とっくにサポート切れのWindows 95/98を“最新”にする、ある方法とは?:719th Lap
Windows 95/98やWindows NTなど、レガシーバージョンを利用するWindowsユーザーは今も一定数存在するという。当然ながら、それらのOSは既にサポートが終了している。だが、今もなおアップデートできる方法があるという。
Statcounter Global Statsの統計データ「Operating System Market Share Worldwide」によれば、日本国内で最も利用されているWindowsのバージョンは「Windows 10」だ(2023年6月時点)。一方で、Windows OSのレガシーバージョンを今もなお利用するユーザーはわずかながら存在するという。
当然ながら「Windows 95」や「Windows 98」などのレガシーバージョンは既にサポートが終了している。だが、どうやら2023年の今でも更新ファイルを手に入れる方法があるらしい。でも、アップデートファイルの提供はとっくに終了しているはず……。一体、どうやって?
Windows 95/98のアップデートはWindows 10/11のようにアップデーターを使う仕組みではなく、Webサイトで配布されたアップデートアプリを使う方式だ。Microsoftは公式Webサイトでアップデートアプリを公開していたが、それらは2011年に全て削除された。これでアップデートアプリを必要とするWindows OSを最新状態にアップデートすることは不可能になった。
そこで『Ars Technica』が2023年7月11日に取り上げたことで話題となったのが、「Windows Update Restored」だ。ここでは、Windows 95やWindows 98、「Windows NT 4.0」など、Windows OSのレガシーバージョン向け更新プログラムや最終バグ修正プログラムが保存、公開されている。
Windows Update Restoredの最新版(同サイトでは「バージョン3.1」とされている)には、かつてMicrosoftがWindows Updateで配布していたインストールアプリやサービスパックが大量に保存、公開されている。対応するのはWindows 95とWindows 98、Windows NT4.0、「Windows Me」と「Windows 2000」で、それぞれのセキュリティ更新プログラムや、各種ドライバーファイルを入手できる。ただし、Windows 2000の更新ファイルは最新バージョンではないため、Ars Technicaの記事では「Windows 2000およびWindows XPなど2000年代にリリースされたOSはWindows Update Restoredと同種のプロジェクト『Legacy Update』の利用を推奨」とある。
なお、Windows Update Restoredからアップデートファイルをダウンロードするには、「Internet Explorer 5」以降が必要だ。Windows 95を自力でセットアップしてWindows Update Restoredからファイルをダウンロードしようとしても、Windows 95の初期状態にはInternet Explorer 5はインストールされていないが、Windows Update Restoredには全ての言語に対応したInternet Explorer 5/5.5のインストールファイルが用意されている。
なおArs Technicaは「古いWindows OSに最新のWindows Updateを適用できるとしても、インターネットに安全にアクセスできるとは限らない」と警告する。いくら“最新”とはいえ、最後にアップデートファイルがリリースされたのが10年、20年以上も前であり、現在のインターネット環境に対応しているとは言えないからだ。過去のアプリやゲームの検証や、保管していたファイルのチェックなどでの利用にとどめておいた方がよさそうだ。
遠い昔の記憶と向かい合うためにWindowsのレガシー環境が必要なら、利用してみたいところだ。
上司X: 超古いWindowsの最新アップデートファイルを入手できる「Windows Update Restored」がバリバリ稼働中、という話だよ。
ブラックピット: 超古いのに最新とはこれいかに。10年以上前に配布されたものでしょう?
上司X: そのWindowsを基準にすれば「最新」ということだよ。もう、分かってるクセに。
ブラックピット: まあそうでしょうけど。それにしても、MicrosoftはこのWebサイトや配布されているファイルを承知しているのでしょうか?
上司X: あ、いや、ええと……その点はよく分からないかな。「研究プロジェクト」という意味合いのサイトらしいが、どういう経緯でやってるかは知らない。
ブラックピット: まあ、今さら20年も30年も前のファイルにとやかく言わないのかもしれませんけどね。
上司X: どうだろうなあ。権利はやっぱりMicrosoftにありそうだけどな。
ブラックピット: しかし、Windowsユーザーの中でも1%どころか0.01%にも満たない人たちが使うかもしれないというこのサイトが話題になるなんて面白いですよね。Ars Technicaが記事で書いているように、20年も前のWindowsが動くことで過去のストレージから何か発掘される可能性があるわけだし、もう二度と遊べないと思っていたゲームがプレイできるようになるかもしれません。偉大だ!
上司X: まあ確かにな。その一助になるのならば、非常に有意義なプロジェクトなのではと俺は思うね。キミもどうだい、今夜あたりWindows 95のセットアップでもしてみないか? 確かフロッピーが21枚だったっけかな。セットアップしたらすぐ最新のIE5を入れると最新のアップデータを適用させられるしな!
ブラックピット(本名非公開)
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
上司X(本名なぜか非公開)
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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