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従業員監視ツールはなぜそこまで嫌われる? 7割の情シスが「回避策」を同僚にリーク

ある調査によると、生産性監視ツールの導入を求められたとき、多くの情シスが「回避策」をリークするという。なぜ監視ツールはそこまでして嫌われるのだろうか?

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HR Dive

 生産性監視ツールを利用する企業が増えているが、このようなツールを嫌がる従業員も多い。

 監視ツール導入の際、上層部と従業員の間で板挟みになるのがIT部門の担当者だ。IT部門をサポートするサービスを提供する1Eが実施した調査によると(注1)、監視ツールの導入を求められた場合、IT部門の従業員の25%以上が上司に対して懸念を示し、5%は「拒否する」と回答した。また、IT部門の従業員の72%は「同僚に(監視ツールの)回避策を教える」と回答した。

監視ツールの「悪影響」とは

 正しい使い方をすれば生産性向上に資するはずの監視ツール。利用によって「悪影響」が生じる場合もあるという。どのような影響だろうか。

 同調査では、監視ツールによる具体的な影響として「従業員の忠誠心の低下」や「リーダーへの信頼の減少」が挙げられ、IT管理者の30%は監視ツールを使用し始めてから「従業員の忠誠心の低下が起きている」と回答し、IT部門の従業員の30%は「従業員の不安の増加」、28%が「従業員の燃え尽き症候群が加速した」と回答している。

 テレワークが一つの働き方として定着した今、この調査結果には一考の価値がある。Digital.comが2021年に実施した調査では、テレワークを導入している企業のほとんどが従業員を監視するツールを使用していることが分かった(注2)。

 監視ツールの悪影響を指摘した事例は1Eの調査だけではない。欧州委員会の合同調査委員会による2021年の報告書によると、監視によって従業員の仕事への満足度や組織へのコミットメントが低下し(注3)、ストレスが増大する恐れがあるとされている。

 Microsoftなどの複数の企業は、監視によって従業員と経営層の関係を断絶させる恐れがあると警告している(注4)。人事関連サービスを提供する15Fiveが2023年初頭に発表した調査結果によると、管理職の3分の1以上は監視が従業員の生産性に影響を与えることはないと回答している(注5)。

 さらに、従業員監視を導入した企業は規制当局に目を付けられる可能性もある。2023年3月に全米労働関係委員会(以下、NLRB)と消費者金融保護局は、企業による従業員の監視に対処するため、両機関による情報の共有を明記した覚書に署名した(注6)。NLRBの顧問弁護士であるジェニファー・アブルッツォ氏は、労働者の権利を阻害する恐れのある監視ツールに対処するよう求めている(注7)。

 労働者保護団体も労働安全衛生局に対して、電子監視やアルゴリズム管理に関する職場の基準を設けるよう求めている(注8)。

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