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IT記者がぼやく、ノーコード/ローコード開発ツール台頭の裏の“アンマッチ事情”

最近、立て続けにノーコード/ローコード開発ツールの導入事例を取材した。プログラミングの知識がないユーザーでもアプリケーションを開発できるとして人気を博しているツールだが、筆者はその取材現場で“とあるアンマッチ”な事情を目の当たりにした。

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 私の友人に、二次元アイドルの推し活に熱心な人がいる。「推しがいるだけで人生が豊かになる」と、いつも私にその魅力を力説する。家族と仕事に自分のパワーをほぼ使い切ってしまっている身としては、趣味に没頭できる友人の生き方は、ある意味でうらましい。

 そんな忙しい日々で、ランチに食するカレーは私のささやかな癒やしだ。取材で出歩く機会が多い中、当然お昼には腹が減るのでカレー屋を探して右往左往し、一日を乗り切るためにスパイスを注入する。うーん、カレーなら私でも推せそうだ。

 先日、件(くだん)のアニヲタの友人からマッチングサービスに登録したと報告があった。いよいよ推し活に終止符を打つのかと思いきや、どうやらオタク専門のマッチングサービスとやらが存在しているらしい。私はその手のジャンルに全く無知であったが、本人の幸せにつながる活動であれば応援したいと切に思う。

 筆者の実兄は結婚相談所に登録したが、結果としてうまくいかなかったという経験がある。出会いのアンマッチを減らすという意味で、細分化されたカテゴリーでマッチングができる方が成功の確率も格段に高くなるはずだ。詳細は存じ上げないが、市場のニーズをくみ取った良いサービスなのだろう。

ノーコード/ローコード開発ツール台頭の裏で感じる“アンマッチ事情”

 最近、立て続けにノーコード/ローコード開発ツールの導入事例を取材した。プログラミングの知識がないユーザーでもアプリケーションを開発できるとして人気を博しているツールだが、筆者はその取材現場で“とあるアンマッチ”な事情を目の当たりにした。

 以前に比べて取材の質が変わってきたように思う。かつては情報システム部門の方に取材するケースがほとんどだったが、最近は事業部門の方に話を聞く機会が多い。現場ユーザーでも扱えることがノーコード/ローコード開発ツールの魅力だけに、当然と言えば当然だ。

 しかし、取材側としては、以前にしていた質問に答えてもらえないケースが増えていると感じている。例えば、サービスのレスポンスに関して「トランザクションはどのくらいあるのか」を聞くと、「えっと……」と戸惑いの表情を浮かべる。では、周辺システムとどのように連携させているのかと聞くと、「その辺はよく分からないんですけど」とお茶を濁される。

 確かに、システム全体を見ている情報システム部門であれば回答できる話題でも、経理や営業、総務の方が回答できる内容ではない。相手の属性を考慮した質問ができていない私の方が悪いのだ。

 そうはいっても、原稿を執筆する上で、オンプレミスで運用してきた環境との違いは把握しておきたいし、現状の使い勝手を知る意味でもシステム構成や運用周りの実態についてはぜひ聞きたいところ。

 あまり表面的なことしか聞けないと、結局「ITに詳しくない現場でも簡単に入力項目の追加や変更ができる」「初めてでもアプリケーションが開発できる」といった評価に終始してしまう。ターゲット読者が事業部門の方であればいいのだが、情報システム部門に向けて記事を作ろうとすると、どうしても深堀りできない記事に仕上げざるを得ない。

 メディアとして、こちらから取材を依頼する場合は、読者の属性と記事のコンセプトについてご理解いただいた上で適したメンバーを紹介してもらうので問題ないのだが、私がフリーランスとして活動している場面では、その事前の交渉ができない。企業からの依頼で原稿を作成する場合、すでに座組が決まっている段階で依頼されることが多いためだ。

 しかも、特にノーコード/ローコード開発ツールに関しては、情報システム部門に向けの記事を想定しているにもかかわらず、事業部門の方が取材対応されるというケースが多い。私の稚拙な取材力をもっと鍛える必要はあるものの、それだけではカバーできないことも少なくない。

 多くの現場にDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の潮流を生み出しているノーコード/ローコード開発ツールは、取材をなりわいにしているわれわれにとっても、従来までのプロセスやアプローチ方法を見直す良い機会となっているようだ。

 取材に協力いただく対象者と記事を見せたい想定読者とのアンマッチは、これからも続くことになりそうだが、いずれは記事のターゲットを事業部門に寄せ、その記事に合ったメディアへの展開や検索キーワードの想定をすることが求められるだろう。

マッチングサービスの多様化、成果に期待したいところ

 友人がマッチングサービスに登録したと聞いて以来、その後の詳しい経過は聞いていない。以前に比べて連絡が少なくなっているのは、うまくいっている証拠なのだろうか。

 一度連絡があった際は、アキバのメイドカフェでバイトをしていた方とマッチングし、二次元のアニメネタで大いに盛り上がったと話してくれた。そもそも、マッチングを調整するコンシェルジュ的な担当者も生粋のオタクらしく、楽しくマッチングサービスを利用していると聞いている。

 2020年の国勢調査を基に算出されたデータでは、生涯未婚率は男性で28%、女性で17%を超えており、異次元の少子化対策を掲げる現政権も、結婚して子供を育てやすい環境整備づくりに躍起になっている。そんな日本の希望となるためにも、友人の活動に大きな成果があることを祈りたい。


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