ITエンジニアが思う“理想の上司像”と悲しい現実 パーソルの調査で明らかに
ITエンジニアが働き方や上司、人事評価について「理想と現実のギャップ」に悩んでいる様子が調査で明らかになった。
パーソルホールディングスは2023年8月14日、ITエンジニアの働き方に関する調査結果を発表し、ITエンジニアの理想の働き方や、経営層と上司、評価制度に求めることが明らかになった。
「理想の上司」と「現実の上司」のギャップ
ITエンジニアにとっての「理想の上司」はどのような人で、現実との乖離(かいり)はどこにあるのか。
経営層と上司の理想と現実について聞いたところ、「指示が的確」や「リーダーシップがある」「決断力がある」といった項目で特に理想と現実のギャップが大きい状況だ。
管理職に対して従業員のサポートやコミュニケーションが求められる中、実際の管理職の多くは日々の業務に忙殺され、マネジメントスキルを身に付ける機会が少ないことが問題になっている(注1)。企業は管理職の働き方改善と教育を同時に実施することが求められる。
理想の評価制度は?
評価制度の理想と現実について聞いたところ、理想の評価制度として「評価項目が分かりやすく周知されている」や「公平性がある・えこひいきがない」「成果主義」などが上位に挙げられた。
その中でも「公平性がある・えこひいきがない」については理想と現実のギャップが最も大きい結果となった。米国においても職場での“えこひいき”が問題になっており、昇進に必要なスキルを習得する機会が提供されていないという背景があると思われる(注2)。
「ほぼリモート」が理想だが、現実は……
同調査によると、ITエンジニアの出社頻度は「週5日」と「ほぼ出社しない/ほぼリモートワーク」を挙げる人が多く、二極化が進んでいる。
理想の働き方としては41.3%が「テレワークができる」を挙げており、働き方についても理想と現実のギャップに苦しむ人が多いと思われる。
同調査は「仕事と働き方に関するアンケート」として2023年3月10〜17日に、10万人の労働者を対象に実施された。本稿で取り上げた「IT/通信系エンジニア」は3834人だった。
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