「Windows 10」PCのジャンク化を回避する秘策とは?:748th Lap
OSのシェアを調査しているStatCounterによれば、2024年1月時点でWindows PCのOSシェアは「Windows10」が66.47%と大半を占める。「Windows 11」の要件に対応しないPCは、ジャンク品扱いとなってしまうのか……。
周知の通り「Windows 11」のインストール要件は低くはない。これまで快適に「Windows 10」が動作していたPCなのに、要件に対応していないがためにWindows 11をインストールできないというケースが相次いでいる。
「Windows 10のサポートが終了すると、まだ利用できるPCもジャンク品になるのか……」と悩むユーザーに猛烈にアピールしているのがGoogleだ。サポート切れからジャンクになりかねないWindows 10 PCを救うというが、一体どうやって?
Googleが強く推進しているのは「ChromeOS Flex」だ。Googleは「Chrome OS」を提供してきたが、あくまで「Chromebook」向けのOSであり、対応するPCにプリインストールされているものだった。
しかし、2022年7月にリリースされたChromeOS Flexは、Windows PCに加えて「Mac」にもインストール可能で、しかもインストール要件もそう高くない。Googleは2024年2月15日、ブログに記事を掲載し、その有用性を強くアピールした。
Windows 10のサポート終了は、個人はもちろん企業にとっても大きな打撃となる。問題なく使えるWindows 10搭載PCが一気にサポート対象外となるのだから、それも当然だ。ブログ記事ではChromeOS Flexを導入することで特に企業ユーザーが得られるメリットを11項目にわたって説明している。それぞれを簡単に紹介しよう。
「1.It's secure」では、ChromeOS Flexのセキュリティの高さを強調している。データの暗号化や自動更新、サンドボックスなどの機能によってさまざまな脅威からデータを保護し、万が一デバイスが盗難に遭った場合でも遠隔からのワイプが可能だ。
「2.It’s familiar」では、その使いやすさを説明している。Webブラウザ「Google Chrome」に慣れていればなじみ深く、すぐに使いこなせるというわけだ。「3.It increases productivity」では、ChromeOS Flexの起動が高速であり、OSの更新もバックグラウンドで自動的に実行されることから、生産性の向上につながると説明している。
「4.It’s easy to manage」では、ChromeOS Flexに移行したWindows PCやMacが管理しやすくなることを説明している。Google管理コンソールから複数台のデバイスを管理でき、企業での運用も容易とのこと。「5.It works with your business applications」では、移行後にも従来のビジネスアプリを引き続き利用できることを強調している。多数のサードパーティー製アプリが提供されている他、Windowsで利用していたアプリも仮想化アプリとして利用できるとしている。
「6.It’s flexible」では、ChromeOS Flexが多数のデバイスに対応した柔軟性を持つと説明。対応するデバイスを細かく記載したWebサイトが公開されており、2024年1月末日時点で600機種に対応しているという。「7.It reduces IT support costs」ではサポートコストが、「8.It reduces hardware costs」ではハードウェアコストがそれぞれ軽減できるとしている。
「9.It prevents devices from becoming e-waste」では、古いデバイスにインストールすることでそれらを廃棄することなく有効的に利用できるとし、「10.It’s energy efficient」ではエネルギー効率が向上し、従来と比べて19%のエネルギー消費軽減を実現できるとしている。
そして最後の「11.It’s perfect for businesses of any size」では、シンプルな管理機能とセキュリティ機能によって、大企業から中小企業まで幅広くChromeOS Flexを利用できることが重ねて強調されている。
当然ながらChromeOS Flexのメリットは企業ユーザーのみならず個人ユーザーにも当てはまることであり、Windows 10 PCの買い換えを検討せざるを得ない人にとっても福音となるかもしれない。
上司X: Windows 11にアップグレードできないWindows 10 PCにはChromeOS Flexをどうぞ! とGoogleが猛アピールしているという話だよ。
ブラックピット: 別にWindows 11にアップグレードできるPCでもかまいませんよね?
上司X: そりゃそうだな。アップグレードしたくない人もいるらしいが、キミもか?
ブラックピット: いや別に僕はそんなこともないですけど。そういう選択もあるのかなと。
上司X: でも、PCのスペックってそこまで劇的に変化してないし、アプリやらなにやらが求めるスペックもそう変化ない。
ブラックピット: 映像編集とかハイスペックなゲームとかならともかく、普通にビジネス用のPCだと5〜6年前の、それこそWindows 11にアップグレードできない製品でも十分使えますもんね。
上司X: Windows 11の要件だけがハードルを上げているんだよな。
ブラックピット: でも、メーカーも新製品を売っていかないといけないですからね、そこは致し方ないのではとは思いますが。僕は多少古くても自分のPCをまだまだ使いたいと思うので、今回のChromeOS Flexはちょっと興味ありますね。Googleさんに頼ればなんとかなるのかも。
上司X: 俺もな、ほぼ「YouTube」の再生にしか使ってないWindows 10 PCがあるんだ。サポートが切れる前に、ChromeOS Flexを入れてみるのも悪くないかもしれん。とまあそういう具合でだ、Windows 10のサポート切れのタイミングではいろいろありそうだ。いつの間にかGoogleがOSの覇権も握っていた、なんてことになったりしてな。
ブラックピット(本名非公開)
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
上司X(本名なぜか非公開)
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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