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三井住友信託銀行が4年間で40万時間以上の削減達成、UiPathをどう使っているのか

三井住友信託銀行は、自動化プラットフォーム「UiPath」によって4年間で累計40万時間以上の業務を削減した。どの機能をどう活用して累計40万時間以上の業務削減を成し遂げたのか。

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 三井住友信託銀行はUiPathの自動化プラットフォームを利用して、4年間で累計40万時間以上の業務を削減した。UiPathが2022年7月19日に発表した。同社は、UiPathによって業務効率化の枠を超えたさまざまな成果を上げているという。

 三井住友信託銀行の業務範囲は、個人や法人の顧客から預かった資産の運用など多岐にわたる。同行が2018年に少量多品種業務の効率化を目的としてUiPathを導入したが、現在はその活用範囲を拡大している。UiPathはここ数年でRPA(Robotic Process Automation)に止まらない自動化関連機能を拡充しているが、それらをどう活用して累計40万時間以上の業務削減を成し遂げたのか。

テスト自動化やプロセスマイニングも利用

 同行では、自動化ワークフローの統制管理や、RPAのテストの自動化、業務プロセスの標準化やリスク管理、オンラインセミナーのアンケート結果の集計などにUiPathを活用している。

 自動化ワークフローの統制管理には、自動化ワークフローの管理ツール「UiPath Orchestrator」を利用した。すでに500以上のワークフローを作成し、250以上の業務を自動化した。これによって累計40万時間以上の業務時間を削減できたという。UiPath Orchestratorを利用することで、仮にワークフローの数が1万を超えたとしても、管理にかかる労力をほとんど増やすことなく対応可能な体制を構築できるとしている。

 RPAテストの自動化には「UiPath Test Suite」を活用した。RPAは自動化対象システムのユーザーインタフェースが変わると動作しなくなることがあるため、継続的にテストを実行して品質を維持する必要がある。三井住友信託銀行ではこうしたRPAのテストに多くの労力をかけていたが、今後はUiPath Test Suiteで作業の多くを自動化する予定だ。さらに、導入検討の過程でRPA以外にも活用できると判断し、RPAとは直接関係のない海外勘定系システムの開発で利用を始めているという。

 業務プロセスの標準化やリスク管理には、自動化発見ツール「UiPath Process Mining」を活用した。これは、作業ログから各従業員の業務遂行手順を可視化できる。これまで三井住友信託銀行では、顧客の多様なニーズに応じるといった信託銀行業務の特性上、内容が複雑化し、マニュアルに記載し切れないことが多々あった。UiPath Process Miningを導入してからは、最も効率的で正しい業務フローを見つけることができたという。万が一、作業状況が通常から逸脱してもそれを発見できるので、リスク管理にもつながるとしている。

 同社では、アンケート結果の集計にもUiPathを利用している。これまで5時間を要していた作業を30分ほどで完了できるようになった。

 三井住友信託銀行では、将来に向けた資産形成や運用などの情報を提供することを目的に対面式セミナーを開催していたが、新型コロナウイルス感染症対策としてオンラインに切り替えた。対面式セミナーでは質問への回答や顧客の悩みに対してその場で対応していたが、オンラインセミナーではアンケート結果をセミナー担当部署が取りまとめた後に各店部に還元し対応する。このとりまとめ作業の負荷が大きく月次での還元が精いっぱいだったが、UiPathによる自動化で各店部に情報をタイムリーに提供できるようになった。

 今後、三井住友信託銀行では、マーケティングや顧客への提案にもUiPathを活用する予定だ。それに向けてデータの取得や整形、加工、蓄積、分析などを、AI(人工知能)やBI(Business Intelligence)と連携させて一気通貫で実施できるよう、取り組みを進めている。

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