尽きない。業務システムの多くがSaaS(Software as a Service)に取って代わりつつある今、利便性を得た代わりに「パスワード管理」という問題が残る。既存の解決策としてシングルサインオンを活用する手もあるが、管理システム自体が止まれば全てのシステムが利用できなくなるという懸念がある。

 そんな中、ある研究チームは「脱パスワード」に寄与する新たな技術を開発した。第三者によるなりすましも困難という、その新技術とは?

 2022年5月20日、パナソニックインダストリーは、東京大学大学院と九州大学大学院、名古屋大学大学院との共同研究によって、「生体呼気」を使った新たな生体認証技術の原理実証に成功したと発表した。つまり人間の吐く息を使った認証技術だ。

 これまで生体認証技術に関して数々の研究が行われてきた。生体ガスによる研究では「皮膚ガス」が使われていた。皮膚ガスには個人を特定可能な分子群が含まれているが、センサーで読み取るには濃度が薄すぎた。一方で呼気ガスには皮膚ガスの1000倍の濃度で分子群が含まれていることが判明したため、研究チームは呼気を利用することにしたという。

 研究チームは、16種類の高分子材料と導電性カーボンナノ粒子の混合物で構成された「人工嗅覚センサー」を開発した。これを使って呼気を分析し、生体ガスに含まれる膨大な種類の分子群の特徴をつかんで個人認証に利用するという。

 研究では、年齢や国籍、性別の異なる空腹状態の6人を対象にセンサーを用いて分析した。センサーで分析された呼気は16種類にマッピングされ、その強度と寄与度を比較した。研究チームがニューラルネットワークモデルに基づいた機械学習を用いて分析したところ、平均97.8%の精度で個人の特定に成功したという。さらに、実験対象者を20人に増やしても同様の結果が得られ、呼気による個人認証が可能であることが明確になった。

 研究チームは、「指紋や掌紋、顔、虹彩、網膜、指静脈、耳音響、声紋などを用いた生体認証は物理情報に基づいたものであり、認証する人物に外傷などの身体的特徴の変化や欠損があることで認証が困難な場合がある」と主張した。また、認証情報の複製や偽装によって長期的な「なりすましリスク」が生じることも問題視している。

 それに対して呼気認証は、傷病によっても変化しにくい生体ガスを利用し、分析に使用した呼気もすぐに霧散してしまうため、第三者がなりすましに利用しにくいという大きなメリットがある。

 今後研究チームは、実用化に向けてより大人数の被験者を対象にした実験を行なう予定だ。また接触による影響の調査や、人工嗅覚センサーの数を増やすことも検討中だという。

 認証技術を用いることで、パスワード入力から脱却しようとする動きが進んでいる。生体認証が当たり前となる近い将来、呼気認証もいずれ安全かつ確実な認証方法として定着する可能性が高そうだ。


上司X

上司X: 人間の呼気を使う生体認証技術が開発された、という話だよ。


ブラックピット

ブラックピット: フーっと息をセンサーに吹きかける、そういう感じですかね。


上司X

上司X: 多分そういうことだろうね。


ブラックピット

ブラックピット: 指紋認証みたいにセンサーに触れる必要はないでしょうけど、例えば銀行のATMで前の人が口元を近づけたセンサーにすぐ自分の息を吹きかけるのはちょっとイヤかもしれません……。


上司X

上司X: またずいぶん神経質なことをいうじゃないか。ニューノーマルな世界を生きる研究者だぞ。そういうところもよく考えた上で製品化を考えるに違いないって。


ブラックピット

ブラックピット: それに、呼気からの生体ガスが傷病に影響されにくいということですけど、飲食が影響することはないでしょかね? 実験では「空腹」というのが条件になってますけど。


上司X

上司X: む、それは確かにな。


ブラックピット

ブラックピット: 二日酔いで酒が残っている朝や、ニンニクマシマシのラーメンを食べたランチタイム明けの認証がうまくいかないなんてことはできれば避けたいものですが。


上司X

上司X: ニンニクマシマシは確かに呼気に大きな影響がある。でもさ、俺たちですらそういう問題になるかもしれないことに気付くんだ。優秀な研究チームが把握していないわけはないだろう? ということでパスワードなしの個人認証をさらに便利にする新たな生体認証技術には期待しかないというものだよ。

川柳

ブラックピット(本名非公開)

ブラックピット

年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X(本名なぜか非公開)

上司X

年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)

中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。


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