旭川市がRPAのシナリオ作成、運用を外部委託 狙いは?
北海道旭川市がRPAテクノロジーズの「BizRobo!」を本格導入し、シナリオの作成と修正、導入運用支援と運用保守を委託するという。狙いは何か。
RPAテクノロジーズは2022年8月3日、北海道旭川市が行ったRPA(Robotic Process Automation)の導入運用支援業務にかかわる公募型プロポーザルで受託候補者に選定され、旭川市が同社のRPAツール「BizRobo!」を7月に本格導入したと発表した。北海道でBizRobo!を導入した自治体は、旭川市が9番目だ。
旭川市は2021年8月に「旭川市デジタル化推進方針」を策定し、行政サービスの迅速化による利便性向上や、行政運営の効率化などに取り組んできた。行政運営の効率化については、AI(人工知能)やRPAといったICTを活用すると明記し、2020年度から定型業務への活用を進めている。
RPAを導入したものの全庁導入に壁
旭川市は、業務担当者が兼業でRPAのシナリオを作成していたことから、ロボットを思うようにスケールできないという課題を抱えていた。そこで、職員の負担を軽減しながらRPAの活用範囲を広げられるよう、RPAの導入と運用を外部に委託することに決めた。
公募型プロポーザルで受託候補者に選定されたRPAテクノロジーズは、BizRobo!のライセンス提供に加えて、シナリオの作成と修正、導入運用支援と運用保守、RPA操作の研修などを実施する。OCR(光学文字認識)が必要な場合は、自治体向けOCR「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」とBizRobo!を連携させる。
旭川市では「軽自動車税種別割申告書入力業務」や「放課後児童クラブ入会申込書入力業務」「再生資源回収奨励金交付申請書類入力」など、すでに8業務をRPA化済みだが、新たに10業務にBizRobo!を導入する予定だ。「国民年金加入受付簿作成処理業務」や「介護レセプト突合点検」「建築物定期検査結果入力」などでBizRobo!を活用し、税制課や資産税課、こども育成課、市民課など、旭川市役所内の幅広い部署での業務効率化を推進する。
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