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コンポーザブルERPのデメリットをカバーする意思決定インテリジェンスプラットフォームとは

個別最適なシステムを採用するコンポーザブルERPに注目が集まっている。ユーザーはメリットに合わせてデメリットも理解する必要がある。

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 旧式のモノリシックなERPを、個別機能に特化したSaaSアプリケーションに分割する「コンポーザブルERP」に注目が集まっている。実際に個別最適の実現に向けて移行を進めている企業も多いが、これは良い面ばかりではない。

 複数のサイロにデータが拡散すると、意思決定者が自社を総合的に捉えるのが困難になる。また、データ統合に関する問題もある。

意思決定インテリジェンスプラットフォームとは

 ERP導入の意思決定を下す経営陣の中には「エンタープライズアプリケーション内の情報のほとんどが活用されない」と痛感している者も多い。彼らは何年も前から、AI(人工知能)やBIツールを利用し、顧客やパートナーが持つ膨大なデータからアイデアやインサイトを引き出そうと取り組んできた。

 英国のAIソフトウェアメーカーであるFacultyのトム・オリバー氏(プロダクトマネジャー)によると、ERPの導入企業は真に必要としている「組織横断的な事業のインサイト」を得られていない。

 同氏は最近投稿した複数の記事で「データ解析ツールを特化型SaaSアプリケーションと組み合わせ、AI活用型の意思決定インテリジェンスを活用することがユーザーのニーズに最も即している」と述べている。

 「意思決定インテリジェンスは領域であると同時に、テクノロジーだ。これは法人向けアプリケーションの未来を形作る可能性がある」(オリバー氏)

 オリバー氏は自身が出演した「Podcast」で、Facultyの意思決定インテリジェンスプラットフォーム「Frontier」の仕組みを解説している。

「点を結び」全体像を作り上げる意思決定インテリジェンス

 オリバー氏はFacultyに勤務する前は、PwCでコンサルタントを務めていた。約5年にわたり、企業買収や事業部門売却といった業務に従事した。同氏は「事業や組織構成に関わる細かな問題に対処する中で、現在のERPの標準的な設定では意思決定の根底に横たわる問題を解決するのにはあまりに不適切だと感じた」と語る。

 「標準的なERPで、複雑な組織が抱える微妙なニュアンスの質問に答え、何らかの意思決定に役立つインサイトを提供するのは困難だ」(オリバー氏)

 オリバー氏はこの問題の一つに「CRM(顧客関係管理)や人事といった主要な職能向けの有用なSaaSアプリケーションの広範囲への普及があった」と指摘する。

 それでも同氏は、いわゆる「ベスト・オブ・ブリード」(最善の組み合わせ)のプラットフォームを支持している。

 「これらのプラットフォームは、日常業務の中核をなすワークフローを検証し、データを入手するのに役立つ。これは素晴らしいことだ。問題はあっても私たちがこうしたものを必要としているのは確かだ」(オリバー氏)

 意思決定インテリジェンスプラットフォームは、これらのシステムが抱える問題を解決するように設計されている。

 オリバー氏によると、Frontierはエンタープライズ向けアプリケーションに追加する形で提供され、アプリケーションのデータを統合するように設計されている。ERPシステムのトランザクションシステムから直接得られるものであれ、DWH(データウェアハウス)との統合によって得られるものであれ、全てのデータが統合の対象だ。

 これは、データソースの分析を通じてある組織の業務をリアルタイムでデジタルの世界に再現する「コンピュテーショナルツイン」の概念に依拠している。Facultyは自社のWebサイトで「ML(機械学習)などの手法を利用して予測する機能の点で、自社のツインが標準的なデジタルツインを超えている」としている。

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