富士通、KDDIらが人的資本経営の手法をまとめたレポートを発表
名だたる企業のCHROが実施したラウンドテーブルの成果をまとめたレポートが発表された。人的資本経営の手法がまとめられているというが、どのような内容だろうか。
富士通は、パナソニックホールディングスや丸紅、KDDI、オムロンのCHRO(最高人事責任者)らとともに、人的資本経営の実践に向けた「CHROラウンドテーブル」を6回にわたって実施し、その成果を「CHRO Roundtable Report」として公開した。
気になるレポートの内容とは
同レポートでは、人的資本への投資がどのように企業の価値向上につながるかを示すとともに、企業価値向上の指標となり得る人事データの分析結果や、人的資本経営の実践手法などをまとめている。具体的にはどのような内容だろうか。
同レポートではまず、「人的資本価値向上モデル」が紹介されている。これは人的資本経営の実践に当たり、企業価値向上の指標となる人事データなどを解釈するためのフレームワークだ。富士通は「このモデルに人事施策をプロットし整理することで、それぞれの施策がどのように企業価値向上につながっているのか、全体構造を捉えて可視化できる」と述べる。
人的資本価値向上モデルの活用法も4段階に分けて示された。各段階で人事データの分析を行うことで、人的資本経営実現に向けてのストーリーに説得力を持たせることができるとする。また、ストーリーを社内外に説明する際も、「同モデルを用いることで伝わりやすくなり、人事施策の戦略的な実行につながる」と富士通は強調する。
同モデルは人事戦略策定の強力な指針となりそうだが、「Step 1」の「企業価値向上に関わると想定されるデータを精査、集約」を実施するのは骨が折れそうだ。企業によっては、まず、これらのデータを効率的に収集できる基幹系システムやタレントマネジメントシステムの導入が必要だと思われる。
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