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Microsoftが明らかにした「出社すべき社員の特徴」と「対面でやるべき仕事」

従業員は必ずしもフルタイムでオフィスにいることを望んでいないが、対面での仕事がメリットになる場合があることをMicrosoftのデータは示している。

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HR Dive

 昨今、「オフィス」が仕事に関する議論の中心になっている。対面での仕事に戻ることに価値があるかどうかを検証するさまざまな研究が行われる中、一つの疑問が残る。それは「オフィスでの時間を最も効果的に活用する方法は何か」というものだ。

出社すべき「従業員」と「仕事内容」は?

 Microsoftはガイドラインの範囲内で作業を行う限り、誰がいつオフィスに来るかの決定はチームに委ねられる「構造化されたフレキシブルワークモデル」を採用し、従業員の多くは約半分の時間をオフィスに出社して働くべきとする(注1)。同社は従業員のオフィスでの時間の使い方に関する社内データから、対面での時間が最も有用だと考えられる次の3つの瞬間を発見した(注2)。

  • チームの結束を高めるとき
  • 新しい役割を与えたり、新しいチームまたは企業に配属する際のオンボーディングを行うとき
  • 新しいプロジェクトを開始するとき

 さまざまな調査から分かるように、従業員はフルタイムの出社を望んでいるわけではない。福利厚生に関する調査を行うNPOのIntegrated Benefits Instituteの調査によると、調査対象者の約半数が「フルタイム出社の要求があった場合、辞職する可能性がある」と述べた(注3)。また、全米産業審議会の研究でも、そのような方針を義務付けることが離職率の問題を引き起こす可能性があると示唆している(注4)。

 Microsoftの調査によると、従業員はテレワークの柔軟性に満足している一方で、チームとのつながりをより強く望んでいるという。多くの提案において、対面で行うべき活動として、社交的な活動やチームビルディング活動が挙げられた。

 Microsoftのあるチームリーダーは次のように述べる。

 「社会関係資本はバッテリーのようなものだ。対面での交流がない期間が長ければ長いほど、バッテリーの充電量は減っていく。チームウィークのような重要な瞬間があれば、私たちはバッテリーを再充電することができるのだ」

 データによると、対面での会議は新入社員にとってもメリットがあるという。オンボーディング中に上司と対面で会った従業員は、自分の仕事ぶりについてフィードバックを求めたり、問題解決のための提案を求めたりし、上司とのコミュニケーションを快適に感じる傾向が強かった。

 Microsoftによると、特にオンボーディングでメンターが対面で指導する時間は、企業の慣習やチームダイナミクスを観察する機会を従業員に提供するという。バーチャル環境でこれらの機微を把握するのは難しく、特にキャリア初期の従業員にとって重要であるようだ。

 また、Microsoftによると、対面で新しいプロジェクトを開始することで、従業員は自分の意見を受け入れられたと感じる。また、アイデアの共有を促進する効果もあるという。

 Microsoftは次のように述べる。

 「オフィスを万能のソリューションとして考えるのではなく、チームは自分たちの仕事の種類を考慮し、対面で集まる重要な時間帯や理由を決めるべきだ。また、1週間の出社であるか、1日の出社であるかにかかわらず、対面で仕事をするメリットは、交通費や通勤時間の発生、仕事に集中するためのスペースの設置といったコストと比較する必要がある」

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