Microsoft 365の事業をけん引する要素がセキュリティである理由
Microsoftは、サイバーセキュリティ機能をMicrosoft 365にバンドルすることに注力するという。その理由とは。
Microsoftは2022年12月6日、生産性向上に関わる同社のオフィススイート製品事業を推進するためにサイバーセキュリティ機能の強化を目指すと、経営トップが伝えた。
Microsoft 365の事業をけん引する要素がセキュリティである理由
Microsoftのジャスティン・スパタロ氏(コーポレートバイスプレジデント モダンワーク担当)は、UBS Global TMTカンファレンス(注1)でセキュリティ領域への注力について次のように語った。
「『Microsoft 365 E5』事業の成長をけん引する最大の要因はセキュリティとコンプライアンスだ。当社は、セキュリティ分野において、断片的な領域に、統合的な手法を持ち込もうと取り組んできた」
Microsoftのセキュリティ機能は、メールや「Microsoft Teams」といったコミュニケーションツールを含むあらゆる業務アプリケーションのセキュリティを確保するとスパタロ氏は述べた。
UBSのカール・ケアステッド氏(ソフトウェアエクイティリサーチ マネージングディレクター)はディスカッションの中で、近年ソフトウェア企業は成長のプレッシャーにさらされていると述べた。
Palo Alto NetworksやCrowdStrikeなどのセキュリティプロバイダーの競合他社は、ユーザー企業において、使用するセキュリティアプリケーションを統合する傾向が強まっている(注2)と論じた。これは有能な運用スタッフが不足していること、さらに無秩序にシステムが増えるスプロール化がユーザー企業の大きな懸念となっているためだ。
スパタロ氏は「Microsoft 365でインストールされる製品カテゴリーの12%がMicrosoft 365 E5であり、その1番の要因はセキュリティだ。この傾向は今後数カ月間は変わらない」と予想している。
「当社へのセキュリティ需要は増え続け、セキュリティの管理は企業にとってますます複雑になってきている」と同氏は話す。
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