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企業を取り巻く「データ環境の7つの変化」からガートナーが導き出す答え

ガートナーが語る「企業を取り巻くデータ環境の7つの変化」から、企業がより大きなビジネス上の成果を獲得するために取り組むべきことがみえてくる。

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 ガートナージャパン(以下、ガートナー)は2023年4月5日、企業がデータを活用してビジネス成果を実現するには「データ管理環境の近代化と内製化が必要」との見解を示した。企業がより大きなビジネス上の成果を獲得するために取り組むべきことがみえてくる。

企業を取り巻くデータ環境の7つの変化

 「ガートナー データ&アナリティクス サミット」(開催期間:2023年4月4〜6日)において、ガートナーの一志達也氏(シニアディレクター アナリスト)は、「伝統的なデータウェアハウス(DWH)からの7つの変化」を解説した。

変化1:データソースの量と種類

 SNSやECサイト、IoT、サードパーティー・データ、シンセティック(合成)データなど、企業が活用できるデータの種類は比べものにならないほど増えた。人によりつくられたものだけでなく、カメラやセンサーなどから生成されるデータの量も増える一方だ。

変化2:データソースの量と種類という変化にデータの蓄積環境が対応

 データを格納して蓄積する環境は、データの量と種類の両面で変化1に対応している。データの処理方法も含めて選択肢が多様化した。

変化3:ETL(抽出/変換/ロード)からELT(抽出/ロード/変換)へ

 従来は、データソースから抽出したデータを活用時に備えて蓄積するため、変換処理を施してから蓄積層へ流し込んでいた。現在は、生データをそのまま蓄積層へ流し込み、変換処理は後で行うのが主流になった。処理能力の問題に加え、変化の激しい使用用途に合わせて、都度変換処理したいというニーズに対応するためだ。

変化4:データ利用環境や手法の多様化

 これまで、DWHに蓄積されたデータを活用する代表的な手段は「ビジネス・インテリジェンス」(BI)だった。しかし今はそれに限らず、機械学習モデルの作成やメンテナンス、メトリクス・ストア(注1)、アナリティクス・コンポーネントのように細分化した単位での提供が可能になった。分析結果をリバースETL(注2)で業務システムへと書き戻すなど、データを有効活用するためには適切な手段を用いて都度情報を提供することが求められる。

注1:ビジネスで用いる各種指標の参照先や算出方法を一元化し、組織内の共通化や応用を促進する。ガバナンスを効率的かつ効果的に適用し、業務への活用力を高める

注2:DWHからデータソース(主にCRMやマーケティング)へ、通常とは逆向きのデータ連携を行う

変化5:仮想化技術の進展(コンテナ技術の普及)

 データの蓄積や活用などをするためのアプリケーションが動作する環境の構築は何ヶ月もかかるものではなくなった。コンテナ技術を活用すれば、数日、もしくは数時間で完了する。

変化6:クラウドへの移行

 データの蓄積も活用もクラウドを中心に行われるようになった。PaaS(サービスとしてのプラットフォーム)やSaaS(サービスとしてのソフトウェア)を活用すれば、環境構築や運用の手間は大きく削減できる。初期費用なしで従量課金の支払い形態は、企業が支払うコストに大きな変化をもたらした。

変化7:データ品質の重要性と責任者不在を再認識

 業務システムの延長上で行われてきたデータの活用から、多様で変化の激しいビジネス課題に基づいた高度なデータ活用が企業の全域で行われるようになると、これまで誤魔化してきたデータ品質やマスター・データの不備が目立つようにった。ガートナーには、データ品質についての相談が継続的に寄せられているが、IT部門だけでは解決できない非テクノロジーの問題に対して、上手く対処できていない企業が大多数だという。

 「D&A(データとアナリティクス)のリーダーが、より大きなビジネス上の成果を獲得するには、ビジネスや業務の知識を蓄えた上で、ビジネス部門との対話力を高めるだけでなく、社内外に向けて発信力を高めることが重要です。テクノロジーの側面では、クラウド・ファーストで機動力を向上させ、柔軟性と弾力性に優れたインフラによるIT資産運用も検討すべきです。そして、それらを実現するには、D&AやITスキルに加えて、ビジネスの専門知識やソフト・スキルが必要となることから、専門性の高いD&Aチームによる内製化が重要になります」(一志氏)

 一志氏によると、企業がデータ・ドリブンなビジネスを実現するためには、内製化を前提に人材の確保を推し進めなければならないという。

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